1月の歌舞伎座公演『壽 初春大歌舞伎』で、八代目市川染五郎を襲名した四代目松本金太郎。祖父の二代目松本白鸚、父の十代目松本幸四郎とともに『高麗屋』親子三代の襲名披露となった。
1月7日にはそれに伴い、10年間にわたる密着番組も放送。叔母には松たか子を持つ、芸能一家の“プリンス”染五郎の素顔に、ますますファンが増えることだろう。
「『染五郎』は『松本幸四郎』という大名跡につながる名跡ですから、今回はとても大事な襲名です。幸いなことに、幸四郎さん、そして白鸚さんが元気でいらっしゃるので、勉強する環境に恵まれていて苦労しない。しっかり勉強して染五郎にふさわしい役者になってほしいと思います」
今後の高麗屋、そして歌舞伎界を背負っていくであろう染五郎に、歌舞伎研究家の喜熨斗勝氏も期待を寄せる。
「孫のほうが可愛いといいますからね(笑)。お父さん以上に、おじいさんの影響を受けているかもしれません。高麗屋の芸は歌舞伎だけでなく、(現代劇など)幅広い活躍が目立ちます。その気風は染五郎にも受け継がれるのではないでしょうか」
3月で13歳になる染五郎にとって、歌舞伎は生まれながらについて回った日常だ。多感な年ごろだけに多方面に目移りしそうだが、
「ひと言でいうと“歌舞伎オタク”。演目や役柄について歴史書を読み込み、自分の解釈も取り入れて勉強しています。絵を描くのも得意で、小学校では美術クラブ。そこでも描いていたのは歌舞伎の絵でした」(演劇雑誌編集者)
そして彼の代名詞として、たびたび形容されるのが“美少年”。母・藤間園子さんのインスタグラムに登場しては、その美しい姿にファンはため息を漏らしてきたそう。
「幼少期からお化粧の勉強をするために何回も剃りますので、その影響もあるのかもしれません。最近、“眉毛が(濃い)”なんて言われているみたいですが(笑)。
意志の強さを感じさせる立派な眉に瞳、とても優しくてきれいな目。それが今後、力強い芸の中に美しさというか色気を兼ね備えた、幅の広い役者になれるのではと思います」(喜熨斗氏)
歌舞伎だけでなく、ドラマや映画にも引っ張りだこになりそう。