8月24日に公開初日を迎えた、木村拓哉主演の映画『検察側の罪人』。彼の今後を左右しかねない作品だけに、直前まで大規模なPR作戦が行われた。
「各媒体における二宮和也との露出はもちろん、情報番組からバラエティー番組までとにかく出まくりました。しかも『ミヤネ屋』(日本テレビ系)では、初めて娘のKoki,についても言及するなど、話題作りに“必死”さを感じたほど。これまでのイメージなんて、構っていられません」(スポーツ紙記者)
木村にとって勝負の3日間
各番組では積極的に共演者と絡んでイジられたり、親しみやすいキャラになった木村。かつての“国民的ヒーロー・キムタク”を捨ててまで、今作の大ヒットは至上課題なのだろう。
「昨年の映画『無限の住人』は興行収入10億円程度とも言われており、はっきり言って業界ではイメージがよくありませんでした。来年には、同じく主演作の『マスカレード・ホテル』の公開を控えており、81億円超えの『HERO』('07年公開)のような“銀幕のキムタク”を復活させたいところですね」(映画雑誌編集者)
それだけに、初日から3日間の初週興行収入が『検察側の罪人』の成否のカギを握る。是が非でもほしいのが「興行収入ランキング1位」の称号だ。
「じわじわと口コミで広がってヒットする作品とは違い、PR活動に力を入れた作品の場合は“初動”ありき。
爆発的な初週を迎えて1位を獲得することで、一般層も“じゃあ、見に行こうか”となるわけです。逆にトップ3にも入らなかった場合、次週以降の“伸び”はあまり期待できません」(映画配給会社関係者)
なるほど、『検察側の罪人』は完全に後者。木村は勝負の3日間を迎えているのだ。
一方で、同日に公開された“ライバル”の動きも気になるところ。中でも、
「'09年に興行収入26億円を記録した、洋画『マンマ・ミーア!』の続編『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』ですね。
大女優のメリル・ストリープが出演する女性好みのミュージカル映画は『検察側の罪人』が取り込みたいターゲット層とかぶってしまいます。チケット売り場で悩んでは……こっち、となるかもしれません」(映画ライター)
また夏休み終盤ということもあり、親子向け映画も客足は伸びそうだ。元スタジオジブリ所属で宮崎駿の後継者とも言われた、米林宏昌監督のアニメーション映画『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』も同日公開。
「木村さんや二宮さんのファンの多くは母親世代ですからね。自分は見たいけども子どもに合わせて、ということもあるでしょう。そういう意味では、子どもに大人気のミニカー映画『映画ドライブヘッド~トミカハイパーレスキュー 機動救急警察~』も侮れません」(同・映画ライター)
また、公開中の人気作品もランキングに残りそう。
8月17日に公開し、初週ランキング1位を獲得した小栗旬主演映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』は勢いがある。そして木村の後輩・山下智久主演映画『劇場版コード・ブルー –ドクターヘリ緊急救命–』(7月27日公開)は、興行収入69億円を突破する大ヒット映画となっている。
「いずれも人気作品の続編だけに、ある程度の計算はできたでしょうが『コード・ブルー』は予想以上のデキ。『検察側の罪人』の成績によっては、山Pとの“世代交代”をささやかれてもおかしくはない」(芸能プロ関係者)
そして映画界で“計算外”の大ヒット作品になったのが、何かと話題の『カメラを止めるな!』だ。6月に本公開された、製作費300万円とも言われる小作品はSNSなどの口コミで広がり、興行収入10億円に迫るとか。それでも木村の脅威にはならないように見えるのだが……。
「盗作疑惑をかけられている『カメ止め』ですが、逆に話題になっていますね。当初はわずか2館の公開だったのが、現在では全国100館以上に到達しています。そして大手映画館『TOHOシネマズ』の各館でも、ほとんどが一番座席数の多い“メインスクリーン”を確保しているんです。
一方の『検察側の罪人』は、親会社の東宝の新作映画にもかかわらず、六本木や新宿など『カメ止め』よりも小さいスクリーンをあてがわれている館も少なくはない。これが今の木村さんに対する期待と評価の表れということでしょうか」(前出・映画配給会社関係者)
スーパースターのプライドを取り戻せるか。