6月9日、10日に大阪公演、6月30日、7月1日に東京公演の開催を控えているイベント『嵐のワクワク学校2018』。'11年の東日本大震災をきっかけにスタートした同イベントは、今年で8回目の“開校”を迎える。
「今やすっかり“復興色”は薄くなりましたが、嵐に直に会える数少ない機会としてチケットは毎年争奪戦。
また'15年からはHey!Say!JUMP、'16年にジャニーズWEST、'17年にはSexyZone('18年も“登校”決定)ら後輩グループの出演により、さらに“入学”希望者が増えていったのです」(アイドル誌編集者)
近年では二宮和也と伊藤綾子アナの半同棲愛など、メンバーの熱愛スキャンダルが相次いでいるが、ファンクラブ会員数が200万人とも言われる大所帯だけに、それでも公式発売されたチケットは即完売する。
「その200万人の実態は純粋なファンだけでなく、コンサートチケットを購入するためだけに加入している人も含まれての数字でしょう。
目的は正規以上の価格で他者に売る“転売”。インターネットが普及した今、いわゆる“ダフ屋”行為は個人、素人が小遣い稼ぎ感覚で行っています。一方で何が何でも見たいファンは、禁止事項にもかかわらず転売チケットに手を出してしまう」(広告代理店関係者)
そんなファン心理につけこんで、『ワクワク学校』も商売道具にされてきた。インターネットオークションや各掲示板サイトにはチケットが大量に流出し、過去には1枚5万円(定価5000円)、ペアで10万円と10倍近い価格で取引されたことも。
“転売”の温床のひとつとなっていたのが、大規模な売買市場サービスを展開していた『チケットキャンプ』。ジャニーズアイドルのほか各アーティストのライブ、コンサートのチケットが常時出品、取引されていたのだった。
とくにジャニーズは定価以上で販売されることがスタンダードな人気商品で、また販売価格に見合った手数料を得ることでサイト運営会社は潤う仕組みとなっていた。
ところが昨年12月、かねてより問題視されていた高額転売などに対して捜査の“メス”が入り、同サイトは5月31日での閉鎖が決定したのだった。
全チケットの取引・利用サービが終了
「困ったのが、これまで“チケキャン”で容易に転売することができた売り手です。大規模な市場を失ったいま、代わりとなる各掲示板やオークション、はたまたSNSを利用してファンにチケット当選権の売買を持ち掛けています。
とくにツイッターなどSNSでの売買は活発になっていますが、代金だけを受け取って音信不通になる“詐欺”行為も出てきているようなので、手を出さないほうが無難でしょう」(イベントPR会社関係者)
また、ほかのオークションサイトなどを見て回ると、多数のチケットが出品されているものの、入札件数や販売者へのレスポンスは以前よりも少なくなっている印象だ。取引価格もおよそ2倍程度に落ち込み、売り手側のチケットは過剰に余っているように見える。
「労力に見合った対価が得られなくなれば、チケット転売はなくなるはずです。ひいきのアイドルを生で見たい気持ちはわかりますが、正規ルート以外では購入しないのが転売撲滅への一番の近道です。
仮に今回の『ワクワク学校』会場に“欠席者”が多数出たとしても、それはファンのマナー向上と“買わない”意志表示の表れではないでしょうか」(同・イベントPR会社関係者)
本当にコンサートに参加したいファンが正当にチケットを入手できる。その環境を作るのは、コンサート事務局であり、またファン自身の役目なのかもしれない。