最新シングル『U.S.A.』が「ダサかっこいい」と、にわかに注目を集め、YouTubeのミュージックビデオ再生回数が2000万回を突破。現在、“再ブレイク”中のDA PUMP。
『U.S.A.』に注目が集まった大きなきっかけは『ハロー!プロジェクト』に所属するアイドルのファン、“ハロヲタ”が食いついたことだった。
基本的に、いろいろダサいんです
「『U.S.A.』のミュージックビデオのインパクトですね。ビビッドな色使い、そしてシンプルなセットと照明は、どこかチープさも漂い、ある意味で洗練されていない。
そして、映像の中にカタカナで『アメリカ』と画面いっぱいに映し出され、ゲームの『スペースインベーダー』とともに、インベーダーのような謎のステップ。初めて見たのに、どこか親近感を覚える。直感的に、ハロプロに似た空気を感じ取ったようです」
と、アイドル事情に詳しい雑誌編集者は言う。
「そもそも2018年の今、なぜかユーロビートのカバーをリリースするというチョイスも含めて、基本的に、いろいろダサいんです。
だけど、それをやり切る。しかも、クオリティの高いダンスと、オリジナルメンバーであるISSAの変わらぬハイトーンボイスでの歌唱力。パフォーマンスのクオリティが非常に高い。それこそハロヲタが愛でる空気感、見たかったものとして、しっくりきたのだと思います」
結果、DA PUMPのリリースイベントにハロヲタが詰めかけ、曲に合わせて「オイ!オイ!」「フッフー!」、さらには「L・O・V・E ラブリー ISSA!」など、ハロプロのアイドルを応援するノリでコールを入れたり、“フリコピ”(振り付けをマネする)の現象も見られるようになった。
「握手会にも参加して『ハロプロファンですが、来ました!』と告げられ、DA PUMPのメンバーも非常に喜んでいました。SNS上でハロヲタに感謝したり、ハロプロについての感想を書いたりするメンバーもいるほど。
大手CDショップでは、ハロプロコーナーの試聴台の目立つ場所に『U.S.A.』のCDを置いたりするなど、もはやDA PUMPがハロプロの一員である錯覚をおぼえるかのような状況です」(前出・編集者)
この、一見ダサく見えることをやり切ることで、一周回ってカッコよくなる感じのDA PUMP。それと、同じような雰囲気をかもし出す集団が、他にもある。
「ジャニーズですよね。もちろん、ジャニーズは最新の流行に合わせたり、王道を行くパフォーマンスもありますが、その本流の一つは、やはりどこか“ダサかっこいい”もの。実は、ハロプロとジャニーズの両方を応援するファンも少なくありません」
と、ある芸能記者は言う。
ハロプロとジャニーズの親和性の高さは、これまでにもよく指摘されることがあった。とはいえ、ジャニヲタがDA PUMPを応援するという現象は、現時点ではなさそうだ。
「『U.S.A.』のわかりやすいユーロビートは、
古くはシブがき隊に光GENJI、
ジャニヲタのハートをグッとつかむ何かを獲得することができた時、DA PUMPの再ブレイクはホンモノになったと言っていいのかもしれない。
<取材・文/渋谷恭太郎>