教師も走るという12月がやってきた。
教師も走れば、もちろんジャニヲタも走る。
カウコン、紅白、年末の歌番組と、録画に使用するハードディスクの残量も気になるところだが、今回は年末の楽しみのひとつである『ジャニーズ楽曲大賞』について考察したい。
『ジャニーズ楽曲大賞』とは2006年から非公式で始まった、いわばその年一番良いジャニーズ楽曲は何かをランキングするサイトのことである。
投票数も年々伸びており2016年の参加者はなんと2万人を超えた。
偏りはあるものの、1位の楽曲は全ジャニヲタが頷く結果となっている。
楽曲だけでなく、MVや現場(舞台やコンサート)にベストバイ(ジャニーズ関連商品)などとさまざまな部門に分かれているのだが、ここでは楽曲について見てみたい。
『ジャニーズ楽曲大賞』の仕組み
「どうせ人気のある嵐とかの曲が一番なんでしょ?」と思われがちだが、そうではない。
まず、面白いのがひとり5曲までを選ぶというところだ。
集計は1位=5点、2位=4点、3位=3点、4位=2点、5位=1点となっている。
もちろん「たいしていい曲ではないな~」と思いつつ担当(*特に注目するジャニーズタレントのこと)グループ楽曲を1位にもってくるのはジャニヲタの親心だ。
ここで注目したいのが4位、5位に何の曲を入れるかである。
1位~3位までは担当グループの楽曲に投票するジャニヲタが多いが、4位5位ともなれば「そういえばJUMPのあの曲、良かったよな…」と思い出し、本当に良いと思っている曲を選ぶ傾向にあるのだ。
4位に3人投票すれば、1位以上の効力を持つ。ここが運命の別れどころだ。
2016年関ジャニ∞ 『NOROSHI』 13154ポイント
2015年嵐 愛を叫べ 『7790』ポイント
2014年Hey! Say! JUMP 『ウィークエンダー』 10996ポイント
ここ3年の楽曲大賞はこのようになっている。
ここで注目したいのが2014年Hey! Say! JUMP『ウィークエンダー』である。
2位はジャニーズWEST『ええじゃないか』の4303ポイントなので、倍以上のポイント数で圧倒的1位だ。
JUMPといえば、今では「売れている」というイメージがあるだろうが、2013年の東京ドームにて公演3週間前に「スーパージャンピングシート導入」という案内が来て、ジャニヲタに衝撃を与えた。
アリーナにできた謎の囲いに少数のジャニヲタが入れられ、それ以外はスタンドのみ。また、2階スタンドにも客席を潰して花道ができたりと、いろいろな理由がつけられていたが……、要は埋まらなかったのだ。
今年末にドームツアーを控えている今のJUMPでは考えられないことが起こっていたのだ。そんなJUMPが売れるきっかけにもなった楽曲が『ウィークエンダー』である。
センター山田涼介主演『金田一少年の事件簿N(neo)』(日テレ系)の主題歌であり、楽曲、歌詞共にジャニヲタの心をわしづかみにした。
ドラマの放送時間に合わせて土曜の夜について歌っている。
そして、ミステリーと恋愛をうまく絡めた歌詞がなんとも秀逸で、そこに日本人なら誰でも好きであろう、ちょっと懐かしいディスコ調で爽やかに「君が好きだ」と伝える曲だ。
これぞ、ジャニーズ。
「この曲嫌いな人なんていませんよね」という結果が『ジャニーズ楽曲大賞』でも反映されているし、JUMPを見るジャニヲタの目がちょっと変わった時期でもあった。そんな起爆剤が多々あって、JUMPは現在の地位を築いている。
良い楽曲に恵まれるというのは本当に大事なことなのだと思い知らされるジャニーズ楽曲大賞。
2017年はどの曲に投票しようか今から楽しみである。
<著者プロフィール>菱ユーキ(ひし・ゆうき)◎ライター。ヲタク経験値レベル100。ジャニヲタ歴30年。アラサーヲタクの代弁使。かつてはメルマガで約1万人以上もの購読者を誇る。
<イラスト>星野グミ子(ほしの・ぐみこ) ◎イラストレーター。バンドや俳優、アニメなど何かといろんなジャンルの沼にはまりがち。オフィシャルブログ『ハマったもん勝ち 沼ガール!』を運営中。