「小学校周辺の住民はほとんど新聞やテレビの報道で知っていますね。子どもを守るべき立場の校長先生が、盗撮なんて信じられないですよ」
と小学校の近所の主婦は開いた口がふさがらないといった様子だったが……。
「でも、制服も私服も、いまどきの女子中・高生は見えてもいいような黒いパンツをはいているでしょう? 盗撮しても意味ないのにねぇ」
と首を傾げた。
そんな犯行が4月10日の午後8時ごろ、東京都板橋区のスーパーで起こった。買い物をしていた女子高生のスカートの下に中年男が足を差し入れるような不審な行為を、一緒にいた母親が目撃。すぐさま110番通報した。
駆けつけた警視庁高島平署員が男を調べると、靴の中には小型の隠しカメラが仕込まれていて、盗撮したような画像も確認。翌日、都迷惑防止条例違反の疑いで逮捕した。
逮捕されたのは埼玉県志木市立宗岡第三小学校の校長・伊東孝泰容疑者(58)。4月1日付で同校に着任したばかりで、入学式を終えた直後の犯行だった。
3月までは近隣の小学校の校長で、前任校で卒業証書を手渡されたばかりという中1の男子生徒は、「ニュースで校長先生がエッチすぎることをやったって知った。フツーに優しい先生だったのに……」と話す。
同県和光市にある容疑者宅周辺の評判もすこぶるいい。
「温厚でまじめな方です。奥さまも教師で、成人した娘さんが2人います。旅行や買い物など出かけるときはいつも家族4人一緒で仲がいい」
と近所の主婦。
容疑者は早朝6時半ごろ出勤し、帰宅は午後9時過ぎ。朝は必ず、ワイシャツにネームプレートを下げた姿でゴミ出しをしていたという。
だが、近所の男性からは、次のような疑惑の声も。
「犯行は仕事のストレスからかもしれない。だけど、あらかじめ仕込んだ隠しカメラじゃ、単に魔が差したではすまされない計画的犯行だよね」
それにしても、学校のトップがいなくなり、現場はさぞかし混乱しているだろう。
「日常の教務などは誠実に行っていた校長だったんですけどね……。13日に保護者へ説明し、16日には生徒へ説明を行ったばかり。新しい校長は着任していませんので、現在は教頭が対応しています」(志木市教育委員会)
教職員としての処分については、事実関係を確認したのち、県の教育委員会に報告して決めることになるという。
「退職まで2年もないのに、なぜ晩節を汚すようなことをって思います。本人よりも、家族がかわいそう。娘さんは年ごろなので、いずれ結婚されるときに支障が出るかもしれないじゃないですか」(前出・近所の主婦)
容疑者の在宅中に自宅を直撃した。インターホンを3度鳴らしても応答がなかったため、電話をかけると、出たのは奥さんだった。
ご主人に話を聞きたい、と取材を申し込むと、
「大変申し訳ありませんが、お断りします。すいません」
とガチャン。
つらい状況は百も承知。だが、校長という責任ある立場だけに、被害者や生徒、保護者に向けて、謝罪の言葉が欲しかった。