死体遺棄容疑で先月24日、群馬県警に逮捕された落合和子容疑者(42)の周囲では、同時期に2人の知人が亡くなっていた。
2015年4月、群馬県館林市の多々良川で見つかった化粧品販売員の萩原孝さん(当時84)と、同年6月に千葉県我孫子市の利根川で溺死体で発見された40代の女性。同じ日に姿を消した2人は、ともに落合容疑者の知人だった。
喜怒哀楽がなく不気味
落合容疑者は兄、姉がいる3人きょうだいの末っ子で、姉との仲のよさは周囲に知られていた。
群馬県警は、落合容疑者の関係者などに捜査の手を広げ、殺人も視野に入れ事件の解明に向け捜査を続けている。捜査関係者は、
「特にお姉さんは、和子はそんなことをするような子じゃないとか、かばっていました」
と明かす。地元の友人からは、和子容疑者の不気味な様子が捜査本部に伝えられている。
捜査関係者が続ける。
「高校2~3年のとき、人体切断ものの地下ビデオを借りてきて、男女何人かで見たらしいんですよ。普通みんな、“キャー”とか言うじゃないですか。なのに落合容疑者だけ、じーっと見つめていた。ノーリアクションだったらしいです」
高校時代の同級生は、当時の和子容疑者の人とは違った様子を、次のように裏づける。
「本当に反応がない。喜怒哀楽がないんです。不気味ですよね。笑うときも下を向いて、引きつるように笑うんです。顔を人に見せないでいつも下向いている感じ」
落合容疑者が通っていた県立高校の農業科は男子生徒は30人以上いたが、女子生徒は5人だけだったという。
「同じ中学出身の女の子が3人いて、そのうち1人が落合和子でした。ほかの2人から“和子は手癖が悪いし、嘘ばかり言うから気をつけたほうがいいよ”って聞いていましたが、そのとおりでした」(同級生、以下同)
入学当初は、黒髪でショートカットのまじめな印象。
「少しずつ髪の毛もブラウンに染めて、紫の口紅を塗りたくり、レディース暴走族のようなマスクをしているときもありました」
と記憶を呼び覚ます。今もはっきりと覚えている口癖があったという。
“う~ん、いつだろう~覚えてな~い”だった。
「借りたお金は返さない、お財布の中にお金があるのに、貸してなんてことも。本でもなんでも、借りたら返さないという印象です」と証言する。
もっともらしい作り話で人間関係を惑わすのも、高校時代の落合容疑者の手口だという。同級生が続ける。
「人を陥れることや、怖がらせるような嘘を言いますね。実際には言ってないことをでっち上げて伝えるんです。その悪口をうのみにして落ち込んでいる姿を見て、自分が楽しんでいる感じでした。
具体的には、自分の知らないところで仲よくなる人がいると、そこに行って“こんなこと言ってたから、仲よくしないほうがいいよ”とわざわざ告げ口していました」
そのせいで、生徒同士が仲たがいすることも多かったという。
「退学に追い込まれたクラスメートもいました。嘘をつくのがうまいので、本当かなと信じてしまうんです。
時折、優しさを出すところもうまいんです。今みたくSNSがある時代じゃないので女の子同士は手紙のやりとりなんかをする。それがマメでした。ちょっと孤立している人には“大丈夫、私がついているから”って甘く優しい言葉をかける。彼女の真意は本当に謎でした」
知人の死後、引きこもりに
卒業後は、栃木県足利市近辺の工場に就職したが、数年で退職してしまう。
「辞めてからは派遣の仕事や日雇いの仕事を転々としていました。なので、仕事をしているときとしていないときがあります」
と前出の捜査関係者。「ギャンブルが好きなようで、パチンコによく足を運んでいたようです」とも付け加える。
同時期に2人の知人が亡くなって以来、落合容疑者は家に引きこもるようになった。
容疑者の自宅付近の古参住民が話す。
「20年前からここに住んでいますね。新築で建ててね。ご近所ですけど、付き合いは挨拶程度。夫婦と20歳くらいの娘さんの3人暮らし。ご主人はどこかにお勤めだとは思うけど、いつも夕方の5時くらいに家に帰ってくる。
奥さんは、最近はほとんど外出する姿は見たことないですよ。見た感じはおとなしそうで、旦那さんも静かな感じ。ご近所迷惑とかトラブルとかもなかったです」
現段階で、亡くなった萩原さんならびに遺体で発見された40代女性と落合容疑者の間にトラブルがあったかどうかは確認されていないが、古参住民は、次のように言う。
「亡くなった高齢の人(萩原さん)を、私は見たことがないんだけど、同級生くらいの年齢の女性は、よくこの家に来ていた。(溺死体で見つかった栃木県の)板倉町の人だと思うんだけどね」
初対面の人に、自分から声をかける社交性がある一方、嘘を駆使して人を疑心暗鬼にさせる習性が昔からあったという落合容疑者。死体遺棄事件の供述を突破口に事件の全容解明が待たれる。