「小さいころは『オズの魔法使い』が大好きでした。しかも、私が興味を持っていたのは(主人公の女の子)ドロシーではなく魔女のほう(笑)。みんなが“お姫様”に憧れる中、私は(漫画の)『ワンピース』の影響で海賊を夢見たり、『ときめきトゥナイト』を読んで“絶対に魔界はある!”って言ってみたり。そういった世界観をずっと夢見ていました」
綾瀬はるか(32)が、とびきりロマンチックなラブストーリーに挑戦。『今夜、ロマンス劇場で』(2月10日[土]全国ロードショー)では、スクリーンから現実世界へと飛び出した、誰もが憧れたくなるキュートな“お姫様”に!
作品では古きよき映画の素晴らしさも描かれている。今や日本映画に欠かせない女優となった綾瀬に、あらためて映画の魅力について聞いてみると、
「映画ってたったの2時間だったりするんですけど、その時間だけは別の世界に連れてってくれたりもするんです。その作品を見たことで憧れの存在を見つけたり、何かになりたいとか何かしてみようっていうきっかけになることもある。映画はそういう気持ちを動かす、大きな力も持っていると思います」
可愛らしさも美しさも力強さも持ち合わせる彼女。“憧れられる存在”として日ごろから気をつけていることは?
「CMをやらせていただいていることもあって、見られる立場として常に肌はキレイでいるよう意識しています」
とニッコリ♪ そんなホンワカとした空気から一転、彼女が演じるお姫様は、高飛車で気が強い!
あの名女優をイメージした役作り
「最近は(ドラマ『精霊の守り人』など)強い役が続いていたので、強くなりすぎないように気をつけました(笑)。オードリー・ヘップバーンさんの作品をいっぱい見て立ち方、歩き方、所作をイメージして。そのうえでなるべく王女っぽく見えるように凛(りん)としたたたずまいでいるようにしました」
監督も“綾瀬はるか史上、最高に美しく撮りたい”というのを目標にしていたんだとか。そんな彼女が身に纏(まと)う衣装は、モノクロ映画の白黒世界のドレスから始まり、なんと25種類。
「メイクもヘアスタイルも衣装も、スタッフのみなさんが王女に見えるように作ってくださって。どのお洋服もカラフルで美しくて、好きです」
劇中では映画監督を夢見る青年・健司(坂口健太郎)と恋に落ちる。だが、2人はワケあってお互いにふれたいのに、ふれることができない。
「もし自分だったら……? うっかりさわっちゃいそうです(笑)。さわらないでずっと一緒にいるっていうのは、考えるとすごく大変なこと。わざわざ大変なほうに行かなくてもいいのになって。でも、それが恋ってことなのかな(笑)。お互いのため、別の幸せを見つけるというのも、ひとつの美しい決断なのかなとも思います」
相手のためなら、たとえ恋のライバルでも、その人に好きな人を譲れる?
「それは考えたことなかった(笑)。う~ん……。好きな人とその相手の人の思いが自分よりも強かったら譲ると思います。あと、自分よりもその人といるほうが幸せなのかもって思ったら譲ります!」
オトコマエで、カッコいい(笑)。
「結局はお互いの“この人だけだ”っていう気持ちが大切なのかと。その思いがひとつに重なったら、それは本当にいい選択なんだなって。映画の2人も途中で迷ったり心が折れそうになるけど、“この人だ”と決めて進む覚悟の美しさは、何か心を動かされるものがありましたね」
理想のデートプランは?
「デートの計画は男性に立ててほしいです。具体的に行きたいところがないので、“あそこ行こう~!”って気軽にどこかに連れてってもらえたらうれしいな。海外とか遠くももちろんいいけど、近くの公園をのんびり散歩、なんていうのも素敵です」
スクリーンの中の会いたい人は?
「若いころの『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のマット・デイモンと『ボーン・アイデンティティー』のムキムキになったマット・デイモンと、トトロとスパイダーマンに会いたい(笑)。
あとオードリー・ヘップバーンさん。あんな美しい方を、ぜひ生で見てみたいものです」