サヴァン症候群の小児外科医が子どもたちの命と向き合うヒューマンドラマ。好視聴率をマークするドラマの撮影現場や出演者たちの素顔について、主人公を支える看護師役で出演する浜野謙太が激白!
台本を読んで感涙。役作りのこだわり
主人公は自閉症スペクトラム障がいでサヴァン症候群の青年、新堂湊。偏見や反発にあいながらも小児外科医として成長していく姿を描いている。原作は韓国の同名ドラマで、アメリカでもリメークされた話題作。本作では日本では0・3%しかいない小児外科医の世界を舞台に描いている。
「タイトルの“グッ”ドじゃないですけど毎回、見終わった後にグッとくるんですよ。僕は台本を読んだ段階から泣いています」
こう話すのは、看護師の橋口太郎役を演じているハマケンこと浜野謙太。
橋口は小児外科病棟のムードメーカーとして、小児外科医やレジデント(研修医)、患者らをサポートしている。深刻なシーンもある作品のなかで、橋口の満面のスマイルは一服の清涼剤になっている。
「看護師のプロフェッショナルらしさより、体当たりで患者の子どもとぶつかったり戸惑ったりするようにしています。それ以外の細かい部分は頑張って何かしてやろうと思わなくても、キャラクターの完成度が高いので、そこにちょこんとのっかっている感じです」
山崎賢人が演じる湊は、コミュニケーション能力に問題がありながらも、驚異的な記憶力の持ち主。まくしたてるようにしゃべり、緊急の手術時には、医療用語などを次々と繰り出す難易度の高い役。
「撮影直前まで山崎賢人でいるのに(本番の)スタートの声がかかったとたん、湊先生になるのには驚かされます。賢人君とは2度目の共演で、仲よくしてもらっています。空き時間には、プレゼントした僕のバンド(在日ファンク)の曲をオリジナルとはまったく違う、賢人流のアレンジで歌ったりするんです(笑)。
対照的なのは(湊の指導医)夏美先生役の上野樹里さん。空き時間でも、上野さんなのか夏美先生なのかわからなくなることが。上野さんとも2度目の共演ですが、いい意味で緊張感をくれる女優さんです。演じるのが本当に好きな方だと思います。一緒にお芝居をしていると満たされた気持ちになるんです」
本番は呼び捨てOK! オフはモノマネ上手?
小児外科病棟が舞台なので、子どもの出演が多いのも特徴。
「少人数の子どもがいる撮影現場なら大人の力で進んでいくけど、今回はそうはいきません。いつもにぎやかでわちゃわちゃした感じですが、嫌いじゃないです。空き時間には、子どもたちに交じって新しく流行ってるマジカルバナナみたいなゲームや、湊先生や司賀先生のモノマネをしています。モノマネは最終的に僕がやって、子どもたちが笑う感じになっちゃうんですけど(笑)。
劇中に子どもが“橋口!”と呼び捨てにするセリフがあったとき、ある子が“だめだよ、橋口さんって言わなきゃ”と注意するので、“いいんだよ”と(笑)。子どもには癒されるというより、小さいながらも必死に生きている姿に元気をもらうことが多いです」
橋口は“ドラマ・イン・ドラマ”と言われるCMに登場し、ドラマ本編では“恋多き男”として存在感を示す一方で、残念な思いをしたそう。
「治療に苦しむ子どもを励ますため、ほかの子どもたちが合唱をするシーンがあったんです。最後は先生たちも参加する感動のシーンでしたが、橋口は不参加! 僕はスケジュールが空いていたし、ミュージシャンですから、ぜひ出たかった。でも、演じる橋口がいるとコミカルになっちゃうからと(笑)。橋口はそんなキャラクターですからこの先は、壁に激突するシーンがありますので、お見逃しなく!」
第8話(8月30日放送)では、高山(藤木直人)の治療を受けるために東京へ引っ越してきた家族たちの闘いを描く。
「困ったことも一生懸命、乗り越えようとする湊先生と夏美先生のバディ感に注目です。いい味だしている看護師やレジデントも応援してくださいね。子どもの病気の話ですが、かわいそうと思うより、子どもの生きる力強さに感動すると思います。ご覧いただいて、生きる力をもらってください」
橋口の意外な相棒とは――
小児外科のムードメーカーの橋口は、登場シーンは少なめだけどインパクトは絶大。動物柄の看護師のユニフォームが目立つけど、それ以上にカラフルなスニーカーをはいているそうなので要チェック!
「ライオンやキリンの模様のユニフォームは特注です。体温計や消毒薬などを入れたポシェットもカラフルだし、橋口が好きそうなグッズもいろいろ入っています。子どもが泣いたときなどに取り出すのは、相棒のサルのぬいぐるみ。名前はサル口と言います(笑)。サル口には実は彼女がいるんです。この先、登場するか、注目してください!」
<作品情報>
『グッド・ドクター』
フジテレビ系 木曜夜10時~