ドラマ『隣の家族は青く見える』 (c)フジテレビ

 妊活する夫婦を主人公に、集合住宅で繰り広げられる、さまざまな隣人家族との悲喜こもごもを描いたヒューマンドラマ。ヒットプロデューサーが、思わず涙したドラマの魅力とは─。

4組のカップルの葛藤に
視聴者が感情移入&共感

 マイホームの購入をきっかけに、妊活に励む夫婦を深田恭子と松山ケンイチが好演中。舞台は近年、話題になっている集合住宅・コーポラティブハウス。

 深田が演じる五十嵐奈々、松山が演じる大器夫婦と同じコーポラティブハウスに住むのは、事実婚カップル(平山浩行、高橋メアリージュン)、男性同士のカップル(北村匠海、眞島秀和)、夫が失業中でも2人の娘との家族4人の幸せを装う夫婦(野間口徹、真飛聖)。それぞれに違った悩みを抱える家族たちが葛藤、成長する姿を描いたヒューマンドラマ。

 完全オリジナル作で、脚本は『ラスト♥シンデレラ』『ディア・シスター』『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』などのヒット作を手がけた中谷まゆみによる。

「作品の反響は、例えば“深田恭子ちゃん可愛い”など、演者さんの魅力が大きいのですが、話数とともに、物語自体にどっぷりハマっている方も。公式サイトで募集している妊活や子育て、近所付き合いの体験談でも、ご自身の経験を語る方が非常に増えています。感情移入して、“あるある”“わかる!”などと共感していただけているのは、制作者冥利に尽きます」

 と、中野利幸プロデューサー。“キャスティングが絶妙”と評判で、その理由については、

「脚本が演者さんに合わせた、あてがきなのに加え、松山さんはじめ、演技に定評のある方が多いからだと思います。奈々と親しげに話す朔(北村)を、妻を愛するあまり、子どもっぽくにらみつける大器の演技などは、松山さんのアドリブ。最近は松山さんと話していると、大器としゃべっているような気になります。

 深田さんも奈々に入り込んでくださっていて、演じているうちに泣いてしまうことも。脚本には“泣く”などと書いていないのに、自然に涙が流れるようです。おふたりは以前、夫婦役で共演(大河ドラマ『平清盛』)されていることもあり、今作でも密にコミュニケーションをとっているようで、撮影現場でも、よくおしゃべりしています」(中野P、以下同)

妊活カップルの切なさに
プロデューサーが落涙

 相性ぴったりの深田、松山の夫婦役。数多くのヒット作を手がけてきた中野Pも、思わず涙を流したというシーンがある。

「第3話(2月1日放送)のラストシーンです。自分の作品で泣くことはまれなので、僕自身も驚きました(笑)。不妊治療がなかなかうまくいかず、奈々が切ない本音を吐露、大器が大らかな気持ちで受け止めます。あまりに素敵すぎて“この夫婦に幸せになってほしい”と心から思いました。通常は、ラストシーンには音楽をのせるのですが、ここだけは音楽抜き、おふたりの演技だけで見せています」

 第5話(2月15日放送)では、不妊治療は、人工授精にステップアップ。コーポラティブハウスでは、亮司(平山)は、前妻との子を引き取ることを決め、それぞれの家族関係が変化し、ご近所付き合いも、怪しい雲行きに─。

不妊治療に同性愛など、丁寧に描かなければならないテーマが多く、リアルな家族像を描くため、膨大な取材をしました。それでも、重くなりすぎず、明るいタッチに仕上げることにもこだわっています

不妊治療は、人工授精へとステップアップすることに (c)フジテレビ

 登場人物の誰の言い分にも、一理あるのもポイント。

「今は、4家族のコミュニティーをこじらせ、悪役のようになっているのは、深雪(真飛)。ですが、古くからの日本の価値観に、40代以上の世代は、共感できるかと思います。大器の母(高畑淳子)、奈々の母(原日出子)と同じ立場や価値観の方もいらっしゃるでしょう。どんな目線からでも、五十嵐夫妻が、危機をどう乗り越えていくのか、見守っていただけたらうれしいです」

実は…な小ネタも楽しんで!

■服シェア、ラブラブの証

男性同士の朔と渉カップル (c)フジテレビ

 渉と朔は、年齢も背格好も違うけど、ちょいちょい服をシェアしていることに、気づいていましたか? そんなところからも、ふたりのラブラブ具合が伝わってきちゃう♪

■こだわりの小道具

ペアマグカップ (c)フジテレビ

 持ち手がハート型になったペアのマグカップ。これは五十嵐家で奈々と大器が愛用しているもの。

「マグカップはその家の雰囲気の象徴のような気がするので、ちょっとこだわっています」(中野P)

 ほかには広瀬家の渉&朔カップルのマグカップ。さらには五十嵐家にときどき登場する番組オリジナルのビール、コーポラティブハウスの住人たちが手にしているキーホルダーなど、見逃せないアイテムがいっぱいです!