松岡修造

 松岡修造の長女が今年4月から、宝塚音楽学校の上級生に。来年には卒業し、春からは歌劇団の団員となるという。それによって、3年前に同校を卒業し、現在は月組の男役として活躍している君島十和子の娘と今後トップを目指して激突。

 すでに宝塚ファンの間ではどちらが先にトップを取るか議論が湧きあがっている。という内容の記事が『女性セブン』(3月15日号)に掲載されていた。

 ほかにも有名人の子どもが在籍しているのに、なぜふたりの娘だけがいきなりトップ争いを始めるのか、いささか疑問ではあるが、そもそも音楽学校も含め、宝塚ほど“コンペテティブ”なところはないという。

「宝塚音楽学校は法律上、各種学校に当たりますが、こんなに競争率の高い各種学校はほかに例を見ません。毎年20~25倍ほどで、定員50人のところに1000人近く応募があります。

 94年には48.2倍という高倍率を記録、『東の東大・西の宝塚』などと言われるようになっています。学校での席次が卒業して劇団員になってもずっと付いてまわるので、生徒は必至です」(音楽大学講師)

 卒業生は、100%ではないが劇団員となり、華やかな舞台を踏むことになる。

「入学すれば、そこにはスターへの階段が用意されているわけです。スターを目指してやってくる若い女の子ばかりですから、自分が1番になりたいと思うのは当たり前のことです。そのためにライバルの足を引っ張ったりすることはよくあります」(元劇団員)

 宝塚音楽学校には厳しい校則・規律があることはよく知られている。だがそれ以外に生徒間にはもっと厳しい“掟”があるという。

元・劇団員「あんたみたいなブサイクがなぜ

「まず、上下関係は絶対です。先輩に逆らうこと、口答えすることは許されません。全員ではありませんが、地方から来ている人たちはたいてい寮に入ります。女の子ばかりの寮と聞けば、楽しそうなイメージがありますが、どちらかというと軍隊に近いと言ってもいいでしょうね。

 お風呂は下級生が先に入ることになっているのですが、出るときには浴室を徹底的にきれいにしなければなりません。床が濡れていてはいけませんし、どんな小さなゴミも落ちていてはダメなんです。何度も掃除させられ、へとへとになり、そのため寝る時間が遅くなり、朝も早いですから身体もきついです」(元・劇団員)

 ライバルとなりそうな生徒を“掟”を利用して、蹴落とすこともあるという。“イジメ”ということだが、

実際、何年か前にイジメが発覚して裁判にもなりました。

 そこまで大事にならなくても、イジメられて、やる気をなくし、とりあえず卒業だけはしようと、スターを目指すことをあきらめる生徒もいます」(スポーツ紙記者)

 劇団員になったら、トップ争いはさらに熾烈をきわめ、イジメも度を増すという。

「ちょっとでも芽が出そうな人はすぐに目をつけられ、潰されそうになります。みんながみんな意地悪な人ばかりじゃないですが、中には本当にひどい人がいて、陰湿ないじめをするんです」(前出・元劇団員)

 別の元劇団員はこう語る。

「舞台のそでで出番を待っていると、まだ出番じゃないのにいきなり押し出されたりしたことがあります。

 舞台に並んでいるとき、隣の上級生から“あんたみたいなブサイクがなぜここにいるのかわからない”とか“さっさと田舎に帰れば”と言われ、それがいつまでも続くので、頭にきて殴ろうか思ったときもありました」

 競争心が渦巻く“女の園”。そこで繰り広げられるトップ争い。宝塚ファンはほとんど女性だけに、気になって仕方ないか⁉

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。

*一部内容に誤りがあったため記事内容を修正いたしました(3月15日10時55分)