舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」、通称“生イケ対談”連載。
第24回は鳥越裕貴さんが有澤樟太郎さんを指名! 『週刊女性』本誌(2017年12月26日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。
新撰組の刀みたいに個性がバラバラだけど、チーム力は高かったと思う
――ミュージカル『刀剣乱舞』~幕末天狼傳~のキャストはどんな雰囲気のチームだったんですか?
鳥越 ホントに新撰組の刀みたいに個性がバラバラで。もう、ようこれで公演できたなっていうぐらい(笑)。
有澤 そういうメンバーをトリさんとか(郷本)直也さんがまとめてくれて。バラバラだけど、それが固まるとうまくいく。
鳥越 なんかうまいことなってたね。おのおのの個性はバラバラやけど、単純に作品を面白くしたい、ちゃんと役を生きたいっていう思いが一緒やったから、うまくまとまったんかなって。熱い話やったしね。
有澤 チームになるとダンスも歌も芝居も殺陣も、みんな黙々とやってましたね。ホントにチーム力は高かったなって思います。助け合ったり。
鳥越 けなし合ったり(笑)。稽古中も地方でもご飯はよく行ってたね。
有澤 そうですね。僕、すごく印象に残ってるのが、厳島での公演。本公演中だったらかけっこう過酷でしたよね。
鳥越 あれはめっちゃ過酷やった。
有澤 初めての『刀ミュ』~阿津賀志山異聞~のメンバーとの共演だったから、僕が足を引っ張ってしまうんじゃないかっていう不安な気持ちもあって。僕と(高橋)健介くんはダンスで怒られたりしてたんで(苦笑)。でもトリさんが「樟太郎、そんな落ち込むことないからな」って励ましてくれて。阿津賀志の曲やダンスの振りを僕が覚えるまで、みんなで付き合ってくれて。
鳥越 阿津賀志には絶対負けへんぞ、笑いは絶対とるぞ! と思いながら(笑)。
有澤 アハハハハ!
鳥越 でも、厳島神社での公演はすごい経験やったね。
有澤 すごかったですね。
グルメなトリさんが選んだ店で、1回だけハズレがあって…
――地方公演では、みなさんでおいしいものを食べたんですか?
有澤 どこに行っても、トリさんがおいしいお店を手配してくれて。
鳥越 でも1回だけハズレあったな~(笑)。
有澤 ああ、大阪公演のときに行った…。
鳥越 お寿司屋さんな。
有澤 店に入ったら、見てた写真とぜんぜん違って、あやしい雰囲気が漂ってて。店主ひとりだけで、その人が絵に描いたように頑固そうな、すごい圧で(笑)。
鳥越 話せる雰囲気じゃなくて、6人(鳥越、有澤、佐藤流司、小越勇輝、高橋健介、伊万里有)で黙って食べて。店を出てから「すまん! すまん!」って謝って。
有澤 みんなトリさんに連れてってもらってる店だから、あんまり文句も言わず。う~ん、あれ~って(笑)。口には出さないけどその思いが……。
鳥越 みんな顔に出てたな(笑)。そういうときだけ、ホントに悪い顔するんですよ~(笑)。
有澤 アハハハハハ!
――キャスト同士が気を使わない関係になれた要因は?
鳥越 やっぱりあれだけの長い期間、一緒にいたしね。あと、いちばん年上の伊万里有が、年上感なくいてくれたのもあって。樟太郎と健介で、ずっと有くんからかってたもんな?
有澤 ですね(笑)。
――プライベートで集まると、ご飯を食べに行くかボウリング?
鳥越 そうですね。でもボウリングは(『刀ミュ』のイベントで)インドから帰国した日以来やってないんですけど(笑)。
有澤 僕はそのとき、別の舞台の稽古があって途中参加だったんで、ボウリングは行けなくてうらやましかったから、今日のボウリングが楽しみなんですけど(※)。
(※編集部注:このあとおふたりは小越勇輝さん、高木トモユキさんとボウリングへ行かれました)
――誰がうまいんですか?
鳥越 健介と有くんがうまかったんですよ。(スコアを)200後半とか出すんで、そこがまた腹たつんですよ(笑)。
有澤 健介くんは卓球もうまいです。ダーツとかビリヤードとかもうまいし。
鳥越 腹立つな~ホンマに(笑)。
有澤 アハハハハハ! トリさんと健介くんもめっちゃ面白いですから。大阪で夜、子どものように追いかけっこしてて(笑)。
鳥越 まあ、なんかいつも兄弟みたいなつっつき合いをしてる感じです(笑)。
樟太郎はサバサバした人に叱られるくらいのほうがよさそう
――ここのチームは恋バナをすることはあるんですか?
鳥越 「恋バナ? もうどうでもええわ」って感じやな。勝手にせえって感じ。
有澤 そうですね(笑)。
――じゃあお互いの好みのタイプも知らない?
鳥越 ぜんぜん知らないです。
有澤 確かにそういう話、しないですね。
――どういうタイプが好きなんですか?
有澤 僕は、年齢は下でも上でもどっちも大丈夫なんですけど、包容力ある人がいいですね。優しいオーラで包んでくれるような人がいい。
鳥越 樟太郎はいつもふわっふわっしてるから、サバサバした人に叱られるくらいのほうがよさそうやけどな。
有澤 ええ~(笑)。でもそういう人のほうが惹かれるかもしれないです。
鳥越 僕、スゴイ夢があって。屁こきたいんですよ、家で。それで彼女に「ほんま臭いから、アンタええかげんにして!」って言われたい(笑)。
有澤 アハハハハハ!
――彼女がオナラをしても平気ですか?
鳥越 大丈夫です! もうぜんぜん構いません(笑)。なんかお互いにさらけ出せる感じがいいですね。
――結婚願望はありますか?
鳥越 めっちゃありますよ。子ども欲しいから。一緒に『プリキュア』見たいです。でも娘やったら、心配すぎてストーカーになりますね(笑)。門限とかめっちゃ厳しく言うと思います。5時とか(笑)。
有澤 明るいうちに帰ってきなさいって(笑)。僕は、ほんまにまったくないですね。でも子どもは好きなんで、いつか子どもは欲しいなって思いますけど。
鳥越 かっこいいパパになりますよ、樟太郎は。
有澤 いやいや。でも娘にはどうせ大きくなったら嫌われちゃうから、息子がいい。
鳥越 ハハハハハ! 娘と買い物とか行きたい。
――最後に、改めてお互いはどんな存在ですか?
鳥越 ホントになんか、かわいい弟ちゃんみたいな感じですね。人懐っこいし呼んだら来てくれるし(笑)。
有澤 そう言ってもらってうれしいですね。トリさんは、お手本でもあり、現場でも頼れるし、確実に全員のエネルギーになってくれるんで。だからホントに必要不可欠な人です。ご飯もごちそうしてくれますし(笑)、ホント2日に1回会いたいぐらいです。
鳥越 会うか?
有澤 会いますか!
鳥越 飽きるで~(笑)。
有澤 アハハハハハ!
スペシャルQ&A【鳥越裕貴編】
――有澤さんには言ってないけど、感謝していることは?
鳥越 いつもなんだかんだ気を使ってくれてるところですかね。だからご飯とか行ってもちゃんと楽しんでるかなって心配にもなるんですけど。少年野球をやってたから、礼儀とかもちゃんとしてるんで。樟太郎のそういう周りを気遣える礼儀正しさは好きですね。自分のことを一応先輩として見てくれてることは、ありがたいなって思います。
――有澤さんに直してほしいところは?
鳥越 いつも、ホントにふわっふわっしてるんですよ。そこがかわいいんですけど。でも、“たまには俺を引っ張ってって”みたいなのはありますね。そういう樟太郎も見てみたいです。見せてください(笑)。
――有澤さんのトリセツを教えてください!
鳥越 褒めるとすぐニヤけます。甘い言葉とお菓子とかあげれば、仲良くなれる。甘い言葉とお菓子に弱い(笑)。差し入れとかされても、たぶんそれだけで「この人ええ人や!」ってすぐなるんで(笑)。ピュアなんで、人を信用しやすいんじゃないかな。あと、しゅんってなってるときはめっちゃわかりやすいです。そういうときは、だいたい「ご飯に行くか?」って誘って、「大丈夫だそんなもん、死にやしない」って励ましてます。
――何フェチですか?
鳥越 ピタッとしたニット系のワンピースがめっちゃ好きです。曲線が出てるのが女の子らしくてええな~と思いますね。女の子の髪形はショートヘアが好きなんですけど、ロングヘアの人がたまにお団子ヘアにしてたりするのもええですよね。ニットワンピにお団子ヘアの人とすれ違ったら、見ちゃうと思います(笑)。
――仕事や人間関係など、頑張ってもうまくいかない友人に言葉をかけるとしたら?
鳥越 「まあ、しゃあないやろう」って軽~く言います。一緒に重くなってほしい人とそうじゃない人といるじゃないですか、だから相手の状態に合わせますけど、基本は「しゃあない、しゃあない」って、軽く励ます。楽しい話で紛らわせてあげると思いますね。
――今まで観た舞台作品で、一番印象に残っているものは?
鳥越 劇団モダンスイマーズさんの舞台で初めて見た『悲しみよ、消えないでくれ』はすごく印象に残ってます。でんでんさんが出演されていたり、役者も素敵な方ばかりだし、脚本もセットも照明も音響も全部良くて。「これはヤバいな~」ってすごく興奮して、この劇団の舞台はずっと見に行こうって思いました。
あと、この間観て度肝を抜かれたのは、佐々木蔵之介さん主演の『リチャード三世』。すごかったです。こんな作品が日本で見られるんやって、ちょっとびっくりしました。佐々木さんの芝居が圧巻でしたし、周りの役者の方々も、すごい支え方してはるし。演出家が海外の方なんですけど、セットや演出の攻め方に引き込まれて、刺激的でした。観るポイントを変えたり、席も変えて、あと3回ぐらい観たいなと思いましたね。
――取材で聞いてほしいことは?
鳥越 服関係の質問。ファッションはすごい好きなんですけど、あんまり聞かれないんですよ。自分がええと思ったものを着てるだけなんですけど、こだわるのはバランス。それとあんまり人とかぶらないような組み合わせをするようにしてます。気に入ってるブランドは、代官山にある『シャリーフ』。3年前くらいに村田充さんに教えてもらって、そっからハマってちょいちょい行ってますね。最近、後輩の子に「実はトリさんのファッションめっちゃ好きなんですけど」って言われて、お芝居のことを言われるよりうれしかった(笑)。
スペシャルQ&A【有澤樟太郎編】
――鳥越さんには言ってないけど、感謝していることは?
有澤 食事会での先輩との接し方とか、スタッフさんとの関わり方とか、ホントにたくさんのことをトリさんから教えてもらってます。それも言葉で「こうしろ」って言うんじゃなく、「俺の背中を見ろ」って感じで身をもって示してくれるんです。『刀ミュ』で一緒にいるときも、いつもトリさんの背中を見てました。
僕は人見知りなところがあるんですけど、いろんな人と積極的に話すようにしたいと思っていて。それもトリさんのずば抜けたコミュニケーション能力を見習いたいと思ったからだし。一緒にいるといろんなことが学べますし、存在に感謝ですね。
――鳥越さんに直してほしいところは?
有澤 トリさんに直してほしいところ……お客さんにはわからないように、芝居中に笑かしてくるところかな。僕、笑いのツボに入っちゃうと、なかなか抜けないんで(笑)。『刀ミュ』の僕の役は、自分と全く違うタイプの男らしいキャラなので、そのキャラに入ってるときにトリさんの素の感じを出されると、笑いをこらえるのがけっこうしんどかった(笑)。
トリさんは人を笑かすことがホントに好きなんですよね。この前も『SHOW BY ROCK!!』で、高橋健介くんが女性役をやってたんですけど、舞台が終わったあとに、「俺、健介のこと好きっていう裏設定作ってんねんけど、わかった?」って言ってて(笑)。もう役作りからホント面白いんですよ。
――鳥越さんのトリセツを教えてください!
有澤 普段は芝居のことを褒められたりしても、「せやな」ってかわす感じで、照れるとかはないんですけど。お酒が入ってるときに改めてガチで褒めたりすると、ちょっとかわいく照れます。普段のトリさんじゃない、素直な感じがかわいいです(笑)。『刀ミュ』の打ち上げで、キャストみんなでそれぞれのいいところを言っていこうってなって。トリさんのことを言う番になったときに、もうわかりやすく照れてました。だから適度に褒めてあげましょう (笑)。
――何フェチですか?
有澤 匂いです。街とかでもふわっとその匂いがすると振り返っちゃうのは、シャボン系の香り。多和田秀弥くんがシャボン系のすごくいい匂いの香水を使ってて、男ばっかりの舞台って楽屋とかもけっこう男臭いんですけど、『幽劇』の楽屋は快適でした(笑)。僕は香水はつけないんですけど、シャンプーとか柔軟剤にはこだわってます。シャンプー、コンディショナー、ボディソープは「ボタニスト」を使ってます。香りは大事だなと思いますね。稽古場でも、稽古着が臭かったらモチベーションが上がらないから(笑)。
――仕事や人間関係など、頑張ってもうまくいかない友人に言葉をかけるとしたら?
有澤 嫌なことがあってもけっこう溜めちゃうタイプの人っているじゃないですか、そういう人には「吐き出したほうがいいよ」って言って、僕が聞いてあげます。僕もけっこう、人に話すことで楽になったりするんで。誰かに話すことで解消されるなら、全部聞いてあげますね。昔は自分も溜めちゃう人だったんですけど、言って楽になることに気づいて、言うようになりました。
――今まで観た舞台作品で、一番印象に残っているものは?
有澤 トリさんが珍しく「観に来てくれ」って言ってきた舞台があって。下北沢の駅前劇場でやった『豪雪』という作品なんですけど。トリさんも他の役者さんも限界まで振り切ってて、みんなが全力でやったらこんなに面白くなるし、胸にくるものがあるんだなって思って。とにかくトリさんが輝きまくってました。ストーリーを説明するのは難しいんですけど、コメディーです。役者さんみんながだいたい裸で(笑)、トリさんもほぼ裸で歯を黒く塗ったりしてて(笑)。客席はどっかんどっかん笑いっぱなしでしたね。こういう熱くて楽しくて観た人の満足度が高い舞台に、いつか出てみたいなと思いました。
――取材で聞いてほしいことは?
有澤 野球について話したい(笑)。野球はやるのも見るのも好きです。でもやるほうは途中でやめちゃったからこそ、見るのも思い入れがあるんですけど。プロ野球も高校野球も見ますね。この間のドラフトも生中継を見てました。清宮(幸太郎)選手をはじめスター選手が多くて、もう、まれにみる完璧なドラフトでしたよね。僕のイチオシは田嶋(大樹)選手。ピッチャーでJR東日本からオリックスに入ったんですけど、もし清宮選手がいなかったら、たぶんすごい数の1位指名がかかってたような選手で……。こんな感じで野球の話になると止まらなくなっちゃうんです(笑)。
<プロフィール>
とりごえ・ゆうき◎1991年3月31日、大阪府出身。’10年舞台『イナズマイレブン』で初舞台。以降、幅広いジャンルの舞台で活躍。今後は、舞台『文豪ストレイドッグス』(横浜公演:12月22日~24日KAAT 神奈川芸術劇場(ホール)/大阪公演:2018年1月12日~13日森ノ宮ピロティホール/東京公演:2018年1月31日~2月4日AiiA 2.5 Theater Tokyo)主演。
ありさわ・しょうたろう◎1995年9月28日、兵庫県出身。’15年ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』で本格デビュー。ミュージカル『刀剣乱舞~幕末天浪傳~』の和泉守兼定役で人気急上昇。今後は、舞台『クジラの子らは砂上に歌う』(東京公演:’18年1月25日~28日AiiA 2.5 Theater Tokyo/大阪公演:2月2日~4日サンケイホールブリーゼ)に出演。12月17日『別冊月刊 有澤樟太郎』発売。
(取材・文/井ノ口裕子 撮影/森田晃博 ヘアメイク/白石真弓)