「アクションをやっていたら、細かいケガは当たり前なのかなと思っています。むしろ、無傷で帰ってくるほうが恥ずかしいような気がしていて。だから、ケガを恐れて動けなくなるんじゃなく、それ以上に“いいものを作りたい!”という思いで挑みました」
映画『曇天に笑う』で主演を務める福士蒼汰(24)。3兄弟の長男で、小さいころある事件で亡くなった両親の代わりに弟たちの面倒を見ながら、曇神社の14代目当主として周囲からの信頼も厚い主人公・曇天火を熱演。
「父親になったことはないですが、天火は弟たちをまるで自分の息子のように愛していて。だから自分も、弟役の(若山)耀人や(中山)優馬を“可愛い”と意識的に感じるようにしました。でも、そんなことをしなくても2人はずっと愛おしかったですが(笑)」
しかし、撮影中は下駄をはいてのアクションにかなり苦戦したんだとか。
「最初は歩くことも少しぎこちなかったんです。足の型をとって、下駄っぽく見える靴を作ってくださったりもしたんですが、その靴も厚底になって“逆に危ないかも”ということに」
いつも笑顔で周りを明るく照らす天火と、自身が似ていると思う点は、
「自分も、けっこう些細なことでも笑っちゃうような笑い上戸なんです。だから普段から笑いすぎて、自分が何に対してそんなに笑ったのかも忘れちゃうくらいで(笑)。昔はテレビっ子で、よくお笑い番組も好きで見てました」
家族愛がひとつの大きなテーマでもある今作。では、福士にとって家族とは……?
「家族というのは“自分の身を削れる存在”だと思っています。人が助けを求めてきたときに、なかなか自分を犠牲にしてまで助けることって難しいと思うんです。でもそれが、家族だったら考えるよりも先に身体が動くというか。自分よりも大切で“守りたい”と思える存在が家族だと思います」
カッコいいこともサラリと言えちゃうなんてさすが! 作中でも弟の危機に命がけで駆けつける長男を演じたが、実生活では2人の姉がいる末っ子。
「普段の自分は、あまりお兄ちゃんっぽくはないと思います(笑)。どちらかと言えば、物事を自分では決められなくて、相手に“決めて”と任せるタイプです。でも最近は“〇〇にご飯行こう!”と友人を誘えるようになってきたので、成長したんでしょうか? でも、やっぱり基本的には弟っぽいんだと思います(笑)」
映画にドラマにと、まさに引っ張りだこ! わずかなプライベートの時間も常に考えているのは、
「今は仕事への向上心が大きいです。ゲームや漫画ももちろん好きですが、仕事をしているときには、抜け出せなくなっちゃいそうでハマるのが怖いんです。だから、無意識的に自制している部分があるのかもしれません」
<プロフィール>
ふくし・そうた 1993年5月30日生まれ。2011年にドラマ『美咲ナンバーワン!!』で役者デビュー。代表作にはドラマ『仮面ライダーフォーゼ』『恋仲』『愛してたって、秘密はある。』や、映画『好きっていいなよ。』『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』『ちょっと今から仕事やめてくる』など多数。
<出演情報>
『曇天に笑う』(3月21日(祝)全国ロードショー)