佐藤健 撮影/廣瀬靖士

「職業柄、“これが実写化されたら”と考えながら漫画や小説は読みます。どんなものでもイメージしながら見ちゃうんですよね。現時点で狙ってる役ですか? ……ありますけど、それは秘密です(笑)」

 20日より公開される映画『いぬやしき』で、大量殺人を行う高校生・獅子神皓を演じた佐藤健(29)。悪役に挑戦するのは、今作が初めて。作品ごとに雰囲気を変え違った姿で楽しませてくれる彼だが、いつ、どこで取材をしても対応は変わらず、“常にフラット”という言葉がピッタリ。

 そんな佐藤健の近況について聞いてみた。

――3月21日で29歳に! 20代最後の年ですね。

「あんまりなりたくなかったですね(笑)。正直もうちょっと20代を楽しみたかったです。もちろん楽しかったですが、“まだ20代でいたかった”と思う気持ちもあります」

――20代のうちにやりたいことは?

「とにかく作品。映画でも、ドラマでも、とにかく多くの作品をやりたいです」

――『いぬやしき』では、皓の冷酷な瞳が印象的でした。

「僕も映画を見るときは人の目に注目することが多いですし、映画において目の存在感や表現は、すごく大切だと思っています。でも、それはあくまで“結果論”だとも思っていて。その役の心を作っていったうえでのアウトプットがそうなった、そういう目になったってこと。なので、そう言ってもらえるのは素直にうれしいです」

――健さんはいつも冷静で、相手の心を読むのが得意なイメージがあります!

「得意ではないけど、この人は何を考えてるんだろう? っていうのは表情を見て考えちゃうタイプではあるかもしれないですね」

――心理戦とか強そうですね。

「相変わらず、人狼ゲームとか頭を使う系のゲームは好きです」

――放送中の朝ドラ『半分、青い。』にも、現在出演されていますが。

「最近はその撮影がメインの生活です。現場は楽しいですし、和気あいあいとやってます」

――同時に複数の作品と関わることも多いと思いますが、頭の中が混乱してしまうことはないですか?

「与えられた役について考える時間が直接役作りになると思うし、作品ごとに現場でその役と100%向き合う。特別に意識して切り替えて、ということはしないので、自然とそういうことが身についたんだと思います」

――日常生活の中で“演技力を発揮してしまう瞬間”はありますか?

「面白い質問ですね。それこそ、人狼ゲームとか。発揮できてるかはわからないけど、芝居はします(笑)」

――健さんがドキドキする瞬間は、どんなときですか?

「なんでしょう……怖い動画を見たときかな」

――怖い動画! 意外!

「心霊系、けっこう好きです。好きだけど怖い、でも見ちゃうって感じです(笑)」

――では逆に、リラックスできる瞬間は?

「お風呂に入ることや、おいしいものを食べているときですね」

――最近食べて、おいしい! って感動したものは?

「お鍋。魚とかけっこう好きなんですけど、この間はクエってお魚の鍋を食べました。ハマグリとか、そういうダシがきいた鍋が好きです」

――今、自身を癒してくれる存在は?

「最近、部屋に置く植物を買いました。水やりは週に1回くらいでいいんですけど、なんか愛着がわいて。生きてるんだな、可愛いなって思います(笑)」

<出演情報>
映画『いぬやしき』4月20日(金)全国ロードショー
 墜落事故に巻き込まれ驚異の力を手に入れた初老のサラリーマン・犬屋敷壱郎(木梨憲武)が、同じ力を使って欲望のままに人を傷つけていく大量殺人鬼・獅子神皓(佐藤健)の暴走を止めるために立ち上がる――。