「1月末に、店内で大規模な現場検証が行われ、被害者の女性従業員は数時間拘束されて、事情を聞かれたそうです。
これまでにも、この店で盗撮事件は何度もあったみたいですが、こんなに警察が捜査するのは初めてです。事件の数日後にも、警察官がわざわざ、映像データを取りに来たので、おかしいってウワサになっていたみたいで……」(従業員の知人)
犯行の様子はバッチリ映っている
大がかりな捜査が秘密裏に行われた理由はたったひとつ。それは盗撮をしたのが、大分県警の現役男性警察官A(30代、巡査部長)だったからだ。
捜査関係者から話を聞いたという女性は、
「提供を受けた映像を確認した警察官の中に、たまたまAと一緒に仕事をしたことがある人間がいて、“似ているな”と思ったそうです」
週刊女性が入手した防犯カメラの映像には、女性従業員の背後に腰をかがめ、盗撮に及んでいる犯行の様子がバッチリ映っている。ほかの防犯カメラの映像からは犯行時と同じ服装で、店内を歩くAの顔が確認できた。
「Aは以前からその店には非番の日などにたびたび訪れていたようです。防犯カメラの存在は、当然知っているはずですし、自分だけはバレないとでも思ったんですかね」
と前出の女性は首をひねる。さらにAの経歴について、
「大分中央署などで取り調べを担当し、現在は臼杵市の臼杵津久見署に勤務していました。強引な取り調べをすることもあったそうですが、仕事への評価はよかったらしい。盗撮事件の捜査や取り調べを担当していたこともあり、犯行の手口も熟知していますよね」(前出の女性)
まさにミイラ取りがミイラになったような今回の事件。犯行日時は1月6日午後、場所は大分市内のJR日豊本線沿いにある大型スーパー。食品、日用品、衣料品など品ぞろえも豊富で、平日の昼間からにぎわっている。
従業員の知人が続ける。
「その日は非番だったようで、奥さんと思われる女性と一緒に来店し、30分ほど滞在しました。現場となったのは2階の衣料品売り場です。女性が買い物する間、ポケットに手を入れ、周囲をキョロキョロしながら、不審な動きをしていたそうです」
購入する商品を探しているのではなく、明らかに女性を物色しているそぶり。Aが狙いを定めたのは、商品の整理をしている女性従業員だった。
「品物を見るふりをしながらそばに近寄り、急にかがむと、スカートの下にスマホを差し込んだんです。“犯行時間”はほんの数秒。手慣れた感じだったようです。その後、何食わぬ顔で移動し、女性と合流、この一連の様子はすべて、店内の防犯カメラに映っていたそう」
と前出・従業員の知人。
事件から2か月経過も逮捕なし
「女性従業員は不審な動きをする男に気づき、警備員に“不審な人がいた”と相談したそうです。警備員が監視カメラを確認すると、その男の犯行現場が映っており、警備員が慌てて店内を探しましたが、すでに女性と帰った後だったと聞きました」(同)
別の売り場の防犯カメラにも、女性を物色するAの不自然な姿がとらえられており、この売り場にいた別の女性従業員も被害に遭っている可能性が高いという。
地元紙『大分合同新聞』の社会面のトップ記事に〈巡査部長 盗撮か 臼杵津久見署 県警また不祥事〉の見出しが躍ったのは2月6日。太刀川浩一県警本部長は今月6日、県議会文教警察委員会で「厳正に捜査、調査している。近日中に報告したい」と約束した。事件から2か月以上がたつというのに、報告も逮捕もない。
「従業員の間では“なんで捕まらないのか?”とか“警察官だから取り調べの前に証拠を隠滅することができる、証拠がないから逮捕できないのでは”とか、“身内の犯行だから捜査が甘いんじゃないか”などと憶測が飛び交っているようです。なかなか逮捕されないのはおかしい、と首をかしげる人もいるそうです」(前出・従業員の知人)
県警本部監察官に、捜査の進捗状況を尋ねた。
「本人は犯行について自分で間違いないと認めています。取り調べには素直に応じて話していますし、証拠隠滅や逃亡のおそれがないことから逮捕はしておらず、在宅捜査を続けています。
映像、その他の証拠についてもあらゆる捜査手法を使って、立証を進めているところです。最終的には警察内部での処分になるので、事件を加味して懲戒処分を決定します」
地元紙の見出しに「県警また不祥事」とあったように、大分県警は2016年から'17年にかけ、やらかし続けている。パチンコ店で客のスマートフォンを窃盗したり、顔見知りだった警察官のスピード違反を見逃したり、コンビニで面識のない女性の尻を触ったり、すべて現役警察官の仕業。緩みすぎだ。
近日中に処分を発表
前出の女性は、
「逮捕する側の人間がこんなことをして恥ずかしくないのか。今までよく仕事をしてこられたなと思います。正直ありえないです」
と、あきれ顔。Aの自宅近くの住民も「警察官の事件を聞いても“またか”という感じですね」と口をそろえる。「警察官には善でいてほしいのに」の声もあった。
前出・監察官も頭を抱える。
「再発防止に向けた教育、指導はこれまでも続けております。その中で、起こってしまった。当該警察官も、それを受けてきたはずです。それなのに? って思うでしょう。こっちも聞きたいくらいですよ、ほんと何で? って。
現在はまだ捜査段階ですので、近日中に処分の発表は必ずします。動機についてもそのときに明らかになるのではないでしょうか」
犯罪から市民を守るはずの警察官が、盗撮という許されない行為で被害女性の心に傷を作った。
Aは勤務先近くで単身赴任をしていたようで、3月中旬、人けがない日中を見計らって引っ越す姿が目撃されている。
「先日、奥さんらしき女性と一緒に布団などを運び出し、車に積んで、しばらくしてどこかに行きましたよ」(目撃談)
盗撮で警察官人生を棒に振った男にも家族があり、人生は続く。盗撮癖が常習でなければいいのだが……。