ジャニーズやK-POPをはじめとした、日韓のアイドルの応援を日々の生きがいとし、気づいたらとある現場でトップヲタクになっていた<男子>大学生・あくにゃんのコラム。
イラスト/びーえいち

 最近、日韓を含めたアイドルの方たちのカノバレ(彼女の存在が公にバレること)をよく目にします。

 それぞれのファンの賛否やファンのみが抱えることのできるモヤモヤを見ていると 結局のところ、推しのカノバレってどう対処したらいいの? 推しを責めてもいいの? そもそも推しは彼女作らないと死ぬわけ? なんなの? というかカノバレにキレたらアイドルに入れあげていたヤバい人認定されるのなんで?

 などなど、たくさんの疑問が浮かび上がったので、表舞台に立つ者と、アイドルを追う者、両者の気持ちが分かる私が、今回この辺を言語化していきたいと思います。

〈第十二声〉
カノバレした推しを愛せる?
~お金を払って夢見てるのに~

 私は幸せなことに、推しのカノバレに直面したことがありませんが、いま応援している地下アイドルの界隈は結構ヤンチャな方たちが多く、カノバレどころか、衣装のままホテルからファンと出てきちゃうアイドルもいます。

 よっ! さすが個人事務所! 無法地帯! 衣装着てホテルだなんてどんなショーを見せてくれるんでしょ。アンコールとかあるのかな?(とぼけ顔)

 決して全ての地下アイドルや個人事務所の方たちがチャラいわけではありません。 私の応援している韓国人地下アイドルは運営が韓国方式ということもあり、個人で携帯を持たせてもらっていないためクリーンらしいのです。

左薬指に指輪!? カノバレか!? と思ったら、鏡で反転してるだけあるあるな写真

 とはいえ過去には色々な恋愛経験もあったみたいで、そのことを、辞めていったファンがわざわざ現場に来て、既存のファンに言いふらしていて、思わずグーパンチが出そうになったこともありました。

 さすがに拳で解決ってワケにも行かないので、グッシャグシャになるくらい千円札を握りしめたのを覚えています。

 念のこもった千円札で特典券買いましたけど、あの時は野口英世さんごめんなさい。

 本当にファンは彼女の存在を知りたくないのでしょうか。なら何故バレるのでしょうか。

 身内からリークをされるパターンもありますが、知りたい人がほじくるから出てきちゃうこともあると思うんです。Googleで男性芸能人の名前を検索すると、ほとんどの確率で検索候補に彼女って出ますしね。みんな知りたくないはずなのに、知りたいところなんですよね。

 カノバレした時に「彼女がバレたことはいいの! ただそのバレちゃうプロ意識の低さが嫌なの!」とプロ意識がないことを責める人たちをよく見かけますが、彼女がいてもいいって本気で思っているんですかね。

 そういった嘘を1枚挟むことで「私は痛い人じゃないです。理解ありますから」感出す人って必ずいますけど「嘘つけぇ~強がんなって!」って肩をポンポンしたくなる反面、自分だったらひたすらブチ切れて、「ファンやめる! もうライブも行かない! クソが! 金返せや!」と思うので、大人な対応ができるヲタクの方を尊敬もします。

こんなに買ったのも自己責任ですよね?

 私は、同性を応援しているのでカノバレは気にしなそうと思われているのですが、全然そんなことないです。私が使った金がその見ず知らずのお付き合い相手のプレゼント代とかになっているとしたら、無理すぎて無理です。

 そんなこと言ったって、向こうも人間なんだよ? 推しが結婚もせずに独身で不幸になってもいいの? お金を使ったのは自己責任でしょ? と、諭してくる友達もいるのですが、良い返しの言葉が見つからないので、そういう時は「うっせ! ばーかばーか!」っていつも返しちゃいます(笑)

 分かっているんです、そんなこと。でもモヤモヤするんです。しちゃうんです。

推しって彼女がいないと死ぬの?

 私は、正直なところバレなきゃいいと思っています。なぜならそう言ったパートナーが必要な人もいると思った局面が何度かあったからです。

 芸能人の方はなぜか孤独だったり、寂しさを抱えている方が多く、不思議なことに売れているからと言って幸せとは限らないみたいです。

 私には、仕事で辛いことがあると1年に2回くらい呼び出してくる元推しがいます。彼は男性ですが、パンクしそうになると必ず私を呼びます。

 私も私で終電がなくても片道9500円かけてタクシーで向かっちゃいます。あくにゃん、立派なプロ彼女です。よっ!

 どうやら同じ事務所でも同じ職業でもない、客観視できる第三者的な誰かに話を聞いてほしいという気持ちがあるみたいですね。

 かといって異性の友達ではなく、自身の近況を説明せずとも理解している元ファンの私を呼ぶわけですから重要なのは“理解者”であり、“肯定をしてくれる存在”であるということのようです。

 このようなことは私だけではなく、私の知人の一般男性も、国外の男性アイドルが来日した際は毎回ホテルに呼ばれています。ただただ話を聞いてほしいというアイドルの彼はリストカットをしていました。

 悲しませてしまうから、弱い部分や悩んでいる姿はファンにも事務所の人にも家族にすらも見せてはいけないという思いが強く、真面目な人ほど第三者に助けを求めるような感じがします。

彼女がいたとしても、彼女とよりこっちは写真撮ってっからよ? なめんな!

 これが異性ともなれば余計にその存在は重要になってくるかもしれません。話を聞いてくれたり、心身ともに癒してくれたりする存在がいることで、芸能人の自分と一般の生活を送っている自分とのアンバランスさをうまく整えているようです。

 これらを加味すると、結論を言えば彼女(=理解者)がいないと推しは死ぬんだと思います。

 こうなると、「彼女がいてもいいの! でもそれがバレるプロ意識の低さが嫌なの!」はあながち間違っていないと言うか、1つの真理であるように感じます。

 カノバレしたからといって今まで使ってきたお金を返してくれるシステムは現在存在しないので、ファンが各々で受け止めるしかないですが、ファンの前で100%のパフォーマンスを見せるためには、彼女という存在も必要なのかもしれません。

 ……と、私自身、自分に言い聞かせてみます(笑)

※カノバレしたアイドルが異性愛者であったため、とりわけヘテロ的(異性愛的)価値観を中心に書いています。

<プロフィール>

 

あくにゃん◎1995年生まれ。ジャニーズやK-POPをはじめとした、日韓のアイドルの応援が日々の生きがい。

日々のオタ活で感じたことを、独自の観点&独特な表現で言葉にするツイートも必見!

Twitter/ @akunyan621