どうなる、猛暑の甲子園問題(写真はイメージです)

 タレントのマツコ・デラックス(45)が23日放送の『5時に夢中!』(TOKYO MX)で、連日の猛暑の中で行われている高校野球地区大会や阪神甲子園球場の使用について、真顔で苦言を呈した。

「もう、ドームしかないって。大阪ドーム(京セラドーム大阪)に甲子園って、名前を付けたらいいじゃない。大阪ドームを甲子園にすればいいのよ」

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 8月5日から阪神甲子園球場で開催される「全国高等学校野球選手権大会」は、今年で100回目を迎える記念大会となる。

予選は夜やるべき!?

 毎年恒例の、高校球児たちの甲子園。今年のキャッチフレースは「本気の夏、100回目。」となっているが、本気の夏どころか、かなりヤバい夏となっている。

「今年の甲子園は本気でヤバイ。7月から日本全体を高気圧が覆ったことで、各地で最高気温を更新する、異常気象が連日続いています。その影響で、地方大会でも選手や応援している生徒が熱中症で倒れました」(スポーツ紙記者)

 連日の猛暑対策として、応援スタンドに日よけテントを設営したり、試合時間を変更してきたが、選手や応援する生徒が危険な状況であることは変わりない。

 マツコは同番組の中で、予選についてもこう言及した。

「夜中とかにやればいいのよ。予選なんか誰も見てないんだから。ゲームだけすればいいんだからさ」

 その声には「野球に対する愛がない」や「予選は夜にやるべき」と、ネット上では賛否両論だが、この夏が“暑い”ことは変わりない。

「気象庁が『命の危険がある暑さ。一つの災害』と発表しましたが、開催日にはある程度、落ち着くとはいわれています。それでも平年並みか、平年を上回る暑さになると言います。

 毎年、明らかに10年前、20年前とは気温や日差しの強さが増しています。今年はアルプススタンドで、いったい何人の人が倒れるのかと球場関係者も戦々恐々なんですよ」(甲子園球場関係者)

捨てきれない“甲子園”というブランド

 地域ごとの高校野球連盟も炎天下での応援の自粛を求め、選手にも試合中の給水時間を確保するなど対策を行ってきたが、甲子園では対策が間に合うのか不安視する声が多いのだ。前出の球場関係者が言う。

「甲子園の選手のベンチ内には、冷房設備があるんです。2014年から導入されたスポットクーラーも今年は増設しています。熱中症対策の理学療法士も球場に待機させ、選手たちの安全確保を最優先に考えています」

 と、ベンチ内の対策はできているようだが、応援席に関しては学校単位での対応策が求められる。また、一般席に関しては、自己責任で観てもらうしかないのが現状だ。

応援スタンドには、地方大会のようなテントも出せませんし、炎天下、陽に照らされた観戦席の表面温度が80度くらいになりますからね。うっかりしていると火傷するほど熱くなっています。一人ずつの体調管理まで球場が気を配るのは困難のため、熱中症に注意するアナウンスを増やすのが精一杯かもしれません」

 と、前出のスポーツ紙記者はいう。

 年々、真夏の甲子園の気温問題は厳しくなっている。マツコ・デラックスも提案するように、試合をすべてナイターにするとか、100回大会を機に、大阪ドーム球場での開催にしたらどうか、という役員の声も出始めているという。

 しかし、そこには簡単には決められない思いがある。

「高校球児が必死に目指してきた“甲子園”というブランドが障害となって、結論が出ない状態が数年続いているんです。炎天下で太陽の光を浴び、汗を流しながらボールを追う姿こそが、高校球児だという思いが捨てきれないんですね」(甲子園球場関係者)

 まさに焼け石に水の対策となっているのが実情のようだ。観戦する際は、十分な水分補給と、無理のない観戦で100回目の甲子園を楽しんでもらいたい。

<取材・文/宮崎浩>