「亡くなられてから、初めての試合だったようですね。チームを作った発起人が亡くなったということで、普通なら存続の危機に陥ってもおかしくないのですが、チームのメンバーは、“漣さんがいないからといって終わらせてはいけない”と、意気込んでいましたよ」(芸能プロ関係者)
大杉漣さんの突然の訃報から5か月がたとうとしていた7月上旬のある日、草サッカーチーム『鰯クラブ』の試合が久々に行われたという。このチームは、大のサッカー好きだった大杉さんが自ら立ち上げたチームだ。
君は決して独りじゃない
「あくまで遊びの草サッカーチームですが、今年で創立25年と歴史のあるチームです。メンバーの中心は後輩俳優や芸能関係者など。大杉さんはエースナンバーの10番を背負うキャプテン。晩年はプレーせずに見守ることもありましたが、60歳を過ぎてからも元気にプレーしていましたよ」(同・芸能プロ関係者)
今回の活動再開のタイミングで、チームメートみんなで作ったものがある。大杉さんを追悼する、ユニフォーム風のTシャツだ。
「漣さんにちなんだもので、何か形に残るものを遺したいということで制作されたそうです。胸にはチームのロゴ、後ろはサッカーのユニフォームのように名前と背番号で“Ren 10”と入っています」(大杉さんの知人)
そしてもうひとつ、このTシャツには、仲間たちの強い思いが込められていた。
「チームを作り、中心だった漣さんは先に天国に旅立ってしまったけど、“彼をひとりにしない。このチームをみんなで続けていこう”という思いを込めて、“You'll Never Walk Alone”(君は決して独りじゃない)というメッセージが入れられました」(同・知人)
胸を打たれるような言葉だが、なぜこの言葉になったのか。それはサッカーを愛した大杉さんのため─。
「『You'll Never Walk Alone』は、もともとミュージカルのために作られた劇中歌です。しかし、多くのミュージシャンにカバーされ、スタジアムでも歌われるようになり、いまでは“世界で最も有名なサッカーの応援歌”として知られています。
試合開始前に、“希望を胸に抱いて行こう 君は決して独りじゃない”と、チームを勇気づけるためにサポーターたちが大合唱するのです。イングランドの『リバプール』というチームが最初にこの歌を使ったことは有名ですが、世界各国のチームが歌い、日本でも『FC東京』が応援歌にしています」(サッカーライター)
チームメートたちが思いを込めた歌は、天国まで届いていることだろう。