あのシーンの裏側や、登場人物の意外な関係など、知っていれば大河ドラマ『西郷どん』がもっとおもしろくなる7つのエピソードを大放出!
(1)座長の心得
薩摩の民のために走る、走る! 走る!! 今まで見たことのない西郷隆盛を演じている、大河ドラマ初出演にして初主演の鈴木亮平。そのアツさは座長としても発揮されているのかと思いきや、本人は――。
「現場では本当に“子ども”です。食べ物をこぼしたり、トイレにすぐ行きたくなってしまうし。撮影中も“ちょっと行かせてください”って。どんなに格好つけても1年以上あれば本性がバレるので、自分のダメな部分を正直にみなさんに見せています(笑)」
こんな“座長の心得”を語る鈴木だが、近くで見ている櫻井賢チーフプロデューサーは、
「亮平さんはクランクインしたときから“西郷どん”になっていました。現場でいちばん元気なのが亮平さんで、常に俳優やスタッフの中心にいて、みんなを巻き込んでくれています」
(2)“殿”から送られた言葉
島津藩主・斉彬を演じている渡辺謙。撮影現場以外でも彼の“殿”っぷりに鈴木は惹かれたという。
「顔合わせのとき“鈴木はとにかく前だけを見て突き進め。前のめりに転んでも、俺らが全力でサポートするから”と言ってくださって。そのあと、僕の隣に座ってこそっと“おまえとはしばらくしゃべらないからな”と(笑)」(鈴木)
ドラマの中も撮影現場でも、殿としての存在感を発していて、近くにいるだけで緊張感が漂っていたという。
「御前相撲のシーン(2月4日放送)で謙さんと相撲をとったのですが、本番一発の撮影になりました。台本には僕が勝つことが書いてあるのですが、緊張感がハンパなかったです。あんなお芝居ができるなんて、自分は幸せな役者だな、と感じることができました」(鈴木)
(3)禁断の恋が実る!?
薩摩の姫として、徳川家に嫁入りする篤姫(北川景子)。今回は吉之助との関係に、ロマンスらしきものが……。
「篤姫さまとの関係が、のちの江戸城無血開城のときにも関わってくるのですが、微妙な、恋と言えるような言えないような感じなんです。これまでいろいろな女優さんが魅力的な篤姫を演じてこられていますが、北川さんはすごくチャーミングで、おてんばな感じで演じられています」(鈴木)
この身分の違う“ロマンス”について櫻井CPは、
「篤姫はまさに政略結婚で、必ずしも幸せな生活が待っているわけではないという中、覚悟を決めた自立した魅力的な女性を北川さんに演じていただければと。そんな篤姫と吉之助の恋愛模様を楽しみにしていただきたいです」
(4)“モテ男”の真相
生涯で3度、結婚をした西郷。“男にも女にもめっぽうモテた”という彼らしい逸話だが――。
「当時、家を存続させるため、長男は結婚しなくてはならない状況でした。1回目の結婚相手・須賀さん(橋本愛)からは、ほとんど夫婦らしい交流のないまま縁を切られ、2回目は島で出会った愛加那さん(二階堂ふみ)。でも当時、島から戻ってくるときには奥さんを連れて帰ることができなかったんです」(鈴木)
結婚しているときはその人だけ。決してダブっていないので、誠実といえば誠実。
「3番目の奥さんになる糸さん(黒木華)が、実は最初から吉之助に惚れていた、という設定は天才的だと思いませんか? そういうひたむきな女性を演じたら、天下一品の華ちゃんに注目していてください」(鈴木)
(5)足元でも戦いが!
セットや小物にも細かくこだわる大河ドラマ。今回のドラマで、時代劇の大変さを実感している、と鈴木は話す。
「撮影で使っている草履(ぞうり)やわらじは、本物のわらでできているんです。最初はそれが足の指に食い込んで皮がめくれてしまって。そうやって足を強くすることから始まりました。今回、僕がはいている草履は“足半”といって、足の指とかかとが全部露出しているもの。走ったりするのは楽なんですけど、これが痛いんです(笑)。最初は、突き指との戦いでした。
クランクイン前に草履を編む練習もしたんですけど、1足作るのに結構な時間がかかるのに、意外とすぐに擦り切れてしまったり。当時の生活を経験できているのも面白いですね」
(6)こだわりのオープニング
オープニングでは薩摩の子どもたちと吉之助が奄美の海岸で相撲をとったり、じゃれあっているが、なぜかそこには子ども時代を演じた渡邊蒼の姿が……。
「このタイトルバックがずっと使われるということは、見てくださる視聴者の方々が毎回、子ども時代の吉之助さんを思い出してストーリーに入っていけるんです。積み重ねていく時間をそこで感じていただければすごくうれしいですね」(鈴木)
「薩摩の子どもたちが、どうして奄美の海岸にいるのか。不思議なことがいっぱいありますがそこはあまり突き詰めないでいただければ(笑)」(櫻井CP)
(7)超難解!? 薩摩ことば
「いまだに薩摩ことばには苦労しています。セリフはすぐに覚えられるのですが、アクセントの位置などを覚えるのに、普段の何倍も時間がかかります」(鈴木)
“あまりに難解すぎる”と視聴者から声が上がった薩摩ことば。しかし、言葉の雰囲気でドラマがリアルに感じられる、とも。亮平流の覚え方とは?
「まずは言葉指導をされている、俳優の迫田(孝也)さんに吹き込んでいただいたテープを聴いて、台本にアクセントが高くなる位置に丸を打ちます。そのセリフを自分なりに言葉にして録音。それを何度も聴いて覚えています。覚えるためには自分の声で聴くことが重要だと、今回わかりました」(鈴木)
毎週ドラマで聴いていれば、自然にわかるようになる!?
薩摩ことば指導として参加している迫田孝也は、大河ドラマ『真田丸』では終生、真田家に仕える矢沢三十郎頼幸を熱演した。「僕は『西郷どん』にも出たい! きたるべきときを待ちます!」(迫田)