「嵐は(コンサート会場で)シャワー浴びて、(パンツを)ビニール袋に入れて家に持って帰って洗うよ。その瞬間がいちばんギャップがある。“何やってるんだろう、さっきまでの時間、何だろう……”。でも、こっちのほうが現実かもって思う」
これはある番組で、嵐の松本潤が発したことで話題になった、スターの“終演後のギャップ”問題。ファンの黄色い声援を浴びた直後に感じる、スターたちのリアル。
'90年代に、大事MANブラザーズバンドのボーカルとして一世を風靡した、立川俊之には、どんなリアルがあったのだろうか。
「年をとってくると、気負いもなくなってステージ上とのギャップもあまり感じなくなってきました。演奏している自分と、飯を作ることだったり風呂に入ったりといったことが、すべて地続きの延長線上になったんです。
踏んできた場数や、体力の衰えももちろんあるのでしょうけど、若いころと違って、だんだんとテンションの起伏が小さくなりました」
現在はソロアーティストとしてステージを沸かす立川も、今年でデビュー26年目の大ベテランだ。
とはいえ、これまでにはステージを降りたときに落差を感じる瞬間があったことを、こっそり明かしてくれた。
「以前にあったのが、ステージで『それが大事』をたくさんのファンの方に大合唱していただいた後、終わったらすぐ家に帰って娘の弁当の仕込みをしなきゃいけなかったんです(笑)。翌日の朝は時間がないから、前日のうちにやっとかなきゃいけないんですが、さっきまでステージで歓声を浴びていた自分は何だったんだろうと思ってしまいましたよ」
演奏中は観客の熱視線をひとり占めしている彼も、ひとたび自宅に戻れば2人の娘を持つパパである。
「ステージ中も歌いながらちょっと(弁当の献立を)考えていたりしますよね。だいぶ頭をよぎりましたよ。冷凍のシューマイが余っていたな、とか。ステージから帰ってホッとひと息つきたいのに、弁当の仕込みをしなきゃいけない。なかなか切り替えが難しいですよね」
そんな彼もバンド全盛期のころは、エネルギーにあふれていたという。
「若いころはライブ終わりに打ち上げがあったので、すぐに普段の生活に戻る瞬間はなかったですね。酔って家に帰ってまた飲んで、酔っぱらったまま次のステージに行って、本番が始まるころに酒が抜けてきて、ライブ終わって汗かいて酒が抜けきると“さぁ、打ち上げ行くか!”みたいな(笑)」
今はステージ上ではスターで、家に帰れば良きパパ。そんなギャップもまたカッコいい!