左から、小池栄子、ともさかりえ、篠原涼子、板谷由夏 撮影/廣瀬靖士
 爆発的な“コギャル”ブームが起こった’90年代後半、青春を謳歌していた5人の女の子グループ“サニー”。ある出来事をきっかけに疎遠になってしまった彼女たちだが、20年後、メンバーの奈美(篠原涼子)が芹香(板谷由夏)と病院で偶然再会する。余命1か月と宣告された芹香が、かつての仲間と会いたいと奈美に頼んだことから物語は大きく動きだす。

 映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』で、20年後のサニーのメンバーを演じ友情を深めた篠原涼子、板谷由夏、小池栄子、ともさかりえにインタビュー。

――高校生時代のサニーのメンバーは“コギャル”。みなさんも“コギャル”だった時代が?

小池「ありましたよ。あそこまでのギャルではなかったですけど。細眉にラルフローレンのカーディガン、スカートを短くして。私が通っていた学校は地味な制服だったので、当時流行っていた、ほかの学校の可愛い制服を譲ってもらって放課後に着て遊んでました」

ともさか「私も’90年代はリアルに高校生でした。ただ、校則が厳しかったので、学校を出てからこっそりルーズソックスにはきかえたりってことはしてました」

板谷「私たちは(小池やともさかより)ちょっと年上なので、’90年代後半って、もう20歳くらいだった気がします」

篠原「私自身は、地元の高校に3か月通ったあと、上京してお寿司屋さんで働きながら、東京パフォーマンスドールの活動を始めていました。だから、制服を着て電車で通学しているコギャルの子を見ると、元気で可愛いな、エネルギッシュでいいなって憧れましたね」

久しぶりの制服姿

――作品では、篠原さん、板谷さん、小池さん、渡辺直美さんの制服姿を見ることができましたが、久々に袖を通した感想は?

小池栄子 撮影/廣瀬靖士

小池ひざ小僧に年齢が出ちゃって

篠原板谷はははは

小池「ひじとひざって、年齢がわかるじゃないですか」

板谷「そうそう(笑)。ずっとクリームを塗ってたよね」

小池「涼子さんがすごくいい匂いのクリームをお持ちで。昔と現代を行き来する映画だから、比較されて“うわっ”て思われるのがイヤで」

板谷撮影が冬場だったので、待ち時間になるとルーズソックスをひざの上までひっぱりあげてましたから(笑)

小池「ミニスカートで冷えちゃうから。当時は、真冬によくあんな格好していたなと思います。あと、今着るとコスプレにしか見えない。すごいな、歳月って……」

篠原「私は、やけに鏡ばっかり見てましたね。正面から見たり、身体を横に向けたり(笑)」

小池「こういう機会がないと着れないですもんね」

ともさか「私は作品の中で制服を着てのシーンはなかったのですが、撮影前の衣装合わせのときに着ました。大根監督から“とりあえず、着ておこうか”って言われて」

小池「見たかったんですよ、監督が(笑)」

ともさか「(笑)。でも、不思議ですね。一気に当時を思い出すというか」

事件ばかりの高校時代!?

――ともさかさんは、高校生時代、すでに女優として活躍されていましたよね。

ともさかりえ 撮影/廣瀬靖士

ともさか「『金田一少年の事件簿』というドラマを、まさに高校1年から3年まで3年間やっていました」

小池事件ばっかりだったんですね(笑)

ともさか「はい(笑)」

篠原「高校生に戻れるなら、英語をしっかり勉強したいな。あと、当時はダンスをやっていたんですけど、21歳くらいでやめちゃったんです。続けておけばよかったと思います。ずっと続けている趣味とか、自信のあるものを持っていることっていいなと思って。大人になってから、自分ってあまり趣味がないと思って」

板谷「わかる、わかる」

ともさか「私は、もっと若いことを楽しんでおけばよかったなと思います。あのころは、すごく大人に憧れていて、早く大人になりたい意識が強かったので」

小池「今思えば、高校生のころの恋愛って楽しかった。ちょっとしたことでウキウキしたり、ドキドキする。

 お互いそんなにお金を持っていない同士が、月に1回くらいファストフードじゃないところでご飯食べるとか。門限には帰らないといけないとか。制限がある中での恋愛っていいですよね」

板谷「そういう意味では、私、恋愛しておけばよかったと思う。女子校だったし。女子だけで、わちゃわちゃやっているのが楽しかったから。キュンキュンしたかったな。全然、なかった」

映画では’90年代音楽も

――映画で流れる’90年代音楽も懐かしかったのでは?

小池栄子 撮影/廣瀬靖士

小池「私の高校生時代は、安室(奈美恵)ちゃん一色でした。衣装もメイクもまねしたし。安室ちゃんにもこの作品、見てほしいな

篠原「私と同じく安室ちゃんもTK(小室哲哉)ファミリーだから、見てくれそうな気がする。(作品の音楽を担当している)小室さんは恩師って感じですね、私の中で

 東京パフォーマンスドールを抜けてひとりでやりたいと思っていたとき、小室さんに出会って、歌がヒットして、“私、結構いけるんだ!”って小室さんから離れたら一気に売れなくなって。

 感謝をしっかり伝えられないまま時間が過ぎてしまって。20何年ぶりにお会いして“あのときは、本当にありがとうございました”って話もできたし、すごくいい巡りあわせというか、ご縁を感じました。

 安室ちゃんは、自分の歌が低迷しているときにドンと人気が出てきたかな。私が歌から演技の道に入ってしばらくして、スーパーで偶然、彼女に会ったんです。

 “涼子さん、いつもドラマ見てます”って安室ちゃんから声をかけられて。頑張ろうって思いました。TKファミリーだったふたりが、こうやって、また同じ作品で集まれて。小室さんも今作で引退するということもあって、特別な意味のある映画だと感じています

――見る人それぞれの立場で出演者に感情移入しながら、自身の過去を振り返り、未来を想像することができる作品ですが、特に見てほしいシーンは?

小池「絞るのが難しいですね」

板谷「全部いいよね」

篠原「私は、(板谷)由夏ちゃんとの病室のシーンがすごくいいなと思ってる。映画がスタートする場所だから」

ともさか「試写会で見たとき、展開を知っているはずなのに感動してしまって。お葬式でみんなで踊ったところも、不思議な涙がこみあげてくるというか……」

本当の“友情”は

――では最後に、みなさんの思う今作のテーマである“友情”とは?

板谷由夏 撮影/廣瀬靖士

小池「大事ですよね」

篠原「生きる糧じゃないけど」

板谷お返しがなくても、何かやってあげたいと思う。そして、やってもらえる

小池年に1、2回しか会えなくても続いていくのが本当の友情なんじゃないかな

板谷「この4人もそうだもんね」

篠原「なんだかんだ、イベントごとがなくても連絡とり合ってるよね」

小池「友情をテーマしたこの作品で共演したから、近い感じがする。家族みたいな」

篠原「もし、遊びに行くなら、温泉に行きたい」

小池「行きたい!」

板谷「いーね」

ともさか「いいですね!」

篠原「楽しいだろうね。それこそ、そこでカラオケをやって(映画ではカットされてしまったシーン)」

ともさか「私、次は一緒にやりたい! まだ合流していないシーンだったので」

映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』 全国公開中 (C)2018 「SUNNY」製作委員会