佐野岳 撮影/佐藤靖彦

「“アクション”のひと言でくくるのではなく、パンチや蹴りひとつひとつも役にとっては大切なセリフだと思っていて。小さな仕草にも、キャラクターの個性を表現できるよう、一生懸命やらせていただきました」

 映画『honey』で、医学部に通うも素行の悪さが目立つ大学生・権瓦郁巳役に挑戦している佐野岳(25)。普段の爽やかな印象とはかけ離れたロン毛でヒゲが生えたビジュアルに、驚く人も続出!?

「見た目からも役の内面がにじみ出るよう、あとはただの悪いやつではない、インテリジェンスさをどうやって出そうか考えて、タバコを電子タバコにかえてみたらどうかと提案してみました。実は作中でかけている丸メガネも、僕の私物なんです。監督がメガネを見て“それいいじゃん!!”って採用していただいて

 大学在学中に“ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト”で見事グランプリを受賞し、芸能界デビュー。最近もドラマ『陸王』や映画『となりの怪物くん』(4月27日公開)に出演するなど、まさに役者としても順風満帆。しかし、そんな彼がポツリとつぶやく。

これから30歳にかけて、できる役柄はどんどん少なくなっていくと思うんです。その中でどうやって生き残っていくかきちんと考えていかないと。より幅広い役ができるよう、自分の引き出しをもっともっと増やしていきたいんです」

 天真爛漫なイメージがあるだけに、冷静に自己分析を行う姿とのギャップに少し驚いたが、

昔は落ち込んじゃダメだって思い込んでいて無理してでも元気な自分をつくっていた部分があったんです。でも、最近は落ち込むことも別に悪いことじゃないなと考えるようになって。だから、プライベートでは“シュン”ってなっている姿をほかの人に見られて、“意外と暗いんだね”って言われたりします(笑)」

 “夢”について尋ねると、一転して少年のように目を輝かせる。

ハリウッドで忍者の役をやりたい夢があるんです。地元が愛知なんですが、伊賀の里や甲賀の里が近くて、よく遊びに行っていて。小さいころからアスレチックに行くことを“修行に行く”と言っていたくらい(笑)。でも、この職業は本当に忍者になれる可能性があるのが魅力。いつか絶対、この夢を叶えたいです!!」

 実は、アレが大の苦手!

「虫が本当に無理なんです……。子どものころは好きだったんですが、漫画『GTO』で虫の足をちぎる描写に、効果音で“キュラキュラ”って書いてあったのを見て、“キュラキュラって何だ!?”ってなって。それ以降、虫を見るとキュラキュラしているようにしか見えなくなりました(笑)」

(c)目黒あむ/集英社 (c)2018『honey』製作委員会

<出演情報>
『honey』3月31日(土)公開