「なんて言ってるのか、全然聞き取れない!」
という声が殺到したのは、1月7日からスタートした大河ドラマ『西郷どん』(NHK)。主演を務める鈴木亮平をはじめ、多くのキャストが苦労しているのは“さつま言葉”だ。標準語にはないイントネーションが難しいようで、鹿児島ロケに出た際は、方言を学ぶために鈴木はある勉強法を行っているとか。
「それは、なるべく地元の人と会話をすること。薩摩弁のニュアンスや文末の処理を、ネイティブの会話から盗んでいるそう。瑛太さんも一緒に勉強しているそうですよ。鈴木さんは英語もペラペラで耳がいい。自分の発音がちゃんとしていないのが許せないのかもしれませんね」(NHK関係者)
座長としての責任に燃える鈴木だが、とある人の前では萎縮してしまうのだとか。
「和やかな現場なのですが“世界のワタナベ”こと渡辺謙さんが入ってくると一瞬、緊張が走りますね。北川景子さんなどの女性陣は、1日中打ち掛けの着物を着っぱなし。彼女たちを気遣って“重いでしょう”と声をかけています」(同・NHK関係者)
しかし、大先輩がその場にいれば、どうしたって緊張してしまうもの。
「萎縮してしまって休憩にならないので、若い人たちは楽屋に引きこもっているみたい(笑)。謙さんは“緊張感が漂うと、ほかの若い役者が本来の芝居ができないのでは”と、気にかけているようですが……。なかでも、いちばん固まってしまうのが鈴木さん。謙さんは、“そんなに固まるなよ”と笑い飛ばして、緊張をほぐしてあげていました」(同・NHK関係者)
女装メイクに1時間
ベテランに萎縮してしまう座長もいれば、座長に奮闘中の若手女優もいる。月9『海月姫』(フジテレビ系)に出演中の芳根京子。クラゲオタクのヒロインが、ほかのジャンルのオタク友達と住んでいる家を守るために、奮闘する。
「朝ドラ『べっぴんさん』で主演を務めただけあって、やはり“芝居がうまい!”との声。現場のスタッフうけはとてもいいです」(ヘアメイク)
このドラマで注目したいのが、女装を披露する瀬戸康史。その変貌ぶりに“かわいい”と声を上げるのは、視聴者だけではない。
「女性キャストやスタッフから“ウソでしょ!?”と羨ましがられる声が飛び交っています。最近では、芳根さんが尊敬の意味も込めて“気持ち悪〜〜〜い!”とイジっていますよ(笑)。実の妹でタレントの瀬戸さおりさんからも“私よりかわいいじゃん!”と言われたとか」(同・ヘアメイク)
女装には1時間程度、メイク時間を要するという。
「時間があれば女性陣に声をかけ、女性の仕草や恋をしたときの女性の心理、行動を取材して“女”の研究を毎日のようにしています。ムダ毛を剃るなど、“女子力”を日々磨いているそうです」(同・ヘアメイク)
'16年4月に放送され、好評を博したドラマの続編『99・9-刑事専門弁護士-SEASON II』(TBS系)は、今期も大人気。風変わりな弁護士が刑事事件の真実を暴いていくという内容だが、主演の嵐・松本潤をはじめ、香川照之や岸部一徳といったおなじみのキャラクターに、木村文乃、笑福亭鶴瓶といった新メンバーが加わっている。
「前シーズンから引き続いて出演中の松本さんと香川さんは相性がいい。オヤジギャグの応酬のシーンで起こるアドリブ合戦にはほかのキャストも巻き込まれ、笑ってしまってNGが出ることもあるそう。2人はよく食事に出かけているそうですが、その最中に“こうしゃべれば面白くなりそうじゃない?”“そうしたら、こう返そうか”とアドリブの打ち合わせをしているとか」(芸能プロ関係者)
ドラマでイジられ役でもあるラーメンズの片桐仁。昨年8月の撮影スタート時には、『ピタゴラスイッチ』(NHKEテレ)の収録とダブルブッキングをしてしまい、お面をかぶった代役を立てたとか。松潤はそんな片桐を私生活でもイジるのが好きなようで、
「お笑いコンビ・エレキコミックとラーメンズからなるユニット『エレ片』のコントライブの際に松本さんが、タイトルにちなんだ『温泉水99』というミネラルウォーターを差し入れしてくれたそうです。でも“俺たちのライブのときにはなんにもくれないけど……”とツッコんだとか(笑)」(同・芸能プロ関係者)
キムタク自身が運転
『99・9』と視聴率争いを繰り広げているのは、木村拓哉主演の『BG〜身辺警護人〜』(テレビ朝日系)。武器を持たない民間のボディガードを木村ほか、斎藤工、菜々緒らが演じている。
「『ドクターX』で高視聴率を獲得した枠ですから、現場でのプレッシャーは大きい。木村さんも毎回、全力投球していますよ。テレ朝はかつてドラマ撮影中に自動車事故があり、これまで主演クラスには車の運転はさせなかったんです。しかし、リアリティーを重視する木村さんは自分で運転。危険な場所でのアクションもスタントマンなしでやるなど、自らアイデアを出しています」(ドラマ制作スタッフ)
初回こそ『99・9』を上回ったが、その後は2位に落ち着いている。下がった士気を上げるのは、やはり木村だった。
「実は、木村さんの差し入れを楽しみにしている人がとっても多いんです。先日は、ここ最近の気候を考えてか、暖かいジャンパーをプレゼントしてくれました。別の日には、とんこつラーメンのケータリング。スタミナがつきました」(同・制作スタッフ)
木村が現場の心をしっかりつかんでいるようで、団結は固い。
「和気あいあいとしています。台本をその日に撮影するぶんだけ刷った『割本』と呼ばれるものの表紙に、毎回心理テストが入っているんです。4択なのですが、意外と盛り上がっていて。毎日“当たってる!”とか“マジか〜”など、笑い声が響いています」(同・制作スタッフ)
石原さとみが法医解剖医を演じる『アンナチュラル』(TBS系)も視聴率2ケタをキープしている。
「『不自然死究明研究所(UDIラボ)』を舞台に、遺体を解剖し、死因を探るという重たい内容。カットがかかると緊張から解き放たれ、石原さんや井浦新さん、窪田正孝さん、市川実日子さんらが仲よく笑いあってまるで学校のようです」(TBS関係者)
女子からの人気も高い石原だが、意外にも現場では色気より食い気に走っているとか。
「食べ物の話が多いですね(笑)。“今日はどういうお弁当なの〜?”とか。第1話で放送された石原さんが天丼を食べるシーンでは当初、納豆巻きを食べる予定だったんですが、石原さんが“大口を開けてかきこむほうがよくないですか?”と提案。それによって、天丼になったんですよ」(同・TBS関係者)
そんな石原も31歳。現場には後輩が続々と増え“姉心”が芽生えたようで……。
「石原さんの弟役を演じるのは、アイドルユニット超特急の小笠原海くん。連ドラ初主演とあって緊張している彼を見つけた石原さんは、ケータリングの差し入れがあると“カイくん、ほら、食べな!”と気さくに声をかけています。小笠原さんも石原さんを“姉さん!”と呼んで慕っていますね」(同・TBS関係者)
門脇麦演じる謎の女のキスによって、山崎賢人演じるホストが過去にタイムスリップしてしまうという内容の『トドメの接吻』(日本テレビ系)。作中では、私生活でも仲がよく、お互いの家を行き来する菅田将暉と共演している。
「作中で菅田さんはストリートミュージシャンを演じ、実際に弾き語りをしています。撮影の合間には、山崎さんが菅田さんにコードを教えてもらいながら、菅田さんが歌う主題歌の『さよならエレジー』を練習していました。山崎さんの演奏に合わせて菅田さんがハモるなど、息ピッタリでした」(日本テレビ関係者)
“共演猫”を引き取った広瀬すず
向井理のドSっぷりが話題をさらう『きみが心に棲みついた』(TBS系)。吉岡里帆が桐谷健太と向井の間で揺れる主人公を演じているが、これが極度のキョドりキャラ。
「昨年の12月にオフィス街で行われた撮影では、持っていた荷物を転んで路上にばらまいてしまうシーンを演じていました。通行人の人たちも撮影だとわかっていながらも、吉岡さんの演技っぷりに“どんくさ……”とつぶやいていましたね」(目撃した人)
ドラマ初主演の吉岡のことを、向井と桐谷が盛り立てているようで、
「桐谷さんにおんぶされるシーンで“王子さまみたい!”と言ってはしゃぐ吉岡さんを背に乗せたまま走っていました。1月15日の吉岡さんの誕生日には“みんなでお祝いしましょう!”と向井さんが率先して声をかけていましたね」(テレビ誌ライター)
広瀬すずがショートカットにして臨んだ『anone』(日本テレビ系)。社会や家族から切り離された少女が、同じく心に傷を抱えた田中裕子演じる女性と出会うことで、心を通わせ合うというもの。広瀬がベテラン役者たちに囲まれているようなキャスティングのため、緊張しないかと周りのスタッフは気がかりだったというが、そんな広瀬の緊張をほぐしたのは、とある“共演者”だった。
「それは、一緒のシーンを演じた猫のこと。家に帰って夢にまで出てきたみたいで、“どうしたら飼えますか?”と直談判したとか。広瀬さんのお家で引き取りドラマにちなんで“あのちゃん”と名前をつけて可愛がっているそう」(同・テレビ誌ライター)
『FINAL CUT』(フジテレビ系)では、亀梨和也が自分の母親を死に追い込んだ人々へ、復讐を遂げる。一緒に事務所の後輩でHey!Say!JUMPの高木雄也も出演しているが、
「当初、高木さんはドラマとはいえ先輩の亀梨さんに“タメ口で話すのはいかがなものか”と本気で悩んでいたそう。それを察して亀梨さんが食事に誘って、緊張をほぐしてあげたそうです。高木さんは緊張がほぐれたのか、最近ではメイクさんとお菓子を食べながら“女子会”さながら会話を楽しむ余裕もあるようです(笑)」(フジテレビ関係者)
高木と同じグループの山田涼介は『もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜』(日本テレビ系)で主演を務めている。家族に降りかかる不祥事を、ときには法を犯してもみ消していくというコメディーだが、山田が演じる役は、ふだんの王子さまキャラの彼とは異なるようで……。
「個性豊かな家族に挟まれて笑ったり、驚いたり、焦ったりとさまざまな表情をしているため筋肉痛になったとか。“顔芸”の最中は山田さんの顔のアップを数秒撮り続けてあとからコメントをかぶせているため、カットまで笑わないようにとみんな必死なんです」(スポーツ紙記者)
舞台裏の“事件”は、もみ消せないほど面白いっ!