20代にして婚活パーティーに通い、見事パートナーと結ばれたお笑い芸人の横澤夏子。婚活の“勝ち組”とも言える彼女に、自身の奮闘劇を語ってもらった。
「なっちゃんは可愛くないから」
「婚活パーティーに行き始めたのは、21歳のころですね。そこから約5年間で参加したパーティーは、100回を超えていると思います」
芸人として活動しながら“理想の結婚相手”を探すため婚活を続けていた横澤夏子。昨年7月には念願がかない、パーティーで知り合った会社員の“ダイキくん”と入籍を果たした。どうしてそこまで結婚に対してアグレッシブだった?
「私、地元が新潟なんですけど、そこで友達の第一次結婚ブームが21歳のときに来たんですよ。田舎だから早い、というのもあるかもしれませんけど(笑)、高卒で働き始めて職場結婚したり、できちゃった婚したり……」
そこで焦りを感じた彼女に、追い打ちをかけた人がいたという。
「飲み友達の女性の先輩に“なっちゃんは可愛くないから、若さで売り出せる今、ちゃんと婚活をしなきゃダメだよ”と言われて。“出会いがないなんて言ってるのは単なるサボり”って。そこで一念発起して婚活パーティーに通い始めました」
そのときから彼氏ではなく、結婚相手を探すことを念頭に置いていたという横澤。
「結婚を前提にしていれば、手っ取り早くいい人に出会えるかなって(笑)。1日にパーティー3件をはしごしたり。あのときはバイトもしながら吉本やって、パーティーに出席してと、びっしりスケジュールが埋まっていました(笑)」
しかし、当初の目論見どおりにはいかず……。
「1回目から5回目くらいは会場に入るだけでワクワクして。でも、そこを過ぎて慣れてきて、集まった男性を見ながら、“なんで私はこんなところに来なきゃいけないの?”とイライラに変わり(笑)。
20回目を過ぎると、仲介業者のように友達から頼まれて連れて行ったり。80回を超えるともう悟りの境地ですよ。“私、趣味でここに来ていますから”って。
パーティーのパンフレットにね、白馬に乗った王子さまが現れます、と書いてあったんですけど、王子さまどころか白馬もいないし。いま思うと失礼な話ですけど、いるのはみんなロバばかり、なんて思っていましたね(笑)」
「斜め澤さん」と呼ばれて
だが、“運命の出会い”が彼女を待っていた。
「結婚した彼と初めて会ったときは、婚活パーティー慣れしていないな、というのが第一印象。それで、私のことを“斜め澤さん”と呼んできたんです。横じゃなく斜め(笑)。
私的に、ちょうどよくおもしろくないつかみだったので、この人と一緒に飲んだら楽しそう、と思ったのが最初でした」
そこから1年半でゴールイン。幸せをつかんだ彼女に婚活を振り返ってもらうと、
「パーティーに通ったことはムダではなかったと言えます。彼に出会えたのはもちろんだけど、コミュニケーション能力も鍛えられましたし、芸人をやっているだけでは出会えない、おもしろい人、変な人ともたくさん出会えました(笑)。
初対面の人と、1分間でお互いのパーソナルな部分を引き出せるかとか、習い事じゃないですけど、自分磨きにもなりますね。
パーティーには本気半分、楽しみ半分で出席することをおすすめします。“こんなところにいるはずない”とバカにして行くと絶対にいいことないです。だって、お金を払って行ってるんだから、どんなことでも楽しんだほうがいいじゃないですか(笑)」
〈PROFILE〉
横澤夏子
よこさわなつこ ’90年7月20日生まれ。自身の婚活の体験をつづった婚活本(光文社刊)を7月20日に刊行。同日、単独ライブを『ルミネtheよしもと』で開催