『フライデー』(5月4日号)の表紙に踊った『錦戸亮が瑛太にボコボコに殴られた午前2時』という衝撃的なタイトル。
同誌によると、都内の会員制ラウンジで、泥酔した瑛太が『関ジャニ∞』錦戸亮に馬乗りになって、少なくとも数発以上殴り続けたという。
「事件化されていないこともあって、スポーツ紙やワイドショーなどで扱うところはありませんでしたが、記事を読んだ芸能関係者で“またか”と思った人は多いでしょう」(芸能プロ関係者)
というのも、瑛太は'09年9月、都内のカラオケボックスで店員を殴り、
「パトカーも出動する事態となりました。被害者が被害届を出していたため警察の事情聴取を受けたようですが、示談が成立したため、事件にはならなかったようです」(ワイドショースタッフ)
酒癖の悪さは芸能界で有名
結局“暴行事件”を報じたのは『週刊新潮』一誌だけだった。だが、
「彼の酒癖の悪さは、芸能界では有名で、表に出ていない話はまだあるといいます。大きな事件を起こさなければいいが、と心配する人は多いですよ」(前出・芸能プロ関係者)
芸能界の歴史の中で、暴行事件は多々あるが、もっとも記憶に残っているのは“たけし軍団フライデー襲撃事件”。ただ、これは一度に複数の人間が起こした事件で、その背景がほかの事件と若干異なるので、ここでは触れないことにする。
タクシー運転手を暴行して逮捕
酔っぱらって、事件を起こしたといえば、木村一八。'88年11月、俳優として人気も出てきた矢先のことである。タクシー運転手に暴行し傷害容疑で逮捕された。
「木村は遊び仲間と飲酒後、六本木の路上でタクシーを止めようとしたが、乗車拒否され立腹。後続のタクシーに八つ当たりして車体を蹴飛ばし、運転手を引きずり出して、殴る蹴るの暴行を加えました。
運転手は脳挫傷で意識不明の重体となり、その後、木村は少年院に送致されました。結果、芸能活動を停止し、復帰するまでに10年以上かかっています」(スポーツ紙記者)
'11年8月に芸能界を引退した島田紳助が起こしたのが、女性マネージャー暴行事件。
「'04年の10月でした。大阪のテレビ局の社内で、同じ吉本に所属する女性マネージャーの態度に激怒、自分の控室に連れ込んで、拳や物で殴り、髪をつかんで壁に打ち付けるなど暴行を加えました。女性は全治1週間のケガを負いました」(ワイドショースタッフ)
事件後、島田はテレビ出演を控えていたが、翌年年明けに復帰。
「マネージャーの態度が悪かったとはいえ、五十過ぎの男が女性に暴力を振るったということで、イメージはガタ落ちでした。その後、ある雑誌が行ったアンケート『嫌いな芸人ランキング』では1位になりましたからね」(前出・スポーツ紙記者)
復帰後は謹慎前にも増す活躍ぶりであったが、'09年、バラエテイ番組の生放送中に若手芸人を恫喝する姿が映し出され、
「また、バッシングを浴び、嫌われ度が増しました。彼の暴力的な性格が浮き彫りとなり、ファン離れも起きたところに、暴力団との関係が露見しましたから、擁護する人は少なかったですね」
前代未聞と言えるのは、'16年6月に名古屋のご当地タレント・宮地佑紀生が起こした事件。
生放送中に暴行が行われた
「宮地がMCを務めるラジオ番組の生放送中に、向いに座っているアシスタントの女性の脚を蹴り、マイクで殴り10日間のけがを負わせました。
生放送中であったため、アシスタントの“えっ、なに”という声やマイクがぶつかる“ボン”という音が流れ、リスナーの間で大騒ぎになりました。彼が酔っぱらっていたわけでもなく、原因は明らかになっていません」(名古屋のラジオ局関係者)
これ以外にも、ミュージシャンや女性セレブタレントが起こした事件など枚挙にいとまがない。つい最近も遠藤要の暴行事件が報じられている。
「暴行の程度、事件の大きさにもよりますが、相手が一般人かそうでないかでも異なりますが、たいていは謹慎処分を受け、活動停止になることが多いです。重い処分になると、契約解除もあります。
仕事への影響も事件によって異なりますがミュージシャン、アーティスト、芸人は影響が少ないと言えますね。反対にCM出演などもある役者やタレントは影響が大きく、後を引きやすいですね。
正義の“暴力”じゃないですから、その人の人間性が明るみに出てしまいファンも周りの人たちも離れてしまいますから」(前出・芸能プロ関係者)
今のところ、瑛太には何も影響がないように見えるが……。
“暴力”は数多(あまた)の人間が忌み嫌う行為である。そして事件を起こせば、場合によっては仕事を失い、人生を棒に振ることになる可能性も大きい。
老婆心ながら、お酒も短気もほどほどに。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。