舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」、通称“生イケ対談”連載。

 第23回は太田基裕さんが鳥越裕貴さんを指名! 『週刊女性』本誌(2017年12月12日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。

左から鳥越裕貴、太田基裕 撮影/森田晃博

――舞台『弱虫ペダル』の第1作から出演なさっているおふたりですが、独特の演出は、最初は大変でしたか?

鳥越 僕らも初演の幕を開けるまで、正解がわからんかったよね。これどう見えるんだろう? っていう。それに、僕は大きな舞台に立つのは『ペダステ』が初めてぐらいだったんで。

太田 プレッシャーもあったしね。一生懸命であったことは間違いない。

鳥越 うん。部活みたいだったよね。

太田 俺、学生時代に部活やらなかったんだよね。部活ってあんなにキツイんだ?(笑)。

鳥越 いやキツイよ!

――おふたりにとって、舞台『弱虫ペダル』とは?

鳥越 ほんとに部活だったのかな。

太田 よくその部活やめなかったなって思う(笑)。

鳥越 アハハハハ!

太田 途中で退部しなかったのは、トリがいたからっていうのもある。

鳥越 それはずっとお互いに思ってたね。

――やりきった感みたいなものはありますか?

太田 なんか満足とは違うんだけど、でも感謝の気持ちを持ってやってきたよね。

鳥越 うん。感謝だね。

太田 お客さんにもありがとうございましたって気持ちで。

――普段のおふたりはどんな感じなんですか?

鳥越 話すときは話すし、話さないときはもうスーンとしてますけど、もっくんは最近お気に入りのアップルウォッチ見て、急にヒューってし出したり。2人でお茶してるのに。

太田 いや、“深呼吸しましょう”って出てくるんですよ。呼吸の時間みたいなのが表示されて、それで1分間深呼吸しなきゃいけないから(笑)。

鳥越 もう、おじいちゃんとお茶してるような感覚ですよ。

太田 もしかしたら家族よりも楽かもしれないね(笑)。

鳥越 2人だと楽だね。そんなしょっちゅう会うわけでもないですけど。

太田 ノリの友達とかじゃないからね。だからいつ会ってもあんまり変わらない。

鳥越 そうだね。普通にまった~り焼き鳥屋で、普通においしい~って言って。

太田 近況聞いて終わるっていう。じゃあ、また! ってね。

一緒に江の島までペダルごっこ! トリがパンクして……(笑)

鳥越裕貴、太田基裕 撮影/森田晃博

――今までの長い付き合いの中で、プライベートの印象深い思い出は?

鳥越 旅行も行ったよね。

太田 忘れてた(笑)。

鳥越 小越(勇輝)と3人で銀座でお寿司を食べているときに、もっくんが明日オフだってことがわかって。「オフなら温泉行こう」って話をして。最初は乗り気やったんですけど、徐々に「ホンマにいくん?」ってテンション下がってきて。

太田 そうそう(笑)。面倒くさくなって気分的に。

鳥越 でも、熱海のほうに行って海見えてきたら、「ああ~海だ~!」みたいになって、「おい! ほんとにさっきのテンションだけ謝ってくれ」って思った。

太田 ハハハ。でも、まぼろし博覧会に行ったら、トリがめっちゃテンション下がってたのが超面白かった(笑)。

鳥越 どうしてもって言うから行ったら、怖い人形とかがあるところで。

太田 B級スポットみたいなところなんですけど、調べたら面白そうだったんですよ。あとは、一緒に江の島も行った。サイクリングしたんですよ。それでトリがパンクして(笑)……。

鳥越 もっくんが鎌倉とか好きなんで、海の見えるカフェでおしゃれなパンケーキを食べて。その近くにレンタサイクルがあったんで、そこから江の島までペダルごっこしながらサイクリングして、海鮮丼とか食べたり景色見たりして駐輪場に戻ったら、僕のチャリだけパンクしてて。レンタサイクル屋さんまで、自転車を押して行くしかない僕に、もっくんも最初は付き合ってくれたんですけど、徐々にふぁ~っと先に行き出すんですよ。だから、ちょっと待ってや~! って。

太田 アハハハハ! コイツは置いていくしかないなって。苦渋の決断ですよね(笑)。

鳥越 しかも、ちょっと夕暮れで暗くなりかけてたから、先に行くもっくんが見えんくなって。あんときは「この人嫌い。友達やめようかな」って思った(笑)。

弱ってるところとか、全部お互いに見せ合っちゃってるからね

――お互いのことで知らないことってありますか?

鳥越 たまに隠したりするんですよ。そういうときはもう、すごく怒ります。

太田 それ、あなたもあるでしょ!

鳥越 う……うん、お互いさまですね。でもそういうのすら、まあええわって。

太田 とにかく弱ってるところとか、全部お互いに見せ合っちゃってるからね。

――恋愛の話とかも普通にします?

太田 いや、そこはしないよね。

鳥越 大人になってくるとね、そこはもう、おのおのでって。

鳥越裕貴、太田基裕 撮影/森田晃博

――改めて、お互い俳優としてリスペクトしているところは?

鳥越 「ああ~きつい。もう嫌だ」とか、この人なんだかんだめっちゃ文句言うんですけど、ちゃんとやるんです。努力の塊なんです。

太田 フフフフフ。文句は言うけど、結果、頑張らざるをえないからね。

鳥越 『ジャージー・ボーイズ』を見たときは、太田基裕さんが素晴らしくてもう泣きそうになりました。
 
太田 ほんとに素直に感想を言ってくれるんで、うれしいですよね。面白くなかったら面白くなかったって言ってくれるし、そういうところは信頼してるから。

鳥越 いや、初めて先輩やって思いました。

太田 初めて言われた(笑)。トリのことはほんとにすごいと思ってるんですけど。こういう関係だから、なんか役者同士として見るっていう感覚がないっていうか。僕そんなに舞台観に行かないんですけど、鳥越の舞台だけはわりと行ってて。

鳥越 たま~に、観に来てくれるんですよ。

太田 この前は、舞台『何はともあれ、聴いてください!』を観て。僕は客として行くわけじゃないですか。だから、コイツ台詞こんなにしゃべっててすげぇって、思っちゃうんですよ。客席から見て、ちゃんと立ってる人だなって感動する。

鳥越 「あんたすごいね」って言うから、「あんたもすごいよ」って(笑)。

スペシャルQ&A【太田基裕編】

――鳥越さんには言ってないけど、感謝していることは?

太田 ただ、仲のいい役者同士という関係だけでもなくて。連絡もたま~にするくらいですけど、一緒にこの世界で悩みながら頑張ってる仲間っていうか。なんかあったときは相談したりもするし、弱音を吐いたりもするし、ちょっと今の現場キツイとかそういうことも話せるし、一番最初に電話したいなって思う仲間です。自分のこともよくわかってくれてると思ってるし、そういう意味じゃ、すごく感謝しているというか。これを親友っていうのかわからないですけど、会ってなくても芯の部分でお互い感じとれてるから、確認し合わなくてもわかり合ってる感じですね。

――鳥越さんに直してほしいところは?

太田 周りを楽しませようという思いが強すぎるところがあって、それはすごく素敵なところなんですけど、それが裏目に出る瞬間があったりするんです。だから、あんまり熱くなりすぎないほうがいいなって思ったりします。芝居のことでも理不尽だと思うことがあると、もう絶対受け入れないタイプなんで、熱すぎちゃうときは、まあ落ち着けって(笑)。でも、それが良さだったりするんですけどね。ほんとにまっすぐで、曲がったことが大嫌いなんですよ。

――お芝居をしていて不安になることはありますか?

太田 不安しかないけど(笑)。作品の世界観に馴染むのに時間がかかると、非常に不安になる。同時に、不安のままでいいのかなっていうのも多々あります。その役柄にもよると思うんですが、コメディーだときっぱりと不安なくやれたりもするんですけど、人間ドラマだったらまあ不安でいいかって。不安じゃないと、もう決め打ちになっちゃうところもあるし、ただ堂々とやっている人を見ても、なんか面白くないなって思うから。「見て! 僕の演技力」って、不安なしで堂々と全部やれたらとてもラクなんだけど(笑)。僕は、多少ゆらいだほうが人間らしくお芝居ができると思うし、見る側としても自信満々に演技されてる方より、不安がちょっとでもある人ほうが、一瞬の目の表情とかも変わるのが面白いなと感じるので。

太田基裕 撮影/森田晃博

――あなたにとって愛とは何ですか?

太田 この仕事をしてて、やっぱり孤独になることがあって。でもそういうときに日頃応援してくれるファンの人が身近でちゃんと自分を見てくれてるのは、すごく尊いことだなって思います。この人たちがいないと生きてる意味がないというか、この仕事をやっている意味がないなって。なければならないっていう意味ですごく愛をもらってるんだなって思います。

 同時にすごく怖いなとも思いますけどね、それが壊れたらどうしようとか。だから年々その責任感も強くなってるし、果たしてファンの方がいないで芝居を続けているかって言われると、正直わからないところもありますから。表現する者として、その輪が広がってることが幸せだし、やりがいだと思ってます。

――ご自分のトリセツ、鳥越さんのトリセツを教えてください!

太田 自分は相当複雑な気がするんですけど、気分屋だし(笑)、その日の気分によってもだいぶ違うから。面倒くさいことが嫌いなくせに、面倒くさいことに執着するみたいな。めっちゃ面倒くさいですよね(笑)。嫌だな~って言いながら、すごく一生懸命やってるみたいなところがあります。例えばダンスとかも“俺、絶対やりたくない。くっそ~”って思うけど、家に帰ってめっちゃ練習してるみたいな(笑)。たぶん相当面倒くさいと思われてるだろうし、自分でも面倒くさいと思う。そんな僕を取り扱える人が、仲いい人ですね(笑)。トリにはうまく扱われてます(笑)。

 トリのトリセツは、イジられたい人だから、ほどよくいい感じでイジってくれる人がけっこう好き。でも、ちょっといき過ぎるとたぶんキレるので、ほどよくイジるのが大事です(笑)。

――最近、胸がキュンとなったことは?

太田 犬が大好きで、実家でもトイプードルを飼ってるんですけど。街中とかでも、散歩してる犬を見るたびにキュンキュンする。最近は特にパグとかちょっと不細工な犬が好きで、見ると“うわぁ~♪”ってなる(笑)。ちょっと顔、触りた~い! みたいな。口調も優しくなって「かわいい~」ってテンションが上がるし、ちょっと変な方向のスイッチが入ります(笑)。

スペシャルQ&A【鳥越裕貴編】

――太田さんには言ってないけど、感謝していることは?

鳥越 お互い甘えさせてもらってるというか、気を使わないでいい関係性を築いてくれてるというか、許してくれてるというか。それはすごく助かってますね。一緒にいてすごい楽なんで。僕がふざけたりボケても、“うんうん”ってなんかおじいちゃんみたいに見守ってくれてる (笑)。すごく身を預けられる。一緒にいる期間が長かったですからね、役の関係性もあって、ほんとずっと一緒だったので、身内みたいになってるんですかね。あんまり人に相談とかしないんですけど、もっくんには唯一相談します。

――太田さんに直してほしいところは?

鳥越 ロケとか休みの日、どっかに行くってなるとだいたい雨降るんですよ。僕がけっこう晴れ男でだいたい行くと晴れるんですけど、雲行きが怪しいスタートになるんで(笑)。(取材当日の天気も雨で)今日はもっくんに負けましたね(笑)。ほんとに雨多いんで、その雨男ぶりはどうにかしてほしい。

 あとは僕への愛をもう少し表現していただきたいなと。ほんとにぜんぜん見返りがないんで、そこだけは良くないなと(笑)。なんか喜んでるのはにじみ出るんですけどね、それは年上やけど、かわいいな~と思います。自分と会うとペットみたいに“飼い主帰ってきた!”みたいな感じで喜ぶんで(笑)。

――お芝居をしていて不安になることはありますか?

鳥越 年上の役者さんがたくさん出ている作品に出演させていただいたときに、先輩方が稽古でも全部全力で、毎回芝居を変えてきたりするのを見て“ふぁ~面白いな~”って。その現場を経験して、自分も全力でやってきたつもりやけど足りんかったなと。その後に違う現場に行ったときに、自分の上がりきってる熱が周りと温度差があって、みんなほんとに芝居とか演劇が好きなのかなって不安になって、変に焦ってしまったんです。すぐ先輩に相談したら、「お前がやることだけちゃんとやればいいんだよ。全力でいろいろ経験して、ここに帰ってくるためにやればええねん」って言われて。“僕の好きな芝居の帰る場所があった”って思ってすごくうれしくなりました。でも、そのときの不安はけっこう怖かったですね。だからそれ以降は、単純に大きな声出してよく動いて、自分の全力で演劇を熱量込めてやっていこうと思ってます。

鳥越裕貴 撮影/森田晃博

――あなたにとって愛とは何ですか?

鳥越 僕は一期一会って大事だなと思っていて。人との出会いから、いろんな人とつながっていけば、いろんな愛を知れるじゃないですか。その人の仕事に対する愛だったり、人間の関係性の愛だったり。ほんとにその一期一会を逃すと、人生すごくもったいない。いろんな人と会える仕事でもありますし、スタッフさんにしても役者にしても、演劇の愛に通じてくるというか。 先輩俳優たちとの場でも、ずっと演劇の話ばっかりしますし、40超えた先輩達とばっかり飲んでます(笑)。話を聞いてるとめっちゃ面白いんで。演劇は観るのも大好きですね。“舞台って面白いな~、好きだな~”って観るたびに思う。

――ご自分のトリセツ、太田さんのトリセツを教えてください!

鳥越 (自分のトリセツは)鳥越に寄って行けば、なんか処理してくれると思います (笑)。僕、けっこう人見知りの子とか好きで、絶対面白い子やろって感じでガツガツ行く。次に共演したときに、あっちから近寄って来たりしてくれると、“ああ~、この子の中で何かが変わってくれてるんや”とうれしくて。あと、僕のテンションが下がってるときは、お酒をいただいたら復活しますね(笑)。飲むだけじゃなくて毎日いろんな人とご飯したいなって。寂しがりなところがあるかもしれません。だからほどんど家にいないし、だいたい誰かと会ってます。

 もっくんは人の弱さを見ると、なんかうれしがりますね。ほんとに人間が好きだから、愛嬌のあるドジが好きなんだと思います。そういうことをすると、たぶん自分から話しにきてくれると思います。

――最近、胸がキュンとなったことは?

鳥越 無印良品に身体にフィットする1人用ソファがあって、僕も持ってるんですけど、それが店頭に2つ並べてあったんですね。そこで3歳くらいのちっちゃい子がひとりでず~っとそのソファに飛び込んでは、めっちゃ喜んでたんですよ。何回も何回もピョンピョンやってて。1回通り過ぎたんですけど、もうめっちゃかわいくて戻って見ちゃいました。超癒やされて、ほんとにキュンとしました。ちっちゃい子好きなんですよね~。

 友達に6歳の娘がいるんですけど、泊まりに行くと朝7時くらいから、僕の耳元で「トリちゃんだ、トリちゃん遊べるかな、起こしていいかな」みたいにずっとささやいてて。だから眠くても自分の身体を叩き起こして(笑)、「トリちゃんはもちろん起きてるよ~。遊ぼ!」って一緒にプリキュア観てます。

当連載「生で会えるイケメンリレー対談」のバックナンバーをまとめた電子書籍『週女イケメン通信』が発売中! 現在、amazonと楽天ブックスでvol.1〜4が発売中です。※記事の中の写真をクリックするとamazonの紹介ページにジャンプします
おふたりが撮影したサイン入り写真を計4名様にプレゼント。週刊女性PRIMEのサイト内で画像をクリックすると応募方法のページにとびます(応募締め切りは2017年12月12日です)

<プロフィール>
おおた・もとひろ◎1987年1月19日、東京都出身。A型。’09年舞台デビュー。以降、舞台を中心に活動。今後は、ミュージカル『刀剣乱舞』~真剣乱舞祭2017~(12月8日~東京、大阪、埼玉、中国・広州)、ミュージカル『Romale~ロマを生き抜いた女 カルメン~』(東京公演:’18年3月23日~4月8日東京芸術劇場プレイハウス/大阪公演:4月11日~21日梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)出演。

とりごえ・ゆうき◎1991年3月31日、大阪府出身。B型。’10年舞台『イナズマイレブン』で初舞台。以降、幅広いジャンルの舞台で活躍。今後は、舞台『文豪ストレイドッグス』(横浜公演:12月22日~24日KAAT 神奈川芸術劇場(ホール)/大阪公演:2018年1月12日~13日森ノ宮ピロティホール/東京公演:2018年1月31日~2月4日AiiA 2.5 Theater Tokyo)主演。

(取材・文/井ノ口裕子 撮影/森田晃博 ヘアメイク/Emiy スタイリング/小島竜太[太田さん] 撮影協力/日本土地建物・京橋エドグラン)

<撮影場所>
京橋エドグラン http://www.edogrand.tokyo/
東京メトロ銀座線の京橋駅直結、東京駅からも徒歩5分の注目スポット。「トシ・ヨロイヅカ東京」など話題のレストランが充実! 開業1周年で来館者数のべ460万人を突破。2017年11月21日より、1周年記念イベントを開催し、銀座京橋エリア最大級の高さ12メートルのクリスマスツリーが登場。