小室哲哉の“電撃引退”には驚かされた。
一口に引退といっても、その理由は様々だ。不祥事を起こしたから、仕事が来なくなったり、できなくなったから、あるいは学業に専念したいからなどいろいろ。
結婚を機に引退する“寿引退”もそのひとつだが、実はこれまで芸能界で“寿引退”をした人は数少ない。その中には昨年、引退した堀北真希さんがいる。
「女優ということになると、'80年に引退した山口百恵さんが印象的ですね。彼女はアイドル歌手のイメージの方が強いですが、女優デビューと歌手デビューが同時でした」(スポーツ紙記者)
堀北さんが引退を発表したとき、百恵さんを思い浮かべた人は多かった。二人が似ているというところからであるが、
「芸能界デビューは両者ともに十代半ばでした。みんな知っているように、百恵さんは『スター誕生!』出身。堀北さんは下校途中にスカウトされました。
芸能界入りのきっかけは異なりますが、自分のことを見つめる時間がないまま仕事に忙殺されてしまいました」(芸能レポーター)
百恵さんは、『スター誕生!』に出場したとき、同番組に応募したきっかけを、
「自分も森昌子さんのようになりたい」
と思ったからと語っていたが、
「何が何でも芸能界でスターになりたいとは思ってはいなかったようです。母子家庭で育ちましたので、芸能人になってお金を稼ぎ、お母さんを楽にしてあげたいというような気持ちがあったのだと思います」(前出・芸能レポーター)
だから、あっさり身を引いたのだろうと思われるが、周囲は納得できなかった。
「もっと見たいという気持ちが強かったので、ファンもマスコミも諦めきれないんですよ。だから、復帰はないのか、今どうしているんだ、と気になってしょうがない。それがずっと引きずられて、百恵さんはもう40年になろうとしています」(前出・スポーツ紙記者)
堀北さんも引退時に“女優業に未練はない”と言っていたそうだが、諦めきれないファンは多い。最近、たびたび堀北さんの記事が飛び出すのは、そんな背景があるからだという。だが、
「堀北も、芸能界に戻るつもりはさらさらないようですね。夫の山本耕史さんも復帰は望んでいないようですし」(芸能プロ関係者)
それでも、マスコミは彼女を追い続ける。本人は、
「もう芸能人じゃないんだから、そっとしておいて!」
という気持ちでいっぱいだろう。気の毒だとは思うが、諦めきれないファンへのサービスだと思って、許してもらいたい。ダメ⁉
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。