昨年12月上旬、東京都内のレンタルスペースに上原多香子の姿があった。
「1月17日から始まる舞台『昏闇の色』の稽古が行われていたんです。脚本と演出を担当するのはコウカズヤさん。昨年4月に上原さんの“新恋人”として話題になった人ですね。彼女は自転車に乗って差し入れに行ったようです。栄養ドリンクなどを持ってきて、若いキャストは上原の突然の訪問に驚いて恐縮していたという話ですよ」(演劇ライター)
上原が稽古場を出てきたのは3時間後。終わるまでずっと見守っていたのだ。演出家として多忙な日々を送る彼を、献身的にサポートしているらしい。
「コウさんはお笑いユニット『超新塾』のメンバーとしてデビューしましたが、舞台の脚本家・演出家に転身。昨年、彼が所属する劇団の舞台に上原さんが出演したことをきっかけに意気投合し、交際がスタートしました。上原さんがコウさんに惚れ込み、自分から出演を持ちかけたようですね」(スポーツ紙記者)
上原の夫だったET-KINGのTENNさんは、'14年9月に自ら命を絶った。
それから2年以上がたち、新しい恋を求めるのは自然なこと。ただ、交際が始まった直後にTENNさんの自殺の原因が女性誌に報じられたことが、ふたりにとっては大きな試練となる。
「TENNさんの弟が発表した彼の遺書に、上原さんが舞台で共演していた俳優の阿部力さんと不倫関係にあったことが記されていました」(同・スポーツ紙記者)
当時は収入格差を気に病んでいたのではないかといわれていたが、事実はもっと残酷だった。阿部も妻帯者で、いわゆるW不倫である。
「記事には“ふたりの子どもが欲しい”といった生々しいLINEのやりとりやキス写真も掲載されていました。TENNさんはすべてを知り、精神的に追い詰められてしまったんでしょう」(同・スポーツ紙記者)
報道が出てまもなく、上原は芸能活動の無期限休止を発表する。コウ氏はもちろん、彼女の不倫については何も知らなかった。
「記事が出て初めてこのことを知り“どう受け止めていいか悩んだ……”と話していました。かなり衝撃的だったようで、“自分に彼女を支えられるか不安だ”とも周囲に漏らしていたそうです」(コウ氏の知人)
コウ氏は一部では人気の高い演出家だが、メジャーな存在とはいえない。
「コウさんの芝居が上演されるのは、多くても100席強程度の小劇場なんです。小劇場演劇というのは、自分が理想とする芝居を追求するもの。商業演劇とは違い、儲かるものではありません。劇団のレッスン料収入もあるみたいなのですが、あまり多くはないでしょう。コウさんも演劇をやめるつもりはないそうです」(前出・演劇ライター)
上原は芸能活動を休止したため、現在は収入ゼロだという。事務所は辞めていないものの彼女への出演オファーはなく、女優業への復帰は簡単ではない。生活の不安を抱えているはずだが、ふたりは同棲生活を始めている。
タワーマンションから2LDKの地味物件へ
「上原さんはこれまで高級タワーマンションに住んでいたんですが、昨年10月末に引き払いました。贅沢な生活を続けることは難しいと判断したのでしょう。
コウさんと一緒に2LDKのマンションに引っ越したんです。正直いって、芸能人が住んでいるとは思えないような地味な物件です。オートロックもないマンションですからね」(前出・コウ氏の知人)
同棲を始めたとはいっても、すぐに結婚できる状況ではないようだ。上原に向けられる視線は厳しく、再婚が祝福される空気にはなっていない。収入面でも不安が残る。
「コウさんは上原さんについて周囲に、“(自分のことも含めて)ダメな男が好きな女に愛されるってつらいよ”と。今後も劇団でやっていくつもりの彼は、生活が安定しないことは覚悟しています。“好きで付き合ってはいるけれども、こういう仕事なので正直結婚は難しい”と考えているみたいですね」(劇団関係者)
コウ氏を直撃すると
1度は華やかな世界にいた上原にとって、倹約を強いられる生活は初めてだろう。コウ氏は今後の展望を持っているのだろうか。12月下旬、稽古場に来た彼を直撃した。
ーー上原さんと同棲されていますよね?
「……僕はフリーなんで、向こうの事務所に問い合わせてもらっていいですかね?」
戸惑ったように詰まりながらも、言葉を絞り出すようにして話す。
ーー元旦那さんが自殺した原因が上原さんの不倫だと聞いて驚かれたそうですが……。
「いやぁ、もうけっこう前の話なんで……」
少し顔をゆがめながらも、受け答えはしてくれた。足早に稽古場への階段を上っていく。
ーー何もお答えいただけないということでしょうか?
と質問を投げかけると、ふと足を止めた。
「いや、だから、向こうの事務所を通してください。僕、全然、芸能界関わりないんで。フリーなんで」
何度もフリーであることを強調した。
ーーご結婚のことなどに関しては、プライベートなことだと思いますが。
「あのー、ちょっと困るんで……。すいません、寒い中ありがとうございます」
最後に少し頭を下げ、稽古場のある階へと消えていった。
翌日、ふたりが暮らすマンションを訪ねた。ベランダの洗濯物はすでに取り込まれているようだ。
自転車置き場には、ふたりが共用しているらしい電動自転車が置いてあった。クリスマスは終わったが、玄関ドアにはリースが飾られたまま。インターホンを鳴らすと、部屋の奥から犬の鳴き声が聞こえた。
「(驚いた様子で)はい?」
この日はコウ氏がすでに稽古に出かけていて、上原がひとりで部屋にいたようだ。
ーーコウさんとの同棲は順調ですか?
ストレートに質問すると、一瞬の間の後に小さな声が返ってきた。
「……すいません、あのー、私からお話しすることはできないので……」
おそるおそる言葉を探しているような口調だ。幸福な生活を送っていても、それをそのまま口にすることははばかられるのかもしれない。
─コウさんにもお話を伺ったのですが……。
「すいません。私、今もうお仕事をしていないので、そちらのほうは発言を控えさせていただきます。ごめんなさい、失礼します」
どちらからも、まっすぐにハッピーな心を伝える言葉は聞けなかった。
過去の“過ち”が、今もふたりの重い足かせとなっているのだろうか……。