「何よりもまず、エテリ・トゥトベリーゼ先生、そしてすべてのコーチに感謝をしています。貴重で実り多いトレーニングや、並はずれた辛抱強さで私を見守ってくださり、ありがとうございました」
7日にロシアのスケート連盟を通じてコメントを発表したのはエフゲニア・メドベージェワ。長年師事したコーチのもとを離れる決心をした。
「平昌五輪では、女子シングルと団体で銀メダルを獲得。金メダルこそ逃しましたが、現時点でのSPとフリーの総合得点は世界歴代1位です。今でも十分強い彼女ですが、環境を変えて高みを目指したいという理由から、活動拠点を変えるそうです」(スポーツ紙記者)
彼女が次の拠点に選んだのは、絶対王者の羽生結弦が所属するカナダの『クリケットクラブ』。ブライアン・オーサーコーチに師事するという。
「五輪直後のシーズンは、次の五輪に向けて練習環境が変わるというのはよくあることです。しかし、ロシアの選手が国外のコーチに師事するのは極めて異例。国外のコーチに師事する際には国籍の変更が通例であるほど、ロシアでは国内選手の囲い込みが激しいのです。
特にロシアの女子選手は若い選手が台頭しており、熟練の選手は少ない状況。メドベージェワ選手も先を見据えて、従来の練習法を打開するための決断だったのでは」(スポーツライター)
彼女はなぜ、カナダを練習拠点に選んだのか。その一因には、やはり羽生がいるということが挙げられる。
「連覇という快挙を成し遂げた実績は大きいです。羽生選手のようなトップレベルで戦う選手が身近にいると、ジャンプの跳び方や表現方法などを練習中から“教材”として見ることができるのです」(スケート連盟関係者)
今シーズンのルール改正に向けて、演技の完成度の向上は得点増の必要条件になった。
「出来栄え点の加点・減点が細分化され、より質の高い技が求められます。羽生選手は現行ルールで満額の加点がつく選手。これはメドベージェワ選手も同じです。より質を上げれば5点の加点をつけられます」(同・スケート連盟関係者)
パーフェクトな演技をたたき込むための環境も整っている。
「クリケットクラブでは、“チーム・ブライアン”と呼ばれるコーチ集団が指導します。スピン担当、ジャンプ担当、スケーティング担当……というように細分化されており、それぞれをプロフェッショナルから学ぶことができます」(前出・スポーツライター)
表現力が高いことで知られるメドベージェワの、新たな姿も見ることができる。
「ロシアではコーチの一存で選曲と振り付けを決めるのですが、オーサーコーチのもとでは自主性を重んじます。メドベージェワ選手が本当にやりたいことができるでしょう」(前出・スケート連盟関係者)
'22年の北京五輪では羽生&メドベージェワの“アベック金メダル”が見られるかも!