「ゲスの極み乙女」、「SEKAI NO OWARI」、「凛として時雨」など……。最近、変わった語感や表記のバンド名を耳にすることありませんか? 名前もサウンドも超個性的なロックバンドを、本誌独断でセレクトしてみました!!
ヤバイTシャツ屋さん
1月10日に2枚目のフル・アルバム『Galaxy of the Tank-top』をリリースしたばかりの“ヤバT”は、’13年に大阪芸術大学で結成。
「大学の先輩から“これからヤバイTシャツ屋さんに行こうぜ”と誘われたときに、そのフレーズがすごい耳に残ったので」(こやま)
と語感とノリでバンド名を決めたそう。
関西弁、ダジャレや英語をちりばめた“ヤバイ”歌詞をときに激しくときに切なく奏でる自称メロコアバンド3人組だ。
「Tシャツ自体に、特別な思い入れがあるというわけではないんですよ」(もりもと)
ドラマーらしくどっしりとそう話しつつもライブ用だという、ある“ヤバT”の存在を明かすと「あれイヤや~。気持ち悪い」と突っ込んだのは、しばた。
楽曲に入り込む彼女のハイトーンなボーカルは、絶妙なアクセントをつけている。
「バンド結成当初から、いつかは紅白に出たい! それを目標にしていました」
と、あのNHKの歌番組での演奏を目標としている。
新譜の売り上げも発売1日で前作の1週間分を記録して、オリコン週間アルバムチャートで初登場4位とイケイケの3人。
「CDが売れなくなっている時代と言われているからこそ、CDの売り上げ枚数にはこだわっていきたい」(こやま)
そんな熱弁と、冗談半分の宣伝文句「50代女性がターゲット」は決して“ヤバイ”ものではない!
まだまだあります
気になるバンド名
君がそうなら僕はこう
「ベースのぱぱが考えてきた30個ほどの候補から決めました。ほかには『土曜の次は日曜』などもあったが何となく」
と話すのはボーカルとギター担当のサイツアキノリ。そんな“君僕”は’12年から関西を拠点に活動を始め、「大阪発4人組エンタメバンド」を掲げ、ライブ中にはコントやフリップネタなどお笑いネタも取り入れている。
’17年2月、初めてのミュージックビデオ『解散までにしたい10のこと』のYouTube再生回数10000回を記念してのライブが、バンド初となるソールドアウト!
アップル斎藤と愉快なヘラクレスたち
’09年、栃木県宇都宮で結成されたバンドはザ・ビートルズの愛好家。
「ビートルズのドラマー、リンゴ・スターや彼らが設立したアップル・レコードにちなんでアップルに」
とコメントしてくれたボーカルの星野渉。脱退したドラマーが斎藤だったので融合させて「アップル斎藤」となったそう。
「ヘラクレス」は、ビートル→カブトムシ→ヘラクレスオオカブトと連想してネーミング。ビートルズのメンバーたちもその発想にビックリするかも!?
壊れかけのテープレコーダーズ
「神の啓示的な、インスピレーションですかね。物事の過程的なさまというか、繊細な印象が、気に入っています」。
バンド名が決まったきっかけをそう語る小森清貴(ボーカル、ギター)。’07年から活動を開始し、男女ツインボーカルと、歪んだギターサウンドとビンテージオルガンの旋律はしびれます!
神様、僕は気づいてしまった
ネガティブな精神状態を「メンヘラ」「中二病」などと押しこめてしまう安易な社会を「神様」と表現。そんな状況を自分たちは認識している、前向きなエネルギーに変換したいというコンセプトで’16年に始動した“神僕”。
正体不明のビジュアルだが、すでにTBS系ドラマ『あなたのことはそれほど』の主題歌にも抜擢されている。
本格的な活動が始まって間もないが、「僕らの予想以上に話題になってたりもするので、そこはおごらずに着実にやっていきたい」と地に足のついた活動を目指す。
Halo at 四畳半
ファンから“ハロ”の愛称で親しまれる彼らは、BUMP OF CHICKENと同じ千葉県佐倉市で’12年に結成。
銀河の外側に球状に広がる壮大な空間「Halo」と、「四畳半」という身近で生々しい空間が共存していることを意味しているとか。寂しげな心象風景を切々と語り続ける渡井翔汰のボーカルは、多くの人の心に響きそうだ。
打首獄門同好会
“ヤバT”も仲よくしているというスリーピースバンドは’04年に結成。生活感あふれる歌詞をゴリゴリのへビーサウンドで表現している。
バンド名の由来は、ドラムの河本が「和風な名前がいい……」と言いだし、ギターとボーカルの大澤が「打首獄門同好会と、切腹愛護団体と、終生遠島協同組合、どれがいい」と詰め寄った末に決まったそう。3月には武道館でのワンマンライブを敢行!
Official髭男dism
バンド名と違いヒゲヅラのメンバーがいないことをよく指摘される“ヒゲダン”は、’12年に島根で結成。
「ベースの楢崎が突然ひらめいたフレーズで、ヒゲが似合う年齢になっても活動が続けられるように」(藤原聡/ボーカル)という思いから採用された。
彼らのピアノポップのライブには、制服姿の高校生や子ども連れのお母さんまで幅広い層が集まるそう。