《両陛下としてあれ程までにお守りになろうとされた眞子さまや秋篠宮両殿下の周辺で、静かな熟考のために保たれるべき環境に思いも寄らない様々な雑音が立てられていることを驚き、悲しんでおられ、陛下もまたそのことに深くお心を痛めておられます》
5月25日、「眞子内親王殿下に関する最近の週刊誌報道について」というタイトルの文書が、宮内庁のホームページ上に掲載された。
「眞子さまと婚約者・小室圭さんの結婚延期が発表されたあと、美智子さまのお考えを推測したいくつかの週刊誌記事に対する“抗議文”です。
これまで両陛下はこの件に関しての“雑音”を消すため、いっさい発言をしておられないという趣旨の内容でした」(皇室担当記者)
以前から、皇室関連の記事内容に事実と異なる記載があると、そのつど掲載されてきた訂正文書。しかし今回は、美智子さまのとある「お気持ち」が込められていたという。
「眞子さまのご結婚延期から約4か月たった現在も、この件に関する週刊誌記事はあとを絶ちません。これらの記事を極力抑えるためにも、“お気持ち”を記した文書を発表されたのだと思います。
美智子さまは、眞子さまを初孫として可愛がられていたので、延期騒動のほとぼりが冷めた再来年に、おふたりが結婚される“布石”を作られたのではないでしょうか」
眞子さまを守る美智子さまのお気持ち
そう話すのは、皇室を長年取材するジャーナリストで文化学園大学客員教授の渡邉みどりさん。
「今から20年以上前、昭和天皇が愛されていた皇居内の自然林を、美智子さまがすべて刈るように指示をしたという誤報記事のせいで、『失声症』になられたときのことも今回の文書には盛り込まれていました。
“トラウマ”とも思える過去の出来事までも記載されていることから、メディアから眞子さまを守る美智子さまの強いお気持ちがにじみ出ていると感じましたね」(渡邉さん)
皇后さまからの“異例”ともいえる文書が公表されたものの、眞子さまのご結婚問題はいまだ進展がみられない。
秋篠宮ご夫妻も、小室さん親子に対して、不安を感じていらっしゃるそうだ。
「結婚延期の原因とみられる圭さんの母親・佳代さん(51)が抱える400万円超の借金が公になったあと、“借金を皇室でサポートしてくれないか”という佳代さんからの申し出に、紀子さま(51)は大変驚かれたのです」(秋篠宮家関係者)
一方で、父である秋篠宮さま(52)は、小室家に対する信頼は揺らいだものの、眞子さまの意思を尊重されるスタンスだと言われている。
「借金トラブルの記事が出て間もないころ、圭さんが“この件はまったく知らなかった”と弁明しました。しかし、大学の授業料や留学費用などもこの借金から捻出されていたのに知らないことはありえず、秋篠宮さまの中に圭さんへの疑念が生まれたそうです。
ただ、眞子さまの意思を尊重する方針とのことで、現在は小室家に関する報道のほとぼりが冷めるのを待ち、最終的には結婚させる姿勢だと聞いています」(同・秋篠宮家関係者)
秋篠宮家が結婚の道筋を立てているとしても、国民は黙っていられないだろう。
インターネット上では、再来年まで圭さんにかかる“税金”についての批判が巻き起こっていると話すのは、ITジャーナリストの坂本翔さん。
「現在もネット上では、小室さんの自宅前に24時間態勢で警備する警察官、圭さんが外出する際に警護するSP、さらには結婚時に支払われる1億数千万円にのぼる一時金に対する批判の声が、かなり多い状況に見えます。
これらはすべて税金でまかなわれており、一時金を圭さんの母親・佳代さんが抱えている借金の返済に充てられるのではという疑念もぬぐえないからでしょう」
一部では圭さんにかかる警備費用だけで月に数百万円とされ、再来年の結婚までに1億円以上の税金が注ぎ込まれることから、国民の理解は得られづらいというのだ。
「結婚延期の決定後に囁かれていた“破談”も、現実的には難しいでしょう。
あくまで可能性の話ですが、おふたりが破局を迎えたあと、小室家サイドから眞子さまや皇室に関わる情報が、第三者に漏れることが100%ないとは言い切れないからです」(皇室ジャーナリスト)
結婚とも破談とも決定しづらい案件なだけに、悩ましい状況が続いているようだ。
さらに、宮内庁ОBで皇室ジャーナリストの山下晋司さんは、一時金の額を決定する『皇室経済会議』にも影響を及ぼすと話す。
「現状のままでは、皇室経済会議で一時金の額を決定しづらいと思います。この会議には皇室会議と違い、皇族と最高裁関係がおらず、立法と行政の8人です。
うち6人は国会議員ですが、結婚に批判的な国民が多いと感じれば、特に国民感情を意識する国会議員としては悩むでしょう。前例に照らし、上限額の9割や10割の一時金と決めれば、批判の矛先が自分たちに向かう可能性もありますからね」
一時金をめぐる「最終手段」とは
戦後以降、皇族方に支払われた一時金は、上限額の9割か規定の満額しか前例がない。今回、前例にはない額に決めてしまうと、現在6人いる未婚の女性皇族方が結婚されるときにも影響が出てしまう可能性があるのだ。
一時金をめぐっても問題が起こりそうなのだが、前出の山下さんは、こんな「最終手段」を示してくれた。
「皇室経済法では、一時金について“支出するもの”と規定されていますが、上限はあるものの下限の規定はありません。極端にいえば“1円”でも法的には問題ありません。
ただ、国側が“1円”と決定するというのは心情的には難しいでしょう。そういうことは眞子内親王殿下も承知しておられるでしょうから、ご自分から一時金を“辞退”されるという可能性はあるでしょう」
とっておきの“秘策”ともいえる方法だが、これには“おじいさま”からの教えが関係している。
「陛下が常にお考えになっている“行動あってこその象徴”と一緒で、行動によって姿勢を示されるのは皇族にとって大切なことです。もし一時金を辞退されることになれば、小室さんは“お金目当て”ではないということを行動で国民に示すことにはなるでしょうね」(山下さん)
逆境でも愛をつらぬき、国民から祝福される日もそう遠くはないのかもしれない─。