年収1000万円超の人が持つ財布には、「3つの共通点」がある。実践すると「おカネが貯まる人」になれるかもしれない

 私たちファイナンシャルプランナーの事務所には、日々多くの人が「おカネの相談」にやってきます。仕事柄、お客様の財布を見る機会が多くあります。また普段から数多くの企業経営者と接する機会があり、彼らの財布を目にする機会が多くあります。その中で、年収1000万円を超える高収入の人の財布には、少なくとも「3つの共通点」があることがわかりました。

 そこで今回は、私たちが見てきた中での話ではありますが、おカネを稼いでいる人、おカネが貯まっている人に共通している「財布の特徴や財布との向き合い方」についてお話しします。

「財布の購入価格×200=年収」の法則とは?

 まず、おカネを稼いでいる人、おカネが貯まっている人ほど、「高級財布を使用している」傾向にあります。ブランド物の財布や高級革財布など、平均すると5万円以上の財布を使っている人が多いように感じます。

 先に言ってしまいますと、こうした人々は、決して「見栄」で高級財布を使用しているわけではないのです。実は、誰が言ったというわけでもなく、「100%完璧!」とも言えないのですが、財布にまつわる「法則」に「年収200倍の法則」というものがあります。これは、「財布の購入価格×200」の数字が、財布の持ち主の年収を表すというものです。

 たとえば、1万円の財布を使っている人なら、その人の年収は200万円。2万円の財布を使っている人なら、その人の年収は400万円、5万円の財布を使っている人なら1000万円という具合です。「全然当てはまらないよ!」と言う人がいるかもしれません。

 私自身も、この「法則」について論理的な説明ができるわけではありません。しかし、指摘したいのは、ピタリあてはまるかどうかではなく、高級財布と年収の相関性です。多くの人の財布を見ていると、年収がこの簡単な数式に近くなるか、それ以上になる傾向にあるのです。

 実際、収入に当てはまっていないという場合でも、高級財布を買うことによって、「年収200倍の法則」に当てはまる年収に近づいていくという人も、数多く見てきました。ここらへんは「卵が先か、鶏が先か」という話にもなるかもしれません。

 もちろん、大富豪の中には「財布などまったく気にしない」という人も数多くいると思います。それでも、「おカネは人生を映し出す鏡」と言われるように、その人の「おカネとの向き合い方」は人生そのものなのだと感じます。それが形として色濃く表れるのはまさに「財布」。おカネを大事にすることは、おカネが貯まるために必要な条件と言えます。

おカネが貯まっている人は「長財布」を使用している

 高収入の人が使っている「貯まる財布」の特徴の2つ目は「長財布を使用している」ことです。これは聞いたことがあるかもしれませんね。そうなんです。おカネを稼いでいる人、おカネが貯まっている人の財布を見せてもらうと、ほとんどの人が、長財布を使っています。

 前出の「高級財布」の項目でもお話ししましたが、つねにおカネのことを大切に扱っていることが共通ポイントです。以前、ある資産家のご相談を受けたとき、「財布は、自分のもとにやってきたおカネを大切に迎え入れるところ。お札が気持ちの良い状態で滞在してもらうことを考えたら、長財布になるのは当然」と言っていました。

 確かに、福沢諭吉さんも樋口一葉さんも、2つに折れ曲がった状態で入っているよりも、ピンと伸ばした状態で入っている方が居心地は良いでしょう。ホテルを例に考えてみると、ベッドが小さく、足が折れ曲がった状態で寝ても「疲れ」は取れないですよね。

 ましてや、そのホテルが清潔でなかったりしたら、そんなホテルには二度と泊まりたくないと思うもの。決してリピーターにはならないでしょう。おカネにとっても同じものだということかもしれません。

 特に男性の中には、二つ折りの財布をよくズボンの尻ポケットに入れる人をよく見受けます。もちろんスタイルは自由ですが、財布が変形したり汚れたりするうえに、座るときは財布を尻に敷いた状態になります。「おカネを大切にしている」とは言い難いでしょう。

「200倍の法則」「長財布」のお話をしましたが、貯まる財布の特徴3つ目は「スリム財布で、見た目がキレイになっている」ことです。

 財布は油断すると、パンパンに太る傾向にあります。いわゆる「ブタ財布」というものです。

 買い物をすれば、レシートや領収書を受け取ったり、割引券をもらったりします。アマゾン、楽天、ヤフーなどの勧誘に応じて新しいクレジットカードを作ったり、ポイントカードを作ったりする機会も多いのではないでしょうか。

 また、金運アップの縁起物やお守りをもらう機会もあるでしょう。読者の中には思い出の写真や家族の写真を入れている方もいることでしょう。これらをどんどん財布に放り込んでいたら、財布の中身はパンパンに膨れ上がってしまいます。

おカネが貯まる人の財布は驚くほど整理されている

当記事は「東洋経済オンライン」(運営:東洋経済新報社)の提供記事です

 実は、おカネを稼いでいる人、おカネが貯まっている人の財布の中身を見ると、キャッシュカードは2枚以内、クレジットカードは2枚以内、ポイントカードはよく使う店に限定され、レシートや領収書などはいっさい入っていない場合が大半です。縁起物は1つか2つに絞っているようです。

 また、小銭は小銭入れに入れている人が多く、とにかくスリムです。何人かに聞きましたが、レシートや領収書は1日の終わりに財布から取り出して、支出を記録、または専用ボックスに保管しているようです。

 このように、1日の終わりに必ず財布に向き合う時間があることは、どれくらいのおカネが入っているのか、何におカネを使ったのかを把握できたり、予算を確認できたりして、おカネの使い方に意識を向けることができます。その結果、無駄遣いを防ぐことができるのです。

 おカネを稼いでいる人、おカネが貯まっている人の財布の外見は、糸がほつれていたり、色がすりきれていたり、シワシワになっていたりということもありません。よく人は「見た目が9割」といわれますが、財布の見た目がよい方が、「この人はおカネについてきちんとしている」という印象を持たれ、得をすることも多いでしょう。

 おカネ自身にとって、居心地の悪そうな財布よりも、見た目もキレイで、居心地の良さそうな財布のところに寄っていきたいと考えれば、財布がスリムでキレイな人におカネが貯まるのは必然なのかもしれません。

 以上、おカネを稼いでいる人、おカネが貯まっている人に共通する「3つの財布の特徴」を見てきましたが、最後に財布を使うにあたり、心掛けたいことをまとめておきます。これも、高年収の人やおカネを貯めることが得意な人たちが実践していることばかりです。

財布を買ったら、使い始める前に「札束を入れる」!

 新しい財布を買ったら、使い始める前に「札束を入れる」こと。それは、財布にしっかりとその厚みの感触を覚えてもらうためです。私の周りの成功している経営者の人たちは、新しい財布を買ったら、まずは3日間「100万円」を財布に入れておくのだそうです。お札の厚み、匂い、感覚をしっかり財布に覚えてもらうことで、大きなおカネを引き寄せてもらうとのことです。

 また「お札は上下の向きをそろえる」こと。雑然とお札を入れるよりは、向きをそろえることにより、財布の中をキレイな状態に保つことができます。入れ方にルールはありませんが、お札の頭が下に向くようにして入れると「入りやすくて出にくい」ので良いといわれています。

 さらに、お札を入れる順番は「金額の大きいお札は奥に置く」こと。一番奥に1万円札、次に5千円札、一番手前に千円札という具合です。1万円札はお札の中では大将の存在。大将が一番手前にいたのでは、すぐに崩されてしまいます。このような順番で入れることで、1万円札を長く財布の中にとどめることができるのです。

 おカネを稼いでいる人、おカネが貯まっている人に共通しているのは、結局のところ、おカネを大切に扱っているかどうかです。その第1歩が「財布」であり、おカネとの向き合い方が特徴として表れていると言えます。

 実はすぐにやってくる3月12日は語呂合わせのとおり「財布の日」です。この日を機に、使い慣れた財布の整理や新しく財布を買い換えてみてはいかがでしょうか。


頼藤 太希(よりふじ・たいき)◎マネーコンサルタント (株)Money&You代表取締役。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。女性のための、一生涯の「おカネの相談パートナー」が見つかる場『FP Cafe』を運営。メディアなどで投資に関するコラム執筆、書籍の監修、講演など日本人のマネーリテラシー向上に努めている。著書は『やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)、『税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法』(河出書房新社)など多数。日本証券アナリスト協会検定会員。