毎年恒例の『AKB48選抜総選挙』が迫っている。今回で10回目となるが、今年のタイトルは“世界”の文字が加わり、『第10回AKB48 53rd世界総選抜選挙』となった。
いまAKBグループは本体のAKB48を始め、国内では6グループ。海外にも進出し、現在『JKT48』(インドネシア・ジャカルタ)、『BNK48』(タイ・バンコク)、『TPE48』(台湾・台北)、『MNL48』(フィリピン・マニラ)が活動している。
「今年は『MUM48』(インド・ムンバイ)が始動する予定です。研究生や『坂道グループ』を加えたら、今では400人以上の大所帯になりました」(スポーツ紙記者)
過去に、これほどの規模のアイドルグループは存在したことがない。
コアなファンでなければ、本体の『AKB48』でさえメンバー全員を把握するのは難しくなっている。芸能記者でさえも、グループ全員を把握するのは、もはや不可能と言ってもいい。
そして今年は史上最多の339人が出馬する“大選挙”になるのだが、巷の盛り上がりは今ひとつのような気がする……。
「まず、候補者の中に歴代の女王がいないことがあげられます。3連覇を果たした指原莉乃、AKBの人気を牽引してきた柏木由紀や山本彩も出馬しません。前回2位で、'14年に1位になった渡辺麻友は卒業済みです。
速報ではNGT48の荻野由佳が昨年に続いて1位。松井珠理奈が2位ですが、前出の4人にくらべると玉が小さい気がします」(前出・スポーツ紙記者)
それだけではなさそうだ。
「AKB48が結成されて今年で13年になります。さすがにこれだけ長いと、人気に陰りが出てくるのは否めません。
またジャニーズなどの男性アイドルグループと違い、卒業や新規加入がありますから、人気メンバーが抜けた場合などに勢いがなくなるのは、仕方ありませんね」(芸能プロ関係者)
ブームに永久がないのは世の常。その結果、グループの解散ということもありえるのだが、海外に枝を伸ばし、これだけ巨大化した組織の“解散”は考えられない。
「ブームは充分作ったと思います。AKBはもはや“ブーム”を突き抜けて日本発祥の“文化”になりつつあるといってもいいでしょう。
秋元康さんは過去に『おニャン子クラブ』や『少女隊』『ねずみっ子クラブ』などの女性アイドルグループをプロデュースしましたが、すべてなくなりました。ですから永遠に続くアイドルグループを作ることが秋元さんの狙いだと思います」(テレビ局関係者)
『AKB総選挙』といえば、人気メンバーの卒業or結婚宣言が出たり、毎回何かしらサプライズが用意されていたり、ハプニングが起こる。しかし結果的に、それがニュースになり、人気回復につながることも。そしてファンも“何か”を期待して選挙に臨んでいる。
今年はいったい何が起きるか!『世界』と銘打っているだけに、もしかしたら1位になるのは……。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。