欅坂46のメンバー・平手友梨奈が右腕の上腕三頭筋損傷で全治1か月という診断を受け、同グループの運営側は、「万全のパフォーマンスが困難」と判断。1月31日〜2月1日に予定されていたグループ初の日本武道館公演を、姉妹グループ的存在の「けやき坂46(ひらがなけやき)」の公演に振り替えることを発表した。
「平手はデビュー以来5作すべてのシングルでセンターをつとめる欅坂46の絶対的エース。彼女の、時に鬼気迫る“本気の”パフォーマンスが大きな魅力でもありますが、別公演への振り替えは、グループアイドルのコンサートではまず考えられないことです」
と、あるアイドル系ライターは言う。
通常、病気やけがなどの理由でメンバーが欠席する事態になったとしても、複数のメンバーでなければ、歌割りを変更したりアンダーメンバーなどを投入して公演は通常通り行ったり、中止にして別日に振り替え公演とすることが多い。そのため、まるごと別のグループに振り替えることはとても珍しいケースといえる。
「他のメンバーによるユニット曲などもあるのですが、特にシングルの表題曲は平手のパフォーマンスで見せることに一極集中している部分はあります。
平手に続く人気メンバー、今泉佑唯が昨年、体調不良で2度活動休止していたり、ひらがなけやきとの兼任の過去があり、現在、写真集がベストセラーになっている長濱ねるも、楽曲などのパフォーマンスでは主力と言える存在感は発揮できていない。
平手は夏のコンサートツアーでも何度か体調不良で途中退場をしており、“平手抜き”でのパフォーマンスへの心配が、現実になったような形です」(前出・ライター)
今回の中止は、運営側とメンバーが話し合った結果によるものだというが、グループでキャプテンをつとめる菅井友香は、
《このままではいつまでも平手ちゃんにばかり負担がかかってしまうし、グループとしても前に進めないのではないか。》
と、苦渋の選択・決断であったことを自身のブログに綴った。
「もちろんけがは心配ですが、公演中止も、それを逆手にとった演出の一つだったりしないだろうかと、うがった見方さえできそうです」
と、ある芸能記者は言う。
「欅坂は、平手のカリスマ性を大きな武器に、ロック雑誌やフェスでの活動など、サブカル層にも人気を拡大していきました。AKB48などの48グループや、同じ“坂道シリーズ”の乃木坂46とも全く異なる存在になっています。
今回の公演中止騒動も、ある意味“伝説”となることは間違いなく、中途半端に行うのであれば、という判断も働いた可能性はあります」(同・芸能記者)
平手は現在、右腕を吊った状態でラジオ収録を行い、本格的な復帰を目指している。
武道館中止から、念願の開催へ。この一件が、欅坂伝説の1ページを刻むことは間違いない。
<取材・文/渋谷恭太郎>