左から財木琢磨、横田龍儀 撮影/廣瀬靖士

 5年前、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで同じスタートを切った財木琢磨と横田龍儀。ライバルとして、また盟友として互いに高め合ってきた2人に、次の共演作への思いを聞いた。

──熱狂的人気を誇るミュージカル『刀剣乱舞』〜三百年の子守唄〜で共演し、12月からは海外のステージを含めた同シリーズのライブ公演を控えている2人。多忙の中、ディズニークリスマスでの撮影に協力してくれた。

(*二人がガイドを務めた東京ディズニーリーゾートの記事はコチラ!)

横田 いつもはパレードを見るよりも、その隙にアトラクションに乗りたいタイプだったので、初めて間近でパレードやショーを体験できて楽しかった〜!

財木 普段は僕らが、お客さんに対してパフォーマンスをするほうなので、無意識にそういう目線でショーを見ていたよね。例えば、ファンサービスでも、目がしっかり合って手を振ってもらえると、こんなにうれしいんだってことがわかったり。ディズニーっていう一流のエンターテイメントだから勉強になるねって、龍儀と話していました。

横田 僕も、今まではミッキーとかキャラクターばかりに目がいっていたけど、今日はダンサーさんのパフォーマンスに注目していて、自分も大人になったな〜と(笑)。

財木 逆に、こっちが手を振ったのに、ダンサーさんがちょうど向こうを向いてしまってガッカリしたりと、ファンサービスの難しさも感じたね。

横田 でもさ、さらに裏をついて、そこからもう1回、振り向いてくれたら、「気づいてくれてたんだ!」ってうれしさが倍増しない?

財木 ツンデレの効果ね。

横田 それにしても、シンデレラは可愛かったな〜、美女と野獣のベルも……(うっとりした様子)。

財木 結局、キャラクターばっかり見てるじゃん(笑)。

──クリスマスの雰囲気は楽しめた?

横田 ショーで雪が舞い散ったり、ツリーにも雪化粧がされていて。今年はクリスマスイブも財木さんと一緒の公演が入っているので、今日はひと足先に満喫しました!

財木 クリスマスといえば夜が本番。夜のショーやイルミネーションが楽しみだな。

横田 僕は絶叫系が大好きなのでアトラクションにも乗っておきたくて。さっき財木さんにも、タワー・オブ・テラーに乗ろうって誘ったんですけどね。

財木 僕、落ちる系が本当にダメなんですよ。プーさんのハニーハントくらいの高低差でちょうどいいです。

横田 プーさんのハニーハント、高低差ほぼないよね(笑)。

財木 前に撮影で、ジュノンボーイの同期のメンバーと遊園地に行ったときもフリーフォールに乗ろうってなって。僕が尻込みしてたら、龍儀に「乗らないんだ?」って言われて乗ったけど、まじで泣きそうになったから(笑)。

横田 乗ったあと、しばらくテンション下がってたもんね。

オーディションの前日には仲間で集まり決起集会も

──2人は『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト第25回』のファイナリストですよね。

横田 当時僕は18歳で、財木さんが最年長の20歳。初めはお兄さんという感じでした。

財木 仕事で一緒になるうち、距離が縮まって。今はプライベートで家に行ったりするよね。

横田 財木さんが、舞台のオーディションを受ける前日には、仲のいいメンバーで家に集まって、みんなでアドバイスし合ったり。

財木 そうだったな。最初は同期のメンバーがいちばんのライバルだと思ってたけど、いざデビューしたら、もっと才能のある人がどんどん出てきて。龍儀とは、一緒にスタートを切った仲間、同志という感じかな。

横田 僕は財木さんに対しても、負けたくないっていうライバル心はあるよ。テニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』)という人気の作品で役を得ていることもそうだし、ツイッターのフォロワー数もすごいし。

財木 毎日、頑張ってアップしてるからね。毎日やれば、確実にフォローしてくれる人は増えるから。

横田 僕は自撮りが苦手なんだよね。僕がやると、あいつ自分大好きだなって思われそうで……。

財木 気にしすぎだよ(笑)。

財木琢磨 撮影/廣瀬靖士

──次の共演作、ミュージカル『刀剣乱舞』〜真剣乱舞祭2017〜の見どころは?

横田 真剣乱舞祭は、刀ミュ(ミュージカル『刀剣乱舞』)のライブ公演にあたり、シリーズ4作の刀剣男士が集結します。豪華なメンバーでさらにパワーアップしているところを見てほしいです。

財木 今回はライブ版ということで、見せ方を改めて考えています。僕の演じる大倶利伽羅は、一匹狼で他者とのなれ合いを嫌う役。お客さんに対しても、無視するんじゃなく、役としてファンサービスをしないことを選んでる感じを出すのが難しいですね。

横田 僕の演じる物吉貞宗は、ポジティブで明るい、人当たりのいいキャラ。とはいえ、演出家の茅野さんには、「人に好かれるな、嫌われろ」ということを言われました。つまり、見る人に媚(こ)びるなということ。嫌われてもいいぐらいのつもりで、自分が思うように演じていきたいです。

単なるブームと思わせない可能性を見せていきたい

──稽古(けいこ)は厳しいんですよね。

横田 厳しいですねー。トラウマになるほど怒られました(笑)。何回やってもダメで、僕の稽古だけで、ほぼ1日つぶれることがあって、みんなに迷惑かけたり……。

財木 相当落ち込んでいたね。

横田 でもそこで、財木さんが「こうすれば?」って声をかけてくれて。そうやって自分の持っているものを出し惜しみしないで、力になってくれるところは、すごく尊敬しています。

横田龍儀 撮影/廣瀬靖士

財木 龍儀のいいところは、それを吸収しようとするところ。だから伸びるんだと思います。素直なんですよ。

横田 いま2.5次元が注目されているからこそ、ブームだけで舞台に立っているとは思わせたくない、そういう意気込みはあります。

財木 真剣乱舞祭は、キャラクターがどんなふうに絡むのか、楽しみだしプレッシャーでもあるね。

横田 そうだね。どうなるのかな?

財木 同じタイプの刀同士が絡むとか、同じ刀派同士が絡むとか、いろんな可能性があるよね。

横田 そうなったら楽しいよね。また、崎山兄さん(崎山つばささん。真剣乱舞祭でも共演)と会えるのも楽しみ。財木さんは次の舞台(「クジラの子らは砂上に歌う」)でも崎山兄さんと共演するんでしょう? 羨ましいなぁ。

財木 そうだね。つばささんや、みんなと久しぶりに会えるのが楽しみだね。

二人に聞く! 役者としての悩みは?

財木 役に入り込むと、無意識に演じ方の癖がついてしまうのが悩みです。僕がテニミュで長く演じた手塚国光は、冷静で笑顔を見せないキャラクター。役柄がかぶるところがあるせいか、今回、刀ミュで大倶利伽羅を演じているときについ、手塚の声が出てしまうときがあるんです。クールさの表現にも幅を出していかなければと思います。

横田 発声に関する課題が多いのですが、まず滑舌が悪いのが悩みのひとつ。毎晩お風呂で「あ・え・い・う……」と発声練習をしています。あとは、声が低いこと。どうしても、僕の見た目のイメージでいただく役とのギャップが出てしまうんですよね。でも、これも僕の持ち味のひとつなので、自分らしさとして強みにしていきたいです。

<プロフィール>

ざいき・たくま◎ミュージカル『テニスの王子様』やミュージカル『刀剣乱舞』~三百年の子守唄~などの人気舞台で活躍。6年ぶりに復活の「水戸黄門」でメインキャストに抜擢されたほか、2018年1月より舞台「クジラの子らは砂上に歌う」に出演。

よこた・りゅうぎ◎中性的なルックスと低音ボイスのミステリアスな魅力で、映画や舞台では幅広いキャラクターを演じる。ミュージカル『刀剣乱舞』~三百年の子守唄~で2.5次元ミュージカルデビューを果たしたほか、舞台「青の祓魔師」にて好演。

(取材・文/さとう遊 撮影/廣瀬靖士 ヘアメイク/オニツカトヨコ)