広瀬アリス 撮影/伊藤和幸

台本もあとちょっとで終わり、と思うとすごく寂しいです。平日は大阪へ撮影に行く、というのが最近は当たり前の生活になっていて。昨年の5月にインしたころは“10か月かぁ……”って思っていたんですけど(笑)

 朝ドラ『わろてんか』で序盤から登場したリリコを演じている広瀬アリス。娘儀太夫、女優、そして今は、川上四郎(松尾諭)とコンビを組んで『ミスリリコ・アンドシロー』として、『キース・アサリ』に並ぶ人気芸人となった。

「今回は、芸事のお稽古が本当に多くて(笑)。義太夫とか古典の出しものは、お笑いではなく“一芸”という感じでしたが、漫才をやるようになってからは、本物の芸人さんを指導している先生に見ていただきながら、平日は毎日2時間くらい撮影の合間にお稽古して……。ほかの現場でも、ずっと漫才のセリフをひとりでつぶやいたりしていました(笑)

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 リリコは竹を割ったような、ストレートな性格。

「ストレートなところは似ているかな、と思います。まっすぐすぎて不器用で、すごく可愛らしい女性だなと思います」

 てん(葵わかな)とは、藤吉(松坂桃李)をめぐる恋敵だったけど、時間がたつにつれて親友へと。自分は彼女のように恋のライバルと仲よくなれる?

私、全然、大丈夫です(笑)。その人を人間として好きかどうかなので。嫌いな人から話しかけられたら? 普通に返せますよ。仲よくするというよりは、可もなく不可もなく、という感じですけど(笑)

 物語も残すところあと1か月と少し。気になるストーリーは?

これから展開がガラッと変わります。笑いも涙もありますけど、いろいろな人の恋愛模様も描かれてくるのでお楽しみにしてください。リリコが誰かに恋するか……、どうなんでしょう(笑)

わかなちゃんのことは“ベイビー”と呼んでいます。赤ちゃんみたいに可愛いから。本人は笑いながら“どこがですかぁ~”って(笑)

 思い出のシーンは?

「藤吉が初めに倒れたあと、お見舞いに訪れた病室でりんごをむくシーンが、やっていてすごくしっくりきました。“不格好でしょ?”と言いながらむいている私を見ながら、藤吉が“リリコは笑顔がいい”と言うんです。泣くシーンでもないのに、ちょっとグッときた自分がいて……。リリコとしてすごくうれしくて、いちばんうれしい言葉をもらったなって」

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