舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」、通称“生イケ対談”連載。
第32回は平田裕一郎さんが牧田哲也さんを指名! 『週刊女性』本誌(2018年5月1日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。
マッキーの家族旅行に
参加したことがあります
――ミュージカル『テニスの王子様』(テニミュ)で共演以来の大親友というおふたりですが、11年の長い交流の中で、プライベートの印象深い出来事は?
平田 マッキーの家族旅行に参加したことがあります。
牧田 ハハハ。正月のね。
平田 僕がちょうど舞台中で、年末年始は3日しか休みがなくて。長崎の実家にも帰れないし、友達もみんな実家に帰っちゃたりして、東京に知り合いが誰もいなくて。
牧田 で、「マッキー、年末年始何するの?」って聞かれて。僕は姉の家族と両親と伊東に温泉旅行に行くことになってたので、そう話したら「僕も行っていい?」って言うから、嘘だろって。
平田 アハハハハハ!
牧田 普通、友達の家族と旅行なんて恥ずかしいっていうか、僕はまず、そんなすぐに飛び込めないから。それでも、親に聞いたら「いいよ」って。まあ、それまでに裕一郎と仲がいいことは話していたので。
――温泉旅行はどうでした?
平田 めっちゃ楽しかったです。露天風呂に一緒に入って、おいしいご飯を食べさせてもらって。マッキーのお父さんがすっごい可愛がってくれて。
牧田 そのとき、たまたま色違いのカウチンニットの派手なジャケットを着てて。
平田 アハハハハ! そうだ。マッキーが緑で僕がオレンジ。
牧田 僕がその前の年に買ったのを、裕一郎が気に入って、翌年のモデルを買ったんですよ。それでペアルックみたいになっちゃって。なおかつ最初は意外に人見知りな裕一郎が、常に僕のそばにいるから、親に友達じゃなくて、恋人だと思われてるんじゃないかって(笑)。
平田 それ着て三島神社に初詣で行ってね。
牧田 お揃いで行きましたよ(笑)。
平田 あの旅は印象深いね。あとは去年、マッキーが長崎の僕の実家に来て。
牧田 お盆過ぎに、僕が長崎でドラマの撮影があったんですよ。それでちょうどいい機会だから、母方の祖母のお墓参りに行きたいと思って、延泊することにして。そうしたら、裕一郎も実家に帰るっていうので。
平田 僕は休みだったので、マッキーに合わせて帰ろうかなって。
――平田さんのご実家はいかがでした?
牧田 大家族の番組あるじゃないですか。そんなにぎやかな感じでした。
平田 ハハハハ。姉の娘が4人いるんで。
牧田 4人姉妹と裕一郎は友達みたいな感じだから、「ユウやめて~」とか言って、めっちゃケンカしたりするんですよ。でも、裕一郎はここで育ったんだな~って思いました。
平田 アハハハハ!
牧田 自由でなんか雑な感じというか。だって、僕が実家に来てるのに、裕一郎は勝手に寝だしたりするし。まったく気を使わないですから。
一緒に住んでいたら
仲が悪くなってたかもしれない
――本当に家族みたいですね。まったく気を使わない、何でも話せる関係?
平田 僕はけっこう丸裸かもしれないですね。でも、マッキーはあんまり自分のことを話さないですからね。
牧田 いや、何でも話してますよ。他に話す人がいないから、ぜんぜん話しているほうだと思う。1回、一緒に暮らすかって話があったよね。
平田 あったあった。
牧田 結局住まなかったけど。僕、もし一緒に住んでたら、仲が悪くなっていたかもしれないって、思うんだよね~。
平田 ああ~、そうね~。僕、相当だらしないんで(笑)。
牧田 生活したら嫌なところが目につくから、例えば洗濯物も、「なんで靴下裏返しで入れたんだ」とか、そういう夫婦じゃないですけど、なんかそういう些細なことでもめてたと思う。
平田 ああ~。マッキーは几帳面だからね。
牧田 僕もそんなにきれいなほうじゃないですけど。こいつは部屋汚いです!
平田 脱いだ服をポイポイポイって置いていく感じなので。
――今はどのくらいの頻度で会ってるんですか?
平田 会うときはめっちゃ会うよね。
牧田 うん。ひと月会わないってことは、なかなかない。
平田 多いときは週3くらいメシ食ってるよね。でも、マッキーから連絡来ることはなかなかないですけどね。よっぽどじゃないと連絡くれないんですよ(笑)。
牧田 自分からあんまりしないから、その中では、裕一郎には連絡してるほうだと思うけど。だから周りの人には、“マッキーは裕一郎しか誘わないんだ”って思われてるんじゃないかなっていう。
平田 アハハハハ! 僕は、めっちゃ誘います。1人でご飯食べたくないんで。夕方くらいにお腹空いて、“やっべ~今日、酒飲みたい”って思ったときは、稽古(けいこ)中からもう飲みモードに入ってるから、携帯開いてマッキーにまず「今日何してるの?」って連絡する。「予定ある」って返ってきたら、とりあえず地元連絡網みたいなところにバ~って餌投げて、ひっかかるまで待ちます(笑)。
すぐ誰かと暮らせる派と
独身こじらせ派
――30代になって、話すようになった話題はありますか? 結婚についてとか?
牧田 しますね。周りもやっぱり結婚していきますし。
平田 「どうしたら結婚できるんだろうね」みたいな話にはなりますけどね。「タイミングって何なんだろう」とか、「結婚して、食っていけるのかな」とか。
――どちらが先に結婚すると思います?
平田 僕じゃないですかね(笑)。
牧田 と、見せかけて僕じゃないですかね、そんな気がしますけど(笑)。意外と裕一郎は遅いんじゃないかなと。でもわかんない、僕もこじらせてるから。
平田 アハハハハ!
――独身こじらせています?
平田 僕は、こじらせてはないですよ。
牧田 たぶん、僕はこじらせてます。ひとり暮らしが長いと、家の中の自分の細かいルーティンみたいなのがあるので、そこにあんまり人に入ってほしくない……みたいな。『アメトーーク!』の独身こじらせ芸人を見てたら、“わ~、めっちゃ僕、これ当てはまる”って思いましたもん。
平田 ハハハ。僕はルーティンとかないですからね。誰かといたい人だから、すぐ一緒に暮らすのも、ぜんぜん平気なタイプ。
――お互いの奥さんになるような存在の女性は、気になりますか?
平田 いや、絶対に会いますよ。一緒に遊んだりはしますね。僕は、けっこう見定めちゃうかもしれない。
牧田 うん。お互い紹介したりしますね。いの一番で。
――最後に改めて、お互いはどんな存在ですか?
平田 親友だし家族でもあるけど、なんだろう……いなくなったら困る存在?
牧田 それこそ、よく言うんですけど「空気じゃない?」って。そういうものかもしれないですね。だからなくなった瞬間に“ああ~息苦しい”ってなるけど、普段はいるのが当たり前だから。
平田 うん。もう付き合いがホントに長いですからね。
牧田 僕からも、ときどきメシに行きたくなって、誘ったりするんですけど、裕一郎は海外公演で1か月くらいいなくなったりするんで。“連絡とれない”って思った瞬間に、息苦しく感じるっていうか。“ああ、いないんだっけ”って。
平田 もう空気とか家族とか、そこにあるものですね。
スペシャルQ&A【平田裕一郎編】
――牧田さんには言ってないけど、感謝していることは?
平田 やっぱり、どんなときでも一緒にいてくれることです。マッキーがいなかったら、今どうなっていたか、ちょっとわからないですね。
僕は上京して1年間、板前をやっていて、初めて受けたのが『テニミュ』のオーディションだったんですけど。周りの子たちは、戦隊のオーディションとかでみんな顔見知りだから、事務所にも入っていない自分だけが、ひとりでポツンってなっていて。そんな状況の中、最終で同じ桃城武役で僕とマッキーの2人が残ったんです。そこで、いきなり読んだこともない台本を渡されて、違う役をやってみてと言われて。“え?? わー、どうしよう”ってなってるときに、ライバルなのに「落ち着いてやればいいから」って話しかけてくれたことは感謝してますね。
そこから、もうずーっと一緒にいるから、11年くらいの付き合いです。ホントに兄弟というか、地元の友達って感じですね。しかも、同じ仕事をして苦楽を共にしてる人っていうのは、なかなかいないので。僕が芝居で追い込まれているときも、そばにいて話を聞いてくれたし、本当に大切な人です。
――牧田さんに直してほしいところは?
平田 頑固っすね。そこぐらいかな(笑)。でもそこが好きなんですけど、固い。もっと人生楽に生きればいいのにって、思ったりします。芝居とかでも、“ここ、そんなに考えなくてもいいのに”ってくらい考えていたりするから。逆に、「お前、もっとしっかりしろよ」って怒られることもあるんですけど。実のお兄ちゃんみたいに、僕がすごく甘え切ってるから。
――牧田さんのトリセツを教えてください!
平田 悪気はないけど、けっこうズバッと言ったりするところがあるんですよ。それは、別に嫌いだから言ってるわけじゃなくて、悪気なく言っちゃう感じで。例えば、待ち合わせしてて、いきなり「その服、違くない?」とか(笑)。無意識でそっけない感じのときもあるし。だからそう感じることがあっても、そんなに気にしなくていいと思います。あと、朝はちょっと弱いかもしれないですね。目覚まし1回じゃ起きない。5分刻みに鳴らしても、何回も止めて寝ちゃうので、朝早い時間に約束するときは、要注意です。
スペシャルQ&A【牧田哲也編】
――平田さんには言ってないけど、感謝していることは?
牧田 僕は、自分からあんまり踏み込まないタイプなので、誰かにこれだけ踏み込まれることってなかなかないというか。だから、ここまで踏み込んでくれてありがとう、ですね。いやホントに、家族以上の存在になってるんで。家族みたいな、近しい血縁のような存在でもあり、家族にあんまり話せないような恋愛の話も仕事の悩みも、遠慮なく何でも言える。裕一郎に会うまで、そういう人間っていなかったから。隠しているつもりじゃないけど、言えないことってたくさんあったりするんですけど、彼に対してはそれがまったくないので、この世の中に生まれてくれたのは感謝ですね。親友と呼べる人ってなかなかいないから。
――平田さんに直してほしいところは?
牧田 めちゃめちゃありますけど(笑)、一番は……よくご飯行くんですけど、必ず「マッキー、何食いたい?」って聞いてくれるんですよ。でも裕一郎の中で、食べたいものが、だいたい3つくらい頭にあるんですよ。それなのに、僕に「何食いたい?」って言ってくる。で、その3つの中に当てはまらないものを言うと。「これ食いたくない?」って、僕が食べたいものには合わせてこないんですよ。だから「最初から決まってるんだから、それを言えよ」って(笑)。結局、譲らないんだから、僕に食べたいものを聞くだけの気遣いはやめてほしい(笑)。
――平田さんのトリセツを教えてください!
牧田 カキさえあれば大丈夫。とにかく貝が好きで、その中でも「カキ、カキ」ってずっと言ってますよ(笑)。たぶん平田ファンはみんなそれを知ってると思います。あとは、飲みに行ったときに、帰りたいオーラを出し始めたら、帰らせてあげてください(笑)。もうめっちゃ出すんですよ、オーラを。一旦、家に帰りたいモードになったら、絶対に復活しない。人がすごく好きだし、飲むのも好きだし、家でじっとしてるのが苦手なくせに、夜、家に帰りたくなったら、即刻帰るんです。もう、いろんな意味で奔放に生きてると思いますよ。
<プロフィール>
ひらた・ゆういちろう◎1986年4月27日、長崎県出身。AB型。’07年ミュージカル『テニスの王子様』1stシーズンで俳優デビュー。以降、舞台、ドラマなどで活躍。主な出演作品は、舞台『私のホストちゃん』『錆色のアーマ』『遠い夏のゴッホ』『トンマッコルへようこそ』など。今後は、ミュージカル「陰陽師」~平安絵巻~(北京公演:4月20日~4月22日)出演。
まきた・てつや◎1984年6月7日、愛知県出身。B型。近年の主な出演作はTBSドラマ『はぐれ署長の殺人急行3』、『リバース』、テレビ東京ドラマスペシャル『巨悪は眠らせない 特捜検事の逆襲』、舞台『僕を縛れ』、『虚仮威』など。劇団「柿喰う客」の劇団員としても活躍中。今後は、『舞台「黒子のバスケ」IGNITE-ZONE』(東京公演:~4月22日@サンシャイン劇場/大阪公演:5月1日~5月6日@森ノ宮ピロティホール/東京凱旋:5月11日~5月13日@日本青年館大ホール)出演。
(取材・文/井ノ口裕子 撮影/伊藤和幸 ヘアメイク/平山直樹)