観戦中の高円宮さま

 日本代表のユニフォームを思わせる濃い青色のスーツ、耳にはサッカーボール型のイヤリング。スタジアムの貴賓席で日本代表選手たちの活躍をご覧になっていたのは……。

初戦のコロンビア戦、続くセネガル戦を、日本サッカー協会会長の田嶋幸三さんの隣で観戦されていたのは高円宮久子さまです。

 長年、夫である憲仁さまとともにサッカー界の振興に尽力し、'02年に憲仁さまが薨去された後は、サッカー協会の名誉総裁を引き継ぎました。“高円宮”が冠された大会『高円宮杯全日本ユースサッカー選手権大会』などを観戦するなど、選手たちを激励されています」(皇室担当記者)

 サッカー専門誌記者も、長年の献身ぶりを語る。

「高円宮杯がスタートしたのは、1989年のこと。決勝戦などは憲仁さまがご存命のときはおふたりで、いまでも久子さまおひとりで観戦されています。

 高円宮杯だけではなく、Jリーグの開幕前、観客が数千人だったころから、元日に行われる天皇杯の決勝戦を観戦されています

 久子さまの長年にわたるサッカー界へのかかわりのなかで直接、激励されてきたサムライブルーメンバーは少なくない。

久子さまとサムライブルーの関わり

「高円宮杯は中学生の部と高校生の部があり、地域予選を勝ち抜いた全国のチームが出場します。ふだん一緒に試合をすることの少ない学校の部活動のチームとJリーグクラブの下部組織(中学・高校年代のチーム)が参加するので、これまでに出場した代表選手も多い。

 例えば、守備の要の吉田麻也選手は'06年大会に出場し準優勝、'08年大会では原口元気選手のチームが優勝しています。本田圭佑選手、武藤嘉紀選手、槙野智章選手なども参加していますね」(サッカー専門誌記者)

 実際に中学生時代に高円宮杯に出場したことのある男性は、

「暑いなか、選手ひとりひとりと握手しながら、“頑張ってくださいね”と声をかけてくださいました。いまのサッカー協会の田嶋会長は当時は協会のスタッフで、高円宮杯など主要な大会にはよく来ていましたが、偉そうなイメージが強いですね(苦笑)」

 久子さまが未来の日本代表メンバーを激励される姿は今大会でも。

「今回、ワールドカップに出場する代表選手の練習試合の相手などを務めるトレーニングパートナーとして、19歳以下の日本代表メンバーもロシアに遠征していたんです。

 久子さまは6月21日にロシアのキャンプ地を訪れたのですが、ワールドカップに出場する選手たちを激励されただけでなく、まだ10代の若き代表選手たちとも、ひとりひとり握手し、声をかけられていました」(前出・サッカー専門誌記者)

 約30年にわたって送り続けたサッカーへのご声援は、今大会の代表選手たちにもきっと届いただろう。