舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」連載。
最終回となる第40回は川原一馬さんが塩田康平さんを指名! 『週刊女性』本誌(2018年9月4日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。
烏野のメンバーはケンカするほど仲がいい
――『ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」』シリーズ全作品に出演しているおふたりですが、印象深いことは?
塩田 初演のときから、稽古(けいこ)終わりにほぼ毎日、一緒にご飯食べてましたね。烏野のメンバー全員で行くことも結構あったし。
川原 うん、みんなホントに仲がいいですね。
塩田 初演のときは、言い合いもいっぱいしましたけどね(笑)。
川原 うん。康平は「これは違うだろう」ってときに、いちばん熱くなるタイプなので(笑)。
塩田 作品のためだと言っちゃうんですよね。で、ケンカが始まるっていう(笑)。
川原 初演は作品を一から作りあげるので不安もあったしね。みんな意見を言うタイプだから、烏野メンバーでディスカッションすることも多かったんですよ。
塩田 でも結果、めちゃくちゃ仲良くなりましたけど。
――特に二人の思い出ってありますか?
塩田 兵庫公演と大阪公演の間で、二人で旅行したよね。
川原 そうそう、大阪をひたすら街ブラするっていう。
塩田 服見たり、おいしいもの食べたり、お茶したり。
川原 ウィークリーマンションで、1DAYで借りられるところに泊まって。
塩田 一馬がロフトで僕が下で。
川原 同じ部屋にいるんだけど、3時間くらいお互い個々の時間を過ごして。しゃべらなくても、気を使わないで自然にいられる、数少ない存在だと思います。
塩田 あと、地方公演のときは、一馬と二人でご飯行くことが多かったかも。
川原 確かに。康平は朝も昼もしっかり食べるんですよ。
塩田 だから朝、一馬に電話して「食べに行こう!」って誘って。おいしいものを一人で食べても、おいしさが半減しちゃうんで(笑)。
川原 ハハハハハ!
塩田 気を使わないでいいから、一馬は誘いやすいんですよ。居心地いいというか。
川原 しゃべらなくても大丈夫だからね(笑)。
出会った頃よりも年々、絆が強くなってきてる
――二人の共通点、似ていると思うところは?
川原 根っこの部分では、お互い一人でいるのが好きだし、そこまで人に自ら干渉したくないと思っていると思うんですよ。そこは共通点だと思う。
塩田 そうだね。群れたがらない。
――群れたがらない二人が、たまに一緒にいる?
川原 でも生きている上で、自分がリスペクトしている人間と一緒にいたいっていうのはあるんで。
塩田 同意です(笑)。
川原 出会った頃よりも年々、康平との絆(きずな)は強くなってきてる気がしますね。
塩田 二人とも歌いたいし、踊りたいから、この先そういう作品で一緒になる予感もあるしね。
川原 うん。それにお互いクリエイティブなことが好きなタイプなんで。康平も自分でロックバンドを立ち上げたりもしてますけど、それぞれの良さをいかして何か作りたいっていう想いはあります。
塩田 そうだね。一馬もDJをやってるので、すでにコラボもしてますからね。僕のライブに出てもらったり。
川原 ほぼレギュラーで出させてもらってて。
塩田 ほぼじゃない、レギュラーだから(笑)。あと、僕のCD音源で一馬とリミックスを作ろうっていうのもやってます。
――アーティストとしてもいいパートナーになっていっているおふたりは、『宝塚BOYS』でも共演されていますが(9月2日大阪・サンケイホールブリーゼ公演まで)、“歌いたいし踊りたい二人”の活躍が期待できそうですね。
塩田 この舞台は5度目の上演ですけど、出演する役者が変わると全然違ってくるんですよ。演出の鈴木裕美さんが役者の関係性で毎回作られているので。それが面白いです。
川原 一番危惧してることは、物語の時代背景である戦争。若い僕たちがそれをどこまで理解して落とし込んだ上で、重みのある部分をにじませられるかどうか。
塩田 お客さんに想像させられるかだよね。
川原 終戦直後の普通と、現代で普通だと思われていることって、ちょっと違ったりもするし、そういう部分から生まれるドラマだったり、コメディ部分だったりっていうのもあるので、どこまで作品の中で芝居として感じさせることができるかっていうのは、僕たちの年代では、すごい挑戦だなと思います。
塩田 本当に出会えてよかった作品ですね。
――後半の黒燕尾(えんび)でのレビューのシーンは見せ場だと思いますが。
塩田 そうですね。でも、そこに向かっていく心の流れがあるからこそ魅力的なんですよね。
川原 うん、そうなんですよね。そこまで生ききれたら、このチームでその流れがちゃんと作れたら、すごくいいレビューになるんじゃないかと思います。
塩田 宝塚大劇場に立ちたいというBOYSたちの想いが入っているレビューじゃないとダメなので。
川原 たぶん、僕たちの人間性がすごくにじみ出る作品になるんじゃないかなって思います。
塩田 同意です(笑)。
「あ~恋して~な~」って気持ちはあるけど…
――恋愛観も伺いたいのですが、二人で恋愛の話もしますか?
塩田 ああ~、しますよ。一馬モテねぇな~って(笑)。
川原 アハハハハハ! 女っ気がなさすぎるんで。
塩田 アハハハハハ! 一馬はシャイなんですよ。
川原 いや、単純に今、求めてないから(笑)。
塩田 ああ。でも求めてるときもあるんですよ。
川原 すごい心に余裕があるときはね。「あ~恋して~な~」って気持ちはあるんですけど。今は自分がやりたいことを優先してるから、そこに頭がいかない。
――どういうのが理想の恋愛ですか?
塩田 家でご飯を作って待っててくれるとかは、いいですね。一馬はどうなの?
川原 基本、一人でいるのが好きなので、その一人の時間をキープしつつ一緒にいられる人がやっぱりいいなとは思いますね。
塩田 多少、大人な人がいいってことだね、精神的に。
川原 うん。同じ空間に、気を使わずにナチュラルにいられる相手じゃないと。
塩田 最初からは無理だよ(笑)。
川原 うん。無理だと思う。
――恋人に求める条件をあげるとするとどんなこと?
塩田 古いかもしれないけど、人前で男を立てられる人がいいですね。自分と二人のときは、全然こき使ってくれてもいいんですけど。
川原 康平と近いんですけど、結構これは俺にとって大事で。彼女ができたら友達に会わせたいっていうのがあるので、紹介したときに笑顔で話せる人かどうかっていうのはすごく大事。社交性がある人がいいです。
――最後に改めてお互いはどんな存在ですか?
塩田 どんな存在か……ライバル。
川原 うん。ライバルでもあるし、お互いにこれからも役者を続けていくなら、このままの関係は絶対に続くんだろうなっていう存在ですね。
塩田 ライバルがいないと伸びないですからね。
スペシャルQ&A【川原一馬編】
――塩田さんには言ってないけど、感謝していることは?
川原 とにかく前作の『ハイキュー!!』では、本当に感謝をしていて。物語で僕達が演じる2年生がフィーチャーされる話だったんですけど、体力も相当使う作品ですし、どっちかがしんどいなって心が折れかける瞬間っていうのはやっぱり毎公演あって。
その中でも、日々のコンディションを見て「あ、コイツ今日ちょっと微妙だな」「散漫になってるんじゃないの」ってときにセリフの投げ方ひとつで喝を入れてくれて、毎回新鮮に受けることができたので、康平にすごく助けてもらったなって思っています。もちろんセリフの内容は変わらないんですけど、声のかけ方だったり、肩に手を置くときの置き方1つで、ちょっとしたニュアンスなんですけど、伝わるんですよね。
――今日のバッグの中身は?
川原 台本、ペン、稽古着のTシャツとジャージ、香水、マスク、咳止め、家のカギ、のど飴、携帯、財布、充電器……、あと友達からお土産でもらったアムステルダムのステッカー。特に面白いものはないな~。カギにつけてるキーホルダーはTyシリーズのモンスターのキャラクターで、すごい気に入ってて。目が取れてるけど、もう4年くらいつけてます(笑)。香水はジバンシーのジェントルマン。ずっとディーゼルの香水を使ってたんですけど、ちょっと大人になってみようと思って替えました。
のど飴で一番好きなのはホールズ。これには理由があって。中2の初舞台のときに、俳優の新納慎也さんがホールズを箱買いしているのを見てカッコいいな、大人っていいなって思って。その憧れから、飴をなめようと思ったときはホールズっていうのがあります。脳がそうなってます(笑)。
――今までの人生で一番おいしかったものは?
川原 中学生のときに、ホームステイでメキシコのチワワっていうところに2週間行ってたんですけど。そこの人たちがとにかく陽気ですごく好きになったんですよ。そのホームステイした家のお母さんが作ってくれた朝ごはんのトルティーヤはおいしかったです。トルティーヤを温める専用の丸い鉄板みたいなものにトルティーヤを置いて、チーズをかけてパンって挟むだけなんですけど、それがすっごく好きで。それから、今でもタコスが好きだったり、メキシカンな料理がすごく好きになって。チリとか自分で家で作ったりしますよ。
スペシャルQ&A【塩田康平編】
――川原さんには言ってないけど、感謝していることは?
塩田 一馬も、お芝居の中で感謝してるみたいなことを言ってましたけど、それはもちろんこちらもあって。前回の『ハイキュー!!』は僕たちが演じる2年生が比較的メインの話の筋だったので、僕らが感情を動かすシーンが多かったんですけど。久しぶりに「なんかお芝居めっちゃ楽しい~」って思えました。改めてそう思わせてくれたのは一馬のおかげなので、それはすごくありがたいなって。“俺が一番思ってるよ”って気持ちで言葉をかけてたし、一馬もたぶん同じように向かってきてくれてたから、「こんなに生で感情を揺さぶられるんだ」っていうのを感じて最高に楽しかったです。3年間一緒にやってきたんで、1つ心に残る大きな思い出になりましたね。
――今日のバッグの中身は?
塩田 2日前が自分のライブだったんですけど、いつも使っているリュックをまだ預けたままで、今日のは仮のリュックなんで、何も入ってないんです(笑)。だから、稽古着と台本と携帯と財布とキーケースと充電器……、必要最低限のものしかないですね。
普段のリュックだったら、おもちゃのゴキブリとかボールペンでバチって挟むのとか、いろいろイタズラグッズみたいなものとかが入ってる。イタズラしたいので(笑)。あと僕、ドイツのボードゲームが大好きなんですよ。だから、そういうちっちゃいゲームとかも基本入れてます。ゲームは『ハイキュー!!』の楽屋でもみんなで遊びましたね。そういう遊び道具は多めです(笑)。最近お気に入りのボードゲームは、マスカレード。それは13人くらいまで大人数でできる、正体を隠し合いながらお金を稼ぐみたいなゲームなんですけど、ハマってます。
――今までの人生で一番おいしかったものは?
塩田 わ~難しい~。僕、食べるのが大好きで。父方の祖母が料理研究家で母方の祖母が料理の先生で母も料理上手なので、家のご飯がとにかくおいしくて。もちろん、おいしいものを食べるのも大好きだから、よく食べにも行くんですけど。僕の地元の香川県に『シェ・露堂』っていうフレンチレストランがあって、そこの料理は日本一ってくらいおいしいです。見つけられないような山奥にある店で、行くのは大変ですけど、全部おいしくて感動しますよ。僕は特にデザートのクオリティが高いと思う。
あとラーメンだったら、中野新橋の『虎愼(こしん)』。ここはおいしいです。あっさりな煮干しラーメンで、特にタマネギ付きが最高! この店は、おもてなしの心がすごくあって、トッピングの卵もちゃんと温め直して乗せるんですね。そういうところも好きです。
<プロフィール>
かわはら・かずま◎1990年12月26日、静岡県出身。主な出演作品は、ミュージカル『テニスの王子様』、『押忍!!ふんどし部!』シリーズ、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」シリーズなど。DJとしても活動。今後は『宝塚BOYS』team SKY(久留米8月25日~26日/大阪8月31日~9月2日)、「ハイキュー!!」“最強の場所(チーム)”(東京10月20日~26日/広島11月9日~10日/兵庫11月15日~18日/大阪11月23日~25日ほか)出演。
しおた・こうへい◎1990年3月31日、香川県出身。主な出演作品は、ミュージカル『テニスの王子様』、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」など。BUCKSでアーティスト活動も。今後は『宝塚BOYS』team SKY(久留米、大阪)、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“最強の場所(チーム)”東京ほか出演。
(取材・文/井ノ口裕子 撮影/廣瀬靖士 ヘアメイク/白石真弓)