1月31日にジャニーズ事務所がウェブ媒体における写真掲載を許可、いわゆる“ネット解禁”に踏み切ってから2か月が経過した。
当初は“常識を覆す重大発表”“歴史的改革”と、大事件のように扱われたが、実際のところ何が変わったのか。
「これまでもジャニーズは、“アナログ”から徐々にデジタル化を進めてきました。事務面では、各コンサートでのデジタルチケット導入や、ファンクラブ入会も限定的ながらウェブでできるようになりました。そして営業面においてもネット事業を推進してきました」(スポーツ紙記者)
近年では、ジャニーズタレントが出演する各番組HPでの写真使用が緩和されてきた。昨年11月にはジャニーズWESTがネット配信ドラマに出演し、3月21日には動画配信サイト『YouTube』で『ジャニーズJr.チャンネル』がスタート。チャンネル登録数はすでに20万件を超える人気コンテンツとなっている。
そんな中での“改革”だったのだが、いまだ解禁されていないウェブ媒体もある。
「ジャニーズを表紙に起用するテレビ誌やアイドル誌、映画誌やファッション誌などは、今なお不自然な白抜き、またイラストで代用されたまま。
解禁はあくまでも新聞や雑誌などの報道目的のみで、商業誌では肖像権に触れるということなのでしょう。これを認めていないのはいまだにジャニーズだけです」(ネットニュース編集者)
また舞台やコンサートでも、いわゆる“絵作り”写真以外はネット解禁されていない。こんな事情もある。
ネットから“落とせばいい”
「4月に嵐ら所属グループのコンサートシーンを1冊にまとめたオールスター写真集をジャニーズショップ限定で発売するように、そもそも写真はジャニーズにとって大きな収入源になっているのです。
販売されている1枚160円(税込み)の生写真を、ファンは数枚から数十枚まとめて買っていくわけで、全面解禁を認めると生写真を買わなくてもネットから“落とせばいいか”となってしまう恐れがあるんですね」(芸能プロ関係者)
そうでなくとも“海賊版”写真があふれている現状がある。いまだにオンラインでダウンロード購入できないのも、そんな“流出”を懸念してのことなのだろう。
現在、春休み期間中ということもあり、遠方からも多くのファンが訪れるジャニーズショップ原宿店は、入店制限がかけられるほどの繁盛ぶり。
「担当するタレントの新写真が発売されるたびに、ジャニショに来る熱心なファンも多いですよ。“ネットで買いたい”とか“時代遅れ”って声も聞くけども、やっぱりココに来るとワクワクします。変わらないところは変わらなくてもいいんじゃないかな」(20代女性)
一方で昨年9月にジャニーズを独立後、『新しい地図』を立ち上げた元SMAPの香取慎吾、稲垣吾郎、草なぎ剛。SNSツールやネットコンテンツ駆使して活動の場を広げる彼らだが、現在、帝国ホテルプラザに出演映画のコラボショップを限定オープンさせている。
かつて10年間、『SMAP SHOP』でファンの足を運ばせてきた彼ら。何かとくらべられがちではあるが、“ワクワクする”場所を提供するエンターテイメントの原点は双方同じなのかもしれない。