「お付き合いが始まったときから一夫多妻であることもわかっていました。でも、好きという気持ちがあるから、まあいいかって」
そう笑顔で話すのは、8月19日付のブログで、外国人タレントのオスマン・サンコンとの結婚を発表した、演歌歌手の北山みつき。彼にはすでに2人の妻と5人の子どもがおり、ギニアの慣習にならっての第3夫人という立場での婚姻関係に、世間はアッと驚かされた。3人目の妻になることを決断した本心を、大いにぶっちゃけてくれた─。
「サンコンとの付き合いは不倫になるのかしらって、ドキドキするし悩んだわよね。最近はいろいろ芸能界でも不倫騒動があったでしょ。でも、彼は結婚は4人までOKっていうから、5人目じゃないから大丈夫かしらって(笑)」
北山がサンコンと初めて会ったのは3年ほど前。とある食事会だった。
「初めて会ったとき。“おお、サンコンさんだ!”って。オーラがピカピカ出て、後光が差していましたね。ただ、出会ってすぐに私が病気になってしまったんです。元気になって誰に会いたいかなって思ったときに、なぜか彼の顔が浮かんだんですよ。
だから、私のほうから思い切って連絡して復帰ライブに来てもらったんです。彼の母国語であるフランス語でシャンソンを歌うと、彼はボロボロと滝のように泣いてましたね。亡くなったお母さんや母国を思い出し、涙したんです」
デートなのに家族も……
彼女の歌声がサンコンの胸に深く響いたのは間違いないだろう。その後、彼からデートに誘われたのだが……。
「初めてのデートは焼き肉屋さんだったんですけど、彼の弟さんも来てらっしゃったんですよ。だから、“あれ? デートなのに、弟さんも一緒なんだ……”って。その次は焼き鳥屋さんに誘われたんですけど、そのときは息子さんが。いつも、デートは3人で家族ぐるみだったんです。今思うと、彼はとても私を大切に思ってくれていたんです」
正式に交際に至ったのは出会って約1年半後のこと。すぐに結婚を考え始めた。
「もちろん、初めは第3夫人って戸惑いもありましたよ。でも、愛する人の過去は変えられないんですよ。サンコンには家族、兄弟が22人いて、甥っ子や姪っ子も入れたら79人になる。それでもみんなに送金して、家族として愛しているんです」
しかも、母国にサンコン小学校を作り、生徒は無償で通えるという。
「その生徒さんたちも彼が育てているようなもんですよ。親戚、家族関係なく、分け隔てなく愛するのがいいところ。そうなると、私も“あの奥さんの子どもだからダメ”とか言えなくなるんですよ。
もう、サンコンイズムに染められてるわけです。そこに飲み込まれちゃったから、奥さんと別れて私のところに来てって、とてもじゃないけど言えないのよ。そんなちっちゃいこと言えないなって。彼はスケールが大きいんですよ。でも、貯金はまったくないの!(笑)」
若いころなら一夫多妻なんて無理だったと苦笑いする北山。彼女自身もバツ2で、その経験が再婚を後押しした。
「女性って満たされないから不満を持つんですよ。今は精神面がいちばん満たされています。本当によく連絡をくれるんです。こまめに連絡をくれて、離れていてもいつも思っているよって伝え合うというのが大切ですよ。今まで2回の結婚は全然、相手と向き合ってなかった。連絡しても、返事は来ないし。それで音信不通になって、夫が住んでるところもわからなくなっちゃったんです(笑)」
日本では考えられない第3夫人という立場。そんな婚姻関係に彼女の家族は意外な反応を見せる。
「母は最初、妙な顔をしていましたけど、なんせ3度目の結婚ですから慣れてきたみたいで、”そんな結婚もあるのね“って(笑)。しかも“私もギニアに住んじゃおうかしら”なんて言って。父は亡くなってますし娘3人だから跡継ぎがいないでしょ。だからお墓もギニアでいいって言い出してますよ。
私の考えでは母が日本で亡くなってから、サンコンとギニアに住むのもいいかなって考えていましたけど、“えー、母もギニアに行っちゃうの”って(笑)。そこまで母も応援してくれてるんだって、すごくうれしかったですし、感動しました」
母も認めた新しい夫は彼女より19歳上。将来的には介護問題も出てくるが……。
「結婚後も歌手を続けますし、サンコンが働けなくなったら、私が働いて介護費用を捻出し、2番目の奥さんが介護するとかね。
いろんなやり方が出てくると思うんですよ。国に帰るかもしれませんし、子どもがこっちに来るかもしれません。予測はできないですよね。でも、今はその予測できない未来がとても楽しみです」
そして、最後はギニアのお墓に夫婦で入るというのだ。
「だってプロポーズが”一緒のお墓に入ろう“ですから。年内にはギニアに行って国籍を変え、そこで入籍をしてギニア人として日本での永住権を取ることを考えています」
そこで、彼女はギニア国籍になったらどう生活が変わるのか役所に通って調べてみたという。
「年金も印鑑証明も相続とかも今までどおりなんです。健康保険も普通に払わないといけないし。ないのは選挙権だけ。どこの国に住んでも、どの国の人になっても、今まで払った年金はもらえるんですよ。ということは、日本で年金をもらうより、ギニアで年金をもらったほうがホクホクで生活できますよ。そうなったら、ライオンとかキリンとか飼っちゃおうかしら。できるのかしら?(笑)」
その笑顔は、とても幸せにあふれていた─。