博多華丸・大吉

 NHK朝の生活情報番組『あさイチ』を、3月いっぱいで卒業することを発表した、同局の有働由美子アナウンサーとV6・井ノ原快彦。

 2010年、朝ドラの放送時間移動などのリニューアルと同時にスタート。朝ドラ直後に有働アナが涙ぐんだり感想を寄せる様が“朝ドラ受け”と呼ばれるようになり、同番組も安定した人気を保ってきた。

 そんな中での番組卒業。特に有働アナに関しては “結婚も視野に、プライベートを充実させたい意向があった” と報道されたが、2月7日の生放送で「プライベートの充実で仕事なんか辞めないよね」と自ら否定した。

 4月からの後任は、『ブラタモリ』で人気上昇中の近江友里恵アナと、お笑いコンビの博多華丸・大吉に決定。

「男性MC枠はイノッチの後を受け、ジャニーズ枠として引き継がれるのか、または『ブラタモリ』つながりで、ナレーションを担当する草なぎ君にという、まさかのウルトラCか、という妄想もありました。が、ジャニーズ系で引き継ぐよりも番組のイメージを一新させる方向のようですね」

 と、あるテレビ誌記者は言う。華丸・大吉のMCとしての評判はどうなのか。人気情報番組などを手掛ける、ある放送作家は言う。

「もともと好感度はすごく高い2人ですからね。庶民的な視点もあり、リラックスした会話の雰囲気は、今の朝の顔としてはピッタリだと思います」

『あさイチ』は、主に健康や食などの生活情報を中心に、時には社会問題など、幅広い内容を扱う番組。裏番組にあたるワイドショーが得意とする芸能スキャンダルなどは扱わない。そんな番組のカラーにも、華丸・大吉は適任ではと、前出の放送作家は言う。

「『ヒルナンデス!』の南原(清隆)さん、『ひるおび』の恵(俊彰)さんなど、人気の帯番組のMCをつとめる芸人さんは、芸人的でない柔らかさがある、いい意味で色がないタイプなんです。平日、毎日顔を見るわけですから、意外にこれが重要で、華丸・大吉も、やはりいい意味で色がない。世間の問題などに対しても、おそらく極端に主張することもない。そもそも波風を立てないのがお二人のポリシーですからね(笑)

 有働・井ノ原コンビから、近江・華大のトリオ体制になるが、たとえば近江アナと大吉の2人にしなかったことには狙いはあるだろうか。

「近江アナと大吉さんだと、想定内というのか、有働さんとイノッチを置き換えて『こうしたのね』という感じになる。もちろんそれで何の問題もないし、面白い番組づくりはできると思うのですが、そこに華丸さんが加わることで、思いもよらないボケが入ったり、それに大吉さんが反応したりと、ちょっと違う番組づくりができるような気がします」

 番組を一新した感じが出しやすくなるのではというのだ。

「そして、華丸・大吉のお二人は、すごく仲がいい。仲良しのおじさん二人が出てるのって、サンドウィッチマンなんかもそうですが、それだけで今の視聴者には見てて楽しいところがあります」(前出・放送作家)

 冒頭のように、朝ドラとともに人気を集めてきた番組でもある。中盤以降視聴率も好調な『わろてんか』から、『半分、青い。』に変わるとともに、新たな布陣の『あさイチ』も、好調を維持したまま新体制への移行できそうな雰囲気が……。

<取材・文/渋谷恭太郎>