8月26日、ジャニーズ事務所の木村拓哉やTOKIOの城島茂、『Kis-My-Ft2』『ジャニーズWEST』のメンバーら9人が、西日本豪雨で被災した愛媛県宇和島市を訪れたことを『愛媛新聞』が報じた。
同紙によると、木村らはボランティアとして現地入りし、カレーなどの炊き出しを500セット分振舞い、地元住民らと交流したという。
「キムタクが被災地を訪れたのは、8月4日に広島県呉市に続いて今年2回目。このときは『V6』三宅健と生田斗真を連れての炊き出しでした。この行動に対して、“偽善”“イメージ回復”などと心無い声も聞こえましたが、実際に被災地の方が元気づけられたのは事実。彼らの行動は称賛されるべきです」(スポーツ紙記者)
7月には『嵐』メンバーの松本潤や二宮和也が、それぞれ被災地の避難所となっていた小学校などを訪問し、住民との記念撮影やサインに応じたことを『週刊女性』では報じている。今年のジャニーズは“被災者に寄り添う”姿勢を、例年にも増して見せているのだ。
“よかれ”の思いが
「彼らタレントは、各々(おのおの)が善意をもって参加していることに間違いはありません。それは、かつて東日本大震災が起きた時に結成した、復興支援プロジェクト『MarchingJ』も然り。熱心に活動していました」(芸能プロ幹部)
'11年3月に立ち上げられた被災地支援プロジェクト「MarchingJ」は、近藤真彦主導のもとで多額の寄付金を集め、翌年の9月までにその全額を宮城、福島、岩手の被災3県の自治体に寄付した。さらに、同プロジェクトと並行する形で、'12年2月に一般財団法人「MarchingJ財団」がジャニーズグループ内に設立され、仙台市との共同作業としてのジャイアントパンダ招致事業をスタートさせた。理事には近藤真彦も名を連ねている。
「ジャニーズにしてみれば“よかれ”の思いだったのでしょうが、中国との尖閣諸島における衝突による情勢悪化もあって、招致の話は一向に進みませんでした。次第に話題にも上がらなくなり、白紙になったと思われたのです」(芸能レポーター)
あれから7年が経ち、誰もが忘れかけていた今年3月、突如としてパンダ招致が“政府主導”案件として扱われ始めたのだ。
「日中平和友好条約締結40周年にあたる今年、1月に河野太郎外相が訪中した際に“中国政府に対して新たなジャイアントパンダの貸与を要請していた”などと、多数のメディアが報じたのです。
これに対して菅義偉官房長官も“来日が実現すれば政府としても歓迎したい”と推奨するような発言も、現実味を持たせました。その有力候補地とみられたのが神戸市、そして仙台市なのです」(全国紙記者)
ところが6月、候補地のひとつだった神戸市立王子動物園が窮地に立たされる。現在、貸与されている雌の『旦旦(たんたん)』をもって中国との契約が終了する可能性があることを、『神戸新聞』が報じたのだ。
「ほかに貸与されていた雄や、赤ちゃんが育たずに死んでしまったことも原因ではないか、と。もとは'95年に起きた阪神・淡路大震災からの復興シンボルとして'00年に来日したパンダです。2年後の'20年で役割は果たされた、ということかもしれません」(同・全国紙記者)
そうなると、候補地として残されたのは当初より招致が予定されていた、仙台市八木山動物公園となる。すでに決定事項となっているのだろうか。仙台市役所建設局総務課に現状を聞いてみると、
「(ジャイアントパンダ招致プロジェクトは)ずっと滞っていますが、“手は降ろしていない”という状況です。そのあたりのこと(政府の要請)は報道では知っていましたが、こちらでは正式にはうかがってはいません。
『MarchingJ財団』とは現在もやり取りはしています。当初、尖閣諸島の問題などで滞った時期があったんですが、その間も楽器を寄贈してくださったりとか、ジャイアントパンダに限らず、いろいろな被災地支援について連携してやってくださいました。今後も継続していく? そうですね」
被災地復興支援の“シンボル”としてジャイアントパンダは、いや、ジャニーズの周辺はこれから忙しくなるのかもしれない。
※復興支援プロジェクト「MarchingJ」と一般財団法人「MarchingJ財団」との関係について加筆修正して更新しました。(2018年9月10日)