東京・六本木にある劇場「EX THEATER ROPPONGI」で8月下旬まで行われている、ジャニーズJr.の公演「夏祭り!裸の少年 サマーステーション」。人気のジャニーズJr.による熱いステージが連日、繰り広げられ、夏の恒例となっている。
かつては「King & Prince」も6人がメインをつとめた、注目の公演。今年は「HiHi Jets」と「東京B少年」の2組がメインをつとめる。
テレ朝とジャニーズの関係性
「テレビ朝日が主催した“祭り”の目玉イベントのひとつが、コンサートという側面もあるイベントです。2組はイメージキャラクターとしてテーマソングも担当し、一緒に盛り上げていく関係性です。そんなわけで、毎年この時期の『ミュージックステーション』(Mステ)には、『サマステ』出演のJr.たちが登場してテーマソングを披露しています」
と、あるテレビ関係者は言う。
テレビ朝日は、旧社屋にジャニーズのレッスン場があるなど、事務所とは密接な関係を築いてきた。前出の関係者が続ける。
「『Mステ』も、番組スタート時には光GENJIがレギュラー扱いで毎週、出演していたくらいです。現在もその名残のように、ほぼ毎回ジャニーズのアーティストが出演していますよね。
CDをリリースしていないJr.たちが頻繁に出演できるのも、長い歴史と関係性があるからこそ。そして何より、サマステに出演できるメインのJr.は、ジャニーさんが特に力を入れている若手ということです」
メイン2組に加え、今回サマステに出演するのが、「7 MEN 侍」に「少年忍者」、「ジャニーズJr.SP」という最近、結成されたユニットばかり。ジャニーズ事情に詳しい芸能記者は、そのネーミングに驚いたという。
「『少年忍者』と『ジャニーズJr.SP』の名前なのですが、それぞれ昭和の時代に活躍したユニットと同じ名前なんです」
少年忍者は『お祭り忍者』などのヒット曲などでも知られる、80年代に活躍した人気グループ「忍者」のデビュー前の名称。そして、ジャニーズJr.SPは、70年代に活躍したグループと同じグループ名を使用していることになる。
「たとえば、光GENJIで大ブームを巻き起こしたローラースケート。これをキスマイに受け継がせたり、現在の『HiHi Jets』もローラースケートが大きな武器となっています。A.B.C-Zが、初代ジャニーズを舞台で再現したこともありました。
『7 MEN 侍』はスケボーを武器にしていますが、これも初期SMAPが『スケートボーイズ』という名前で、スケボーに乗っていたことを思い出します。
このように、過去の思い入れの深いグループや演出を、最新のグループに落とし込むような手法はここ10年ほどで増えてきていますが、グループ名をそのまま付けるというのは、少し驚きました」
同名グループを送り出す、ジャニーさんの心境について、前出の芸能記者はこうみる。
「もう、余計なオブラートに包む必要もないというのでしょうか。かつて実現できなかったことを、今のグループで再現したいという思いが感じられます。全体的なスキルは高くなっていると思いますし。
そんな、宿題を片付けるような状態に、『ジャニーさん、終活してるみたい』と感じてしまうファンも一部にいるようですね(笑)」
新たな若手Jr.の演出やネーミングから、ジャニーさんが彼らに何を託しているのかと考えながら見ることも、新たな楽しみのひとつとしてみては?
<取材・文/渋谷恭太郎>