昨年1月に突然、グループでの活動休止を発表した『いきものがかり』。名前からもじって休養宣言ならぬ“放牧”宣言をしたメンバー3人だが、復帰のメドは立っていない。
メンバー間の音楽性の違い
「'10年に発売したベストアルバムは140万枚を突破。'12年にはNHKロンドン五輪のテーマソングも担当し、紅白歌合戦も休止前年まで9年連続で出場していました。そんな絶頂期での放牧宣言ですから、ファンは騒然となりましたね」(スポーツ紙記者)
昨年11月にはメンバーがそろってネットの動画に登場。久々に元気な姿を見せたが、復帰について語ることはなかった。3人の休止中の活動はというと、
「リーダーである水野良樹は、五木ひろしや平原綾香などへ精力的に楽曲を提供。ギターの山下穂尊は昨年11月に初エッセイを発売しました。ボーカルの吉岡聖恵は、3月21日に発売される故・大瀧詠一さんのコンピレーションアルバムで、『夢で逢えたら』をカバーしました。彼女にとっては久しぶりの音楽活動でしたね」(音楽専門誌記者)
ソロでは活動を再開している3人。それでも、バンド再開の声が聞かれないことにファンがやきもきするのには、理由があるという。
「'16年にメンバーがそろって出演した『おしゃれイズム』(日本テレビ)で、水野が“プライベートでは、ぜんぜん仲よくないんです”って告白したんです。さすがに司会の上田晋也も“衝撃のカミングアウト!”って驚いていました。その翌年に活動休止となれば、ファンが解散を心配するのは当然でしょう」(テレビ誌記者)
彼らの状況を知るあるレコード会社関係者に話を聞くと、表情はどことなく暗い。
「当初、休止期間は1年くらいという予定だったのです。会社側は'18年中には新曲を発表できればという見込みだったそうですが、どうも今の感じではそれは難しそうです。というのも、男性メンバーは復帰に前向きなのですが、吉岡さんがまだ放牧していたいみたいなんですよ……」
さらに聞いてみると、どうもメンバー間の“音楽性の違い”があるという。
「実は、吉岡さんは“私の好きな歌を歌いたい”って周囲に話しているそうなんです。つまり、メンバーが作る楽曲とは違う楽曲で、自分のボーカル力を試してみたいということ。音楽短大ではミュージカルコースを専攻するほどの腕前で、歌唱力は日本の音楽シーンでもトップレベルですから。
そこで、今年の夏ごろに彼女の好きな曲を集めたカバーアルバムを発売できないかと計画中だそうです。なので、グループとしての活動再開は、まだまだ先になるでしょうね」(同・レコード会社関係者)
週刊女性はこれまでの楽曲をLPレコードに収めた『レコー丼』発売当日の3月15日に、都内の自宅に帰ってきた吉岡を直撃取材した。
“放牧”はいつまで?
─すみません、いきものがかり活動復帰のメドは立っているのでしょうか?
「今は未定なんですよ、ライブ活動とか。ただ、ファンクラブはやっていますので、会報の撮影をしたり、メンバーと話し合ったりはしています。放牧中なんですが、今日は『レコー丼』も発売されますので、そういうのを楽しんでいただけたらなって。えへへ(笑)」
とてもチャーミングな笑顔。もちろん、本日発売は知っておりますよ!
─ところで、ファンからは早く復帰してほしいという声も高まっていますが?
「具体的なことは決まっていないので……」
と、神妙な面持ち。
─夏には吉岡さんがカバーアルバムを出されるとか?
「いや、その予定はないです」
─メンバーとの音楽性の違いから、違う人の楽曲で歌いたいという思いがあるとか?
「いやいや。そもそも、音楽性っていうんですかね、好きな音楽が一緒だからこそ、一緒にやっているので。そこは合っている部分だと思うんですけどね」
─メンバー間でギクシャクして再開できないのでは?
「そんなことはないです。メンバーとも連絡はとり合っていますし。気遣っていただいてありがとうございます(笑)」
─放牧はまだ続きそうですか?
「メンバー3人、スタッフさんと話し合って、具体的なことは決めていきたいと思います。自分たちを温かく見守っていただけたら、本当にありがたいことです」
そう言って頭を下げた吉岡。“不仲説”や“解散”は笑顔で否定したけれど“放牧”はしばらく続きそう。彼女たちに“YELL”を送りながら再始動を待ちたい。