「大迫、半端ないって〜!!」
ロシアで開催されているワールドカップの初戦・コロンビア戦で、決勝ゴールを決めたFW大迫勇也(28)の代名詞となっている「半端ない」が世界に拡散中だ。
応援用の横断幕やTシャツも販売され、英国紙の『ガーディアン』でも「大迫は『すごい』『信じられない』という意味の『hampanai』と表現される」と紹介されている。
東京本社から異例のお達し
すでに今年の『流行語大賞』候補とも言われ出しているトレンドワードでもあるが、そもそも『半端ない』の生みの親は大迫ではない。
2009年の全国高校サッカー選手権で当時、滝川二高の中西隆裕主将が、準々決勝で大迫が在籍する鹿児島城西高に完敗。
試合後にロッカールームで相手校のエースだった大迫を『あいつ半端ないって〜っ!』と技術力の高さを認めつつも泣き笑いで号泣したのだが、その時の強烈な映像がネット上で大流行し、再生回数はトータルで500万回を超える勢いとなり、サッカーに興味がない層にまで広がったというもの。
大迫自身も『半端ない』効果について、
「(拡散しているのは大迫の顔写真ではないが)いいんじゃないですか(笑)」とまんざらでもない様子でこの“マイブーム”を楽しんでいるようだ。
高校生時代とはいえ、許可なく顔写真まで拡散された『半端ないって〜』の生みの親、中西隆裕氏の今後のメディア対応も気になるところだが、現在は大手都市銀行のサラリーマンとして働いているという。
高校卒業後に関西大学に進学し、サッカーを続けていたが、プロの道はあきらめて就職していたのだ。
「本人はここ最近のブームに困惑しちゃって、そもそも出たがりではないので取材も全てお断りしている状態なんですよ。
仕事もやっと覚えて現場でバリバリ動けるようになった矢先で、勤め先が有名都市銀行の営業マンだけに、今回のブームでお客様に迷惑がかかる可能性も気にした東京本社からも、軽率な行動をしないようにと異例のお達しが出ているようです。
もちろん本人は今後も黙々と業務に邁進するようですね。あの発言の映像は、試合で負けて気落ちした仲間のために主将として、おどけながらも相手を立てながら男泣きしていた中西の姿なんです。
映像をちゃんと見ると『半端ないって〜』の意味が伝わりますよ。誰も傷つけないでみんなを笑かす、根は真面目ないい男ですから」(中西氏の同級生)
今は当時のライバルの活躍を陰ながら応援しているのだとか。
ワールドカップで一気に注目されだした大迫の活躍から、しばらく目が離せない。
<取材・文/宮崎浩>