安眠できる寝具のポイント
自分に合った寝具を選べていますか?
寝具は安眠をサポートしてくれるもの。疲れたから少し横になろうと思って床に寝て、気付いたら朝…なんてことはもってのほか。
ですが、いざ寝具を選ぼうとすると何を選べばいいのか迷ってしまいますよね。
今回は、寝具選びの基準をご紹介します。
着目すべきは「寝返り」と「温度・湿度」
寝具選びで重要なポイントは、
(1)スムーズな寝返りが打てる適度な支えがあるか
(2)掛け寝具を含めたいわゆる布団の中の温度・湿度の状態が適切か
という2点。これらが満たされていないと、睡眠の質を下げる要因になりかねません。(1)のポイントは、体の動きを制限しないこと。
私たちの体は就寝中に約20~30回の寝返りを打っています。その動きが妨げられ長時間同じ姿勢でいると、血流が滞る、体温調節がうまくいかなくなるなどの弊害が起きてしまいます。
(2)は睡眠中の「深部体温」(脳や内臓など体の中心部の温度)を適切に保つことを意味します。
私たちの体は、眠っている間、代謝を下げて脳や体を休めようと、身体の表面から放熱し、汗をかきます。放湿性の低い敷き寝具を使うと、汗が吸収されず、体温調節がうまくできなくなる可能性があります。
吸湿性が高く、肌触りのいいパジャマを着た上で、ちょうどいい温度と湿度を保てる寝具を選ぶことが大切です。
暑さ寒さに負けない安眠環境のつくり方
寒い季節になると、掛け寝具をたくさん使う方も多いと思います。でも、実は掛けているものだけで寒さに対処するのは難しいので、シーツの下に毛布を敷くことで保温するのがおすすめです。
熱は下に逃げていくので、上に掛けるよりも、下に毛布を敷いてその熱をつかまえたほうが効果的なんです。さらに、寒いからといって枚数を増やしすぎると、重みで寝返りが打ちにくくなるというデメリットも。
毛布はいっぱい掛けるよりも、敷いて使うほうがいいでしょう。あまり寒いようなら、エアコンで室温を上げて寝具の枚数を減らすのも手。
冬は室温約16~19℃が快眠に望ましいとされているので、それ以下にならないようにするのもいいと思います。ただし湿度は年間通じて50%前後がベスト。
冬は乾燥しやすいので、湿度の確保にも気をつけてください。夏はどうしても「ちょうどいい温度・湿度」で過ごすこと自体が難しいので、他の季節とは状況が変わってきます。
昔はエアコンを使わない、あるいは3時間くらいで切れるタイマーを入れて使うのがよいと言われていたようですが、近年の気候を考えると、無理は禁物です。
熱帯夜で寝不足になってしまうくらいなら、夏は高めの設定温度でつけっぱなしにしたほうがいいケースも多いようです。
「つけっぱなしでは体が冷えてしまう」という人は、夏用の長袖パジャマを用意するのがおすすめです。
寝具選びに最適解はない
いかがでしたか? 寝具選びの際はぜひ上記の基準を意識してみてください。
ただ、季節や環境によって温度や湿度が大きく変わることや、個々人の合う・合わないという個人差もあるので、基本的には寝具の固さや素材に「これ」という最適解はない――というのが正直なところです。
自分の寝方や温度変化に合わせて、自分に合った寝具を選びましょう。