「食わず嫌い」に「モジモジくん」
女性からの惜しむ声が続々と!
ここ数年のフジテレビの視聴率下落傾向を受けて、黄金期を支えたレジェンド級のバラエティ番組が次々と打ち切りを迎えていることは、みなさんご存じの通り。30年以上の歴史を誇る『とんねるずのみなさんのおかげでした』(以下『おかげでした』)も、この3月22日(木)を持って最終回に……!
若い世代はともかく、80〜90年代はテレビに釘付けだった女性も少なくないハズ。翌日の教室で、男子に交じって話が盛り上がった人も多いのでは? というわけで、30〜40代の女性200人を対象に、『おかげでした』の思い出をあらためて振り返ってもらいましょう。まずは、ちょっといいコメントから!
【30代に聞いた、いい思い出】
「食わず嫌いの食事対決。 演技しているシーンとかすごいなって感じたり、こんなの嫌いなんだーと、芸能人も人なんだなって思うこともしばしば。お土産のコーナーも面白かった」(35歳・埼玉県)
「こまかすぎて伝わらないモノマネの、『2億四千万〜』のモノマネ、このコーナーはとくに好きでした! 食わず嫌いも好きなタレントのときはよく見ていました!」(31歳・愛知県)
「食わず嫌い。大竹しのぶと泉谷しげるのポンコツ対決が最高だった」(31歳・埼玉県)
「食わず嫌いが好きだった。バラエティー出演の少ない役者さんのお話を聞けるのが楽しかった」(38歳・愛知県)
「食わず嫌い王や、拝啓、道の駅よりのコーナーが好きでした。特番でたまに復活してくれたら嬉しい」(33歳・茨城県)
「物心ついた時から見ていた番組が終わるのは寂しいというより不思議な気分 。食わず嫌い等、好きな企画もあるので、たまにスペシャル番組等で放送してほしい」(34歳・鳥取県)
「とんねるずも好きな芸人さんのうちに入っていて…もじもじ君好きでした… 男気ジャンケンは見ていて楽しい」(38歳・北海道)
「ひとつの時代が終わるんだなという気持ち」(35歳・兵庫県)
「一番好きな番組です。フジテレビは馬鹿馬鹿しいから終わると思います。これから楽しみがなくなります。もう一度見たいのは野猿と矢島美容室です。あと昔のコントやパロディーはとっても面白かったです」(37歳・東京都)
【40代に聞いた、いい思い出】
「コーナーとしては食わず嫌い王が好きで、かなり豪華なゲストがたくさん出るので楽しみだった。 企画としては『野猿』が面白かった。 正直言って一人一人の見た目は全然かっこよくないのに、歌って踊るとすごくかっこよくなるのがすごかった。 石橋さんと秋元康さんのプロデュース力のすごさを実感した。 今でも結構曲を覚えている」(46歳・埼玉県)
「モジモジくんとか懐かしい」(41歳・兵庫県)
「なぜ終わるのかが不思議です。 素人イジリも面白い、スポーツに詳しいのでスポーツ選手は確実に面白くできる、芸能人の面白さを引き出してきた。 歌手としてもいい、スタッフのネタも面白い…食わず嫌い、ものまね、細かくて伝わらない、モジモジ君、料理、コントなど。見たいものはたくさんあります。石橋さんが外で『ん!キミは…』と素人さんをいじる師匠、石田さんのモノマネがまたみたいです」(44歳・神奈川県)
「キョンキョンや明菜ちゃんが出ていたモジモジくん」(48歳・愛知県)
「最近は全然見ていなかったけど、食わず嫌いや細かすぎるモノマネは面白かった。たまにスペシャルでやったらいいのでは……?」(40歳・神奈川県)
「細かすぎて伝わらないモノマネと水落シリーズが好きです」(43歳・大阪府)
「チェッカーズと一緒にやっていた学園ものが好きだった」(44歳・東京都)
30代が「食わず嫌い王決定戦」「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」など、近年人気だった企画が多かったのに対し、40代は「野猿」や「モジモジくん」といった往年の人気企画を懐かしむ声も多く聞かれた印象です。
あわせて、とんねるずらしい傍若無人ぶりを肯定的に捉えている声が多かったことも特徴。バカバカしいことで笑いが取れた懐かしい時代に思いを馳せている人が多いのかも?
また、とんねるずの幅広い交友関係があってこそ実現できた豪華ゲストについても言及がチラホラ。確かに今では考えられないような面々が番組内でバカなことをやるのは、『おかげでした』ならではの光景ですよね。特番での復活を望む声が多いことは、しっかりファンが付いている証拠と言えるかも?
「時代に合わない」「マンネリ」
否定派の意見から見えてきた評価
肯定的な意見もあれば、否定的な意見もあります。番組終了に寄せて、ネガティブな意見もけっこう寄せられました。
【30代の否定的なご意見】
「やっと終わるんやーといった感じ」(38歳・大阪府)
「いくらお金がある芸能人でも無理やりお金を使わせる企画はよくないと思った」(32歳・神奈川県)
「長く続いていたので、それなりに人気はあったのでしょうが、嫌いでした」(38歳・埼玉県)
「昔は仮面ノリダーなど、当時面白いと感じるコーナーはいくつかあった。 時が経つにつれ、イジメを助長するような企画ばかりになり、全く笑えなくなった。時間の無駄。 終わって正解だと思う!」(34歳・宮城県)
【40代の否定的なご意見】
「番組開始から何年間は笑えたが、内容も変わりつまらなくなったので見る事はなくなった。終了が決まったのを知った時はやっと終了するんだと感じた」(44歳・岐阜県)
「番組よりも、とんねるずが終わっている気がする。つぶしもきかなそうだし」(47歳・東京都)
「特にないですが、もともととんねるずが好きではないことと、番組自体下品で面白くないと思っていたので、終了して良かったと思っています」(40歳・大阪府)
「だんだんネタ切れになっていたのかと思う」(44歳・東京都)
「とんねるずはあまり好きでないので、見ていなかった。 番組があるのは知っていたが、まだ続いているのは知らなかったので、よく続いていたなあという印象しかない」(48歳・兵庫県)
「LGBT(性的マイノリティー)の方を揶揄するような内容が原因で番組終了になったと聞いています。もし事実なら、10〜20年前は許されても、現在では世間では通用しない事もあるのだと、番組制作者も学ぶべきだと思いました」(42歳・東京都)
「モジモジ君とかすごい好きだったのに、今は石橋のやり方が汚く思えて仕方ない」(42歳・宮城県)
「昭和のころのノリで出演者とスタッフが内輪だけで盛り上がっていたり、無理やり買いたくもない高価なものを買ったり、昔は笑えたものも今では笑えなくなっていた」(46歳・大分県)
30代より“中心世代”と考えられる40代のほうが、否定的な意見が多かったのはちょっと意外かも? いずれも「やりすぎ」という声がその理由として多かった印象です。
リバイバル企画で物議を醸した「保毛尾田保毛男」はもちろんのこと、「○○を買う」といったコーナーも、時代の空気が許さなくなってきているのかもしれませんね。裏を返せば、そんな時流が番組を存続できなくさせた理由——なんて見方もできそうです。
またとんねるずといえば悪ノリにも近い内輪ネタが特徴ですが、先述の好意的な意見と比べてみると、やっぱり否定的な意見がチラホラ。一時代を築いた強烈なインパクトがあるアプローチですが、どんな手法も見慣れてしまうことで、食傷気味になるのかもしれませんね。
いよいよ最終回を控える『おかげでした』ですが、惜しむ声のほうが圧倒的に多かったことも付け加えておきます。フジテレビ系列でスタートする新番組『石橋貴明のたいむとんねる』も、それだけ愛される番組になるといいですね!
<文 / 雛菊あんじ>