「ウエディングドレスを着られるのが本当にうれしくて。これまでお仕事で5回ほど着させていただいたんですが、毎回“今日は本気で結婚するぞ~!”って気持ちで挑んでいます(笑)」
“本番までに慣れすぎないようにしないと(笑)”と、お茶目に笑う土屋太鳳(22)。そんな彼女が映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』で、原因不明の病から驚異の回復を遂げた花嫁に! お相手は土屋が兄であり、父であり師匠であると慕う佐藤健。
「“健先輩”とは4年前に映画で共演して、師匠と弟子みたいな間柄の役だったので、当時は“膝カックン”とか背負い投げをよくされていたんです(笑)。ずっと背中を追ってきた方でこんなにも大先輩なのに、いつも同じ目線で向き合ってくださって。人としても役者としても尊敬しています」
劇中では300万人に1人とされる難病“抗NMDA受容体脳炎”を発症し、8年間昏睡状態に陥った女性を演じている。管や人工呼吸器につながれ身動きのとれない土屋を気遣い、恋人役の佐藤が脚のマッサージを施してくれたことも。
「“大丈夫?”とか“何かやってほしいことはある?”とか声をかけてくださって。あまり笑うと(4時間かけた)特殊メイクがとれてしまうんです。でも健先輩は私の緊張感をほぐすために笑わせようとしてきて(笑)。人の声や手から伝わってくる愛情というものをすごく感じました」
痙攣発作に意識障害……。想像をはるかに超える重い症状を、リアルに伝える体当たりの演技には思わず息をのむ。
「話したりすることはもちろん、意思疎通ができないんです。それでも不随意運動があるので、普段使わない神経を遣ったりと、とてもパワーがいりました。それに意識が戻ってからも記憶を失っている設定なので、思い出したいのに何も出てこないというのは孤独で、撮影中は精神的にもすごくつらかったです」
結婚式直前に意識不明となった花嫁を待ち続け、ついに叶った“8年越しの結婚式”。現在22歳。土屋自身にも結婚願望があるか聞いてみると、
「具体的に何歳までとかは考えていないのですが、前向きに結婚というものには挑戦していきたいなと思っています」
女優は、人の心とつながる仕事
ちなみに、理想のプロポーズは?
「う~ん……。難しいですね(笑)。内容よりも、何かしようと思ってくれたことがとても大事で。そういった気持ちに気づける人でありたいなって思います。私も相手のことを本当に愛していて、相手も私のことを愛してくれる。そんな関係が理想です」
ひとつひとつ慎重に言葉を選んで話す土屋。彼女のインスタやブログをのぞいてみても丁寧な言葉で思いが綴られ、文章を通してピュアな優しさが伝わってくる。
「言葉って心だと思うんです。女優さんっていろんな人の心とつながる仕事だと思っているので、そこに言葉がないとちゃんとつながれないなと。自分が話したいことだけではなく、相手が発した言葉にもちゃんと耳を傾けていきたいです」
そんな彼女が思わず敏感に反応してしまう言葉とは?
「男性からの“やせたね”って言葉に敏感になりました(笑)。男性にそう言われたら、きっとやせすぎなんだなって。『まれ』のときに“私たちが届けるのはエネルギー。映像を通すんだから、よりエネルギーを持ってなくてどうするの、もっと食べなさい”って草笛光子さんが教えてくださって。この言葉にもすごく影響を受けましたね」
今年1年を振り返って、
「忙しかったけど、とてもいい1年でした。今年は31日まで仕事。(マネージャーに確認して)あら、元旦から仕事ですか!?(笑)来年は初舞台(『「プルートゥ PLUTO』)に挑戦するので、ぜひ見にきてくださいね!」
<出演情報>
『8年越しの花嫁 奇跡の実話』 12月16日(土)全国ロードショー 恋人・麻衣(土屋太鳳)との結婚を間近に控えた尚志(佐藤健)。しかし、麻衣が突然原因不明の病に倒れ、昏睡状態に。尚志はいつ目を覚ますかわからないその“花嫁”を待ち続け──。“奇跡の実話”が待望の映画化!