舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」、通称“生イケ対談”連載。

 第26回は多和田秀弥さんが矢田悠祐さんを指名! 『週刊女性』本誌(2018年2月6日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。

左から矢田悠祐、多和田秀弥 撮影/廣瀬靖士

『テニミュ』は2年間もう1回学校に通っているみたいな感じだった

──ミュージカル『テニスの王子様』といえば、稽古前の合宿が有名ですが当時のことで思い出すのは?

矢田 コーチが日本代表を教えているような人で、その練習メニューをプロ選手じゃない僕らがやるんでホントにキツイんですよ。

多和田 コンビニまで30分くらいかかるような山奥に2泊3日して。縄跳びとかもやったよね。後ろ二重跳び50回を失敗したら最初からとか。

矢田 あったな~。前跳びは1000回で後ろ跳び500回。

多和田 前二重跳びは100回。

矢田 そうそう。

多和田 縄跳び普通にしんどかったもん。

矢田 スポーツ用品店で売ってるアシックスのやつみたいな、本格的な縄跳び買って持ってって。

多和田 縄跳びが最初やったから、みんながこの先思いやられるって(笑)。どれも大変なメニューでしたけど。そこで完全にチームの距離は縮まりましたけどね。

矢田 うん、懐かしいな。だたもうやりたくはないな(笑)。

多和田 みんな行きたくないって言うと思う(笑)。

──2人にとってミュージカル『テニスの王子様』はどういうものでした?

矢田 2年間もう1回学校に通ってるみたいな感じ。男子校みたいな。

多和田 そうやね。いつもワイワイしてて。

矢田 青学(せいがく)も12人いたんで誰かしらうるさかったし。

多和田 でも切り替えはちゃんとできてたよね。公演が始まる前に絶対、歌のハモリの確認をみんなでしたり。その5分前までウエ~イとかやってても、ちゃんとそこではみんな集まって。

笑いのツボとノリは一緒だけど、それ以外は似てないところが多い

──2人の共通点は? どういうところがいちばん気が合ってるんですか?

多和田 僕は最初会ったときに、この人ぜんぜん僕と違う色持ってるなってまず思って。その色がすごく面白くも感じたし、この人と一緒にいたら絶対刺激になるなと思ったんですよ。自分にないもの持ってるからいろいろ盗めるしとか。でもすぐそういうのは 超えたというか。一緒にいてめちゃ楽で、疲れたときとか、もうどす~んってなって笑いたいな思ったときに会いたくなるんですよ。矢田ちゃんに会ったら絶対おもろいし、くだらないことで笑えるから。くだらない動画みたりして(笑)。

矢田 ハハハ! 似てるなって思うところは、ふざけてるときのテンション具合とかそういうところですかね。

──笑いのツボが一緒?

矢田 笑いのツボとかノリとかは一緒なんですけど、それ以外はけっこう似てないところ多いやん。ぜんぜん性格違うし。

多和田 こんなに正反対なのに、よう仲よくなれるもんやなと思いますもん。

矢田 それこそ買い物に行ったりすると俺はすぐ飽きるけど、秀弥はわりと一か所に留まりたがるし。

多和田 そうそう。ちょっと待ってて~って。

矢田 でもまったく気ぃ使わないもんな。

多和田 うんゼロ(笑)。

矢田悠祐(左)、多和田秀弥 撮影/廣瀬靖士

──『テニミュ』が終わってからはどんなときに連絡をとりあってるんですか?

多和田 どっちかっていうと僕のほうがLINEを送ることが多いですね。

矢田 せやな。

多和田 だいたい僕主導で「ご飯行こう」とか送ったりして。返事こなかったら「無視したってツイッターに書くぞ!」とか送ったり(笑)。

矢田 アハハハハハ! 意外と俺、出不精なんですよ。だからけっこうグイグイやってもらわないと……。

多和田 ひつこく言わないと来てくれないから。

矢田ちゃんが先に結婚したら、けっこうショックかもしれない

──恋愛観についても聞きたいのですが、お互いの好きな女性のタイプとか知ってますか?

矢田 ぜんぜん知らんな。秀弥のタイプはマジでわからんわ。

多和田 精神年齢が上の人がいいかな。前は違ったけど自分も大人になってきて、自分よりも大人な人と一緒にいたいって思えるようになったというか。そっちのほうが安心もするし、経験も豊富な人のほうが甘えられるのかなって思うんで。

──矢田さんの好きなタイプは?

矢田 でもやっぱり世話焼きな人のほうがいいですね。

多和田 矢田ちゃんとおつき合いする女性は、引くぐらいお世話が好きな人じゃないと無理な気がする(笑)。

矢田 そんなことない。俺がやるよ洗濯とか。

多和田 意外と(笑)。

矢田 片づけるのと、料理は苦手なんで、洗濯以外の家事が得意な人がいいですね。脱いだ服バーンってやっちゃうんで俺。なんで、「ダメだよ」ってちゃんと怒ってくれる人。

矢田悠祐(左)、多和田秀弥 撮影/廣瀬靖士

──結婚願望はありますか?

矢田 もう27なんで、最近仲いい地元の友達とかが結婚しだしたりとかして、ちょっと引きましたもんね。「わ~結婚すんの?」みたいな。

多和田 引くんや(笑)。

矢田 社会的には27で結婚するって普通ですけど、自分に置き換えてみるとぜんぜんまだ考えられない。自分のことでいっぱいいっぱいやん?

多和田 うん、まだやりたいこともたくさんあるしね。でも矢田ちゃんがもし結婚したら、俺けっこうショックかもしれません。だから結婚するなら先に結婚したい(笑)。

矢田 俺のほうが3つ上やで。でも秀弥は普通に結婚して子どもがいる姿に違和感はないですね。いいお父さんになりそうやなってイメージできる。

──最後に、あらためてお互いはどんな存在ですか?

矢田 兄弟みたいな感じですかね。ほんとに身内ですね。

多和田 うん。たしかにそんな感じ。

矢田 今回も事前に何も連絡せえへんかったもんな、ええわと思って。

多和田 うん、お互いにLINEせえへんかった(笑)。なんか血のつながってない家族ぐらいな勢いですね。いつ会っても飽きない。家族っていつ会っても落ち着くし、兄弟でふざけたり笑いあえたりするじゃないですか。そういう感覚にすごく近い。いつでも変わらないでいられるし、いつでも戻れる感じ。僕のなかでミュージカル『テニスの王子様』は原点で、そのなかでも矢田ちゃんは特別な存在の一人です。だから1年とか会ってなくてもこのテンションでしゃべれますし。なんかどうしようって思ったときには矢田ちゃんが頭に浮かんできます。

スペシャルQ&A【多和田秀弥編】

──矢田さんには言ってないけど、感謝していることは?

多和田 僕は矢田ちゃんと出会っていなかったら、歌うことに対して苦手意識がぬぐえなかったのかなって思うんです。歌うことの面白さとか素晴らしさを、いちばん最初に彼から学んだので、すごく感謝してますね。矢田ちゃんはホント歌うのが好きやから『テニミュ』の頃によくカラオケに一緒に行ってて。だいたい遊んだら「カラオケ行こう!」って言ってくるから、最初は「歌ヘタやし嫌や」って言ってたら、「べつに楽しんで歌えばええねん」みたいなことを言ってくれて。それがけっこう大きかった。

 たしかに、ヘタくそでも楽しそうに歌ってたら、見てるほうもなんかグッときたり笑顔になったりするよなって思って。矢田ちゃんを見ててもっと歌がうまくなりたいなと思いますし。今ミュージカルに出させてもらっていることにもつながってるのかなって思いますね。

多和田秀弥 撮影/廣瀬靖士

──矢田さんに直してほしいところは?

多和田 最近ちょっと行けてないんですけど、矢田ちゃんちに前はよく遊びに行かしてもらってたんですね。そのときに思ったんですけど、なんかすごい自由というか……。矢田ちゃんは、けっこうきれい好きではあるんですけど、食べたお菓子の空き袋とかをそのまま床の上にポンって置きっぱなしで、「遊びに行こう」とか言うんですよ(笑)。ちゃんと捨てそうなのに、それが意外やなって。部屋を散らかしてるとかそういうことじゃないから面白いんですけど。

 最近、家に行ってないからわかんないですけど、直ってないんだったら、“直したほうがええで”って思います(笑)。あとはLINEに気ぃ向いたときだけ返事返してくるのはやめて欲しい(笑)。普通に話してるときに返事をくれへんかったりするのに、めっちゃふざけたやりとりのときに、ポポポポポって返事くれたりするから、その差がわからんから統一して~って思う(笑)。でも僕は無視されたら返事くるまでスタンプ押したりするんで、「うるさい!」みたいな感じで送られてきたりとかしますけど(笑)。

──矢田さんのトリセツを教えて?

多和田 とりあえずコーラあげといたらいいんちゃうって思います。ほんとに矢田ちゃんコーラ好きやから喜びますよ。普通の赤いラベルのベーシックなコーラで大丈夫です。500mlのペットボトルか350mlの缶の飲み切りサイズ。大きいのだと途中で炭酸が抜けて「飲まれへんもう」とかたぶん言うと思うんで(笑)。好きなものならではのこだわりがあるんで、新幹線の中で売ってる小さいサイズの缶がちょうどいいみたいです。新幹線に乗るとすぐ買いますから(笑)。

 あと飽きるの早い。例えば一緒に買い物に行って、その店に“欲しいものないな”って思ったら急に飽きた顔するというか。僕はまだ見たいねんけど「ポテト食いに行こうや!」とかそういう感じになるんで注意してください(笑)。

──仕事や人間関係など頑張ってもうまくいかない友人にかける言葉は?

多和田 今がうまくいってないってことは、行きたいところまで到達してなくて、まだ上があるということだと僕は思うんで、今があるから先があるんだよみたいな言葉をかけるかな。今は苦しいかもしれないけど、目標としてることに行くためにはそう簡単にはいかないし、もちろん運とかタイミングとかもあると思うので、すぐ行ける人もいれば何年もかかる人もいるじゃないですか。どんな仕事でもどんなちっちゃな夢でも。だから、今この経験してるから上に行ったとき、より喜べるんじゃないかなって。今の苦しい部分はしっかり受け止めて頑張ってほしいってことを言うと思います。

 僕もオーディションとかで、1回で受かったらもちろん嬉しいけど、2回目で受かったほうがより深いところからガッツポーズ出るみたいな感じはあるんで。

──今まで見た舞台作品で一番印象に残っているものは?

多和田 福田雄一さん演出の舞台『フルモンティ』はすごく衝撃を受けました。映画やテレビで見ていて福田さんの作品はずっと好きだったんですけど、舞台作品を見たのはそれが初めてだったんですよ。この世界観を舞台でやってもありなんだって。素直にめっちゃおもろくて。こんなに客席からぼっこぼこ、ぼっこぼこ笑いが起こるのってなかなかないと思って。僕もお腹痛くなるぐらい笑ったんですけど、ほんとに自由に、お客さんが笑いたいときに笑ってて客席の笑いも込みという感じがエンタメ作品として素晴らしいなと。

 ムロツヨシさんがアドリブをきかせまくってて共演者がめっちゃ笑いをこらえてて、そういうのも“すごいやりたい!”って思ったし、でもそれだけじゃなくてミュージカルとして歌もすごいし。見終わってすぐ、“明日もう一回見たい”って思ったぐらいすべてが印象に残ってます。いつか一瞬でもいいから福田さんが作る世界観の中に入り込みたいっていう思いはありますね。

──(あんまり聞かれないけど)取材でホントは聞いてほしいことは?

多和田 高校とか学生のときの話って、深く聞いてくださることが少ないんで、それ聞いてもらえたら面白いのになって(笑)。モテエピソード話せるのになって(笑)。一番のモテ期は高校時代だったんですよ(笑)。まあ、ひとクラス30人なら男子10人くらいの、男子が少ない学校だったし、友達といるほうが楽しかったんで、恋愛自体はそんなにうまくいかなかったんですけどね(苦笑)。

 ダンス部でヒップホップをやってて、3年のとき部長だったんですけど、その年の新入生がドバ~っと入部してきて部員が50人超えたりもして。もう部員が多すぎて誰が今日来てないかとか誰に振付したかとか、わからなくなってきて困ったりしました。でもほんとに充実した高校生活で、いろいろ話したいことがあるんです(笑)。

スペシャルQ&A【矢田悠祐編】

──多和田さんには言ってないけど、感謝していることは?

矢田 感謝してることはダンスのことですね。僕はダンスをぜんぜんやったことない状態でミュージカル『テニスの王子様』に入ったんで、最初ほんとクソヘタだったんです。ほんとに“嫌い”なくらいで。やったことない人間にしたらものすごく難しい振りだったんで、それを秀弥に教えてもらったし、一緒にレッスンに行ってくれたので。

 人にはっぱかけるのがうまいんですよね。「ちゃんとやろうや」みたいな。すごい無理やり半ば強制的にダンスレッスンに連れて行ってくれたのが、今となっては基礎になってるんで感謝してますね。踊る舞台とかは山ほどあるので。今もぜんぜんうまいわけではないんですけど。

矢田悠祐 撮影/廣瀬靖士

──多和田さんに直してほしいところは?

矢田 地方公演でホテルに泊まるとき、部屋にあんまり人を入れないんですけど、グイグイ入ってくる。知らない間に部屋におったりっていうのもあったんですよ。部屋に入られるだけでも嫌やのに、クローゼットの中に入って待ってて脅かしたりとかするんで。最近は少し大人になってやってないみたいですけど、でもたぶん俺と共演したら絶対ガンガン来ると思うんで、部屋に来てもいいけど、動かんといてほしい(笑)。

──多和田さんのトリセツを教えて?

矢田 秀弥は準備が遅いです。みんなが“じゃあ出かける”ってなってるぐらいに風呂出てくるみたいな感じですね。“もう集まってるよ”ぐらいで髪ビショビショみたいな。人より1テンポ遅めだから、集合時間より30分早めの時間を言っとくとちょうどいいかもしれないです(笑)。あとはふざけるのが大好きです。しょうもないことが大好きなんで、そういうこと言ったりやったりしてあげると喜びます。

──仕事や人間関係など頑張ってもうまくいかない友人にかける言葉は?

矢田 難しいですけど……。一言で言うならば「寝ろ!」って言います。なんか寝たら忘れてくし、翌朝起きたら気分変わってることあるじゃないですか。人って夜だとそのことで頭がいっぱいになったりするので。自分でも切り替えるように努力はしてますね。仕事のこととかはあんまり家に持ち込まない。ひとりでずっと考えてると行き詰まるし、オンオフの切り替えは大事ですよね。

──今まで見た舞台作品で一番印象に残っているものは?

矢田 去年初めて、ミュージカル『王家の紋章』で帝国劇場に出たんですけど。それまで帝劇で作品を見たことがなくて。稽古中に『エリザベート』がちょうどやってたので、初めて客席から見たときがめっちゃ印象に残ってますね。「俺、あと1か月たったらここに立つんや」ってすごいワクワクしたというか。生のオーケストラが音楽を出してっていうのも初めてだったので、舞台に立つのがすごく楽しみになりました。実際に舞台に立ってみて劇場の歴史を感じました。楽屋に入るときに木の札に筆で名前が書かれた名札をひっくり返すんですけど、何回も出演してる方の名札は木の色が変わってきてて。僕の名札は新品だったので、そういうふうになれるように頑張ろうって思いました。

──(あんまり聞かれないけど)取材でホントは聞いてほしいことは?

矢田 音楽のことは、あんまり聞かれないですね。「最近どういうのが好きですか?」みたいなこととか。ずっとK-POPが好きだったんですけど、最近よく聴いてるのは、ヒップホップです。洋楽のヒップホップのアーティストを友達に教えてもらってよかったので。前から好きなサム・スミスとかもチェックしますし、いろいろなジャンルを聴いてます。

当連載「生で会えるイケメンリレー対談」のバックナンバーをまとめた電子書籍『週女イケメン通信』が発売中! 現在、amazonと楽天ブックスでvol.1〜5が発売中です。※記事の中の写真をクリックするとamazonの紹介ページにジャンプします
ふたりが撮影したサイン入り写真を計4名様にプレゼント。この記事の中で画像をクリックすると募集告知のページにとびます(応募締め切りは2018年2月6日消印有効です)

<プロフィール>

たわだ・ひでや◎1993年11月5日、大阪府出身。A型。’11年俳優デビュー。’12年~’14年ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン青学(せいがく)7代目の手塚国光役で注目を集める。’15年スーパー戦隊シリーズ『手裏剣戦隊ニンニンジャー』に出演。今後は、舞台『文豪ストレイドッグス』(1月31日~2月4日@AiiA 2.5 Theater Tokyo)に太宰治役で出演する。

やた・ゆうすけ◎1990年11月16日、大阪府出身。B型。’12年俳優デビュー。’12年~’14年ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン青学(せいがく)7代目の不二周助役で人気に。’17年はミュージカル『アルジャーノンに花束を』で主演。今後はミュージカル『陰陽師』~平安絵巻~(プレビュー公演:3月9日~3月18日@日本青年館ホールほか)に大天狗役で出演する。

(取材・文/井ノ口裕子 撮影/廣瀬靖士 ヘアメイク/白石真弓)